• "高齢化社会"(/)
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  1. 福岡市議会 2015-12-16
    平成27年第5回定例会(第3日)  本文 開催日:2015-12-16


    取得元: 福岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                                         午前10時 開議 ◯議長(おばた久弥) これより本日の会議を開きます。  日程に入るに先立ち、この際、報告いたします。  去る12月14日の本会議において報告いたしました議員の派遣について、お手元に配付いたしておりますとおり、議員派遣報告一覧表に訂正がありましたので、報告いたしておきます。  以上で報告を終わります。  これより日程に入ります。  日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。池田良子議員。 2 ◯58番(池田良子)登壇 おはようございます。私は社民・市政クラブ福岡市議団を代表して、臨時教員採用候補者選考試験及び福岡市立学校教員採用候補者選考試験、そして、子どもの貧困対策について質問いたします。  初めに、臨時教員採用候補者選考試験福岡市立学校教員採用候補者選考試験についてです。  福岡市は各学校の児童生徒数をもとにした学級編制を県に届け出、県はそれに基づき教員定数の配当をいたします。しかし、正規教員の人数が足りない場合は、定数内講師を任用します。近年、学校現場から定数内講師が増加傾向にあるのではないかとの指摘を受けています。  そこで、10年前の2005年度と2014年度、2015年度の定数内講師の配置人数とその割合をお尋ねいたします。あわせて、2015年度の定数内講師率小中特別支援学校の校種別にお尋ねいたします。  以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行います。 3 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 4 ◯教育長(酒井龍彦) 教職員定数に含まれる常勤講師、いわゆる定数内講師の配置人数と教職員定数全体に占める割合につきましては、各年度5月1日現在で、平成17年度は384人で6.7%、26年度は541人で8.6%、27年度は525人で8.2%でございます。また、27年度の校種別の定数内講師の配置割合につきましては、小学校が5.5%、中学校が10.4%、特別支援学校が15.9%でございます。以上でございます。 5 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 6 ◯58番(池田良子) 昨年、ことしと常勤講師が500人台に増加していますが、その要因をどう分析しているのか、お尋ねいたします。
    7 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 8 ◯教育長(酒井龍彦) 定数内講師の増加につきましては、平成17年度から27年度までの福岡市の児童生徒数の増加に伴い、教職員定数そのものが623人増加していることが主な要因であります。教職員定数が増加する場合、正規教員の採用数をふやす必要がありますが、将来的には福岡市の児童生徒数の減少が見込まれており、教職員定数も減少することとなるため、新規採用は世代間構成を平準化できるよう計画的に行っております。以上でございます。 9 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 10 ◯58番(池田良子) 基本、正規であるべき教員です。8%の常勤講師、また、特別支援学校については約16%が常勤講師ということですけれども、平準化も必要だとは思いますけれども、やはりこの率の増加を見ると、やはりこの定数内講師の改善が早急に図られるべきだというふうに申し上げておきます。  次に、定数内常勤講師と正規教員の処遇の違いをお示しください。 11 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 12 ◯教育長(酒井龍彦) 定数内常勤講師の勤務条件につきましては、正規教員に準ずるものとされており、週の勤務時間、年次有給休暇日数特別有給休暇については正規教員と同様になっております。また、給与については、正規教員と同様、経験年数に応じて給与月額を決定しております。学校運営に関する校務につきましても、正規教員と同じく学級担任などの校務分掌を担当し、部活動顧問を担当することができます。正規教員との違いといたしましては、任用期間の定めがあることのほか、適用される給料表の級が異なるため、同じ経験年数を有する者でも給料月額に差が生ずることがあること、学年主任など特定の校務分掌を担当できないことなどがございます。以上でございます。 13 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 14 ◯58番(池田良子) 定数内講師の先生、正規教員とほとんど同じ業務に携わっています。でも、単年度任用ということで、一刻も早い改善を求めておきたいと思います。  定数内常勤講師のほかに、産休、育休、病休等代替教員などの短期、短時間勤務講師、非常勤講師がいますが、非常勤講師の勤務時間などの処遇についてお尋ねいたします。 15 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 16 ◯教育長(酒井龍彦) 非常勤講師の勤務条件につきましては、任用目的に応じて異なりますので、任用例が最も多い学習指導等支援補充関係の講師について申し上げます。  まず、勤務時間は週27時間30分で、時間外勤務はございません。報酬は日額1万240円で、別途通勤状況に応じた交通費相当加給金を日額850円を上限として支給しております。年次有給休暇は任用期間に応じて定めており、結婚休暇、夏季休暇などを除いた正規教員の特別有給休暇に当たる事項については、勤務免除を受けることができます。また、校務につきましては、学級担任や部活動の顧問は担当できませんが、そのほかの校務は必要に応じて行うことができます。以上でございます。 17 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 18 ◯58番(池田良子) 非常勤講師の勤務時間は週27.5時間ですが、学校行事や地域行事等で時間外勤務を余儀なくされることも少なくないと聞いております。頼まれれば断れないなど、時には6時から7時まで校内にとどまり、教材づくりの手伝い等をしていることもあると聞き及んでいます。超過勤務を断れない状況を放置することは、まさに学校がブラック企業化していると言われるゆえんです。職務上の監督者である学校長へ非常勤講師の勤務時間の徹底と全教職員への周知を行う必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。 19 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 20 ◯教育長(酒井龍彦) 非常勤講師の勤務時間につきましては、任用の際に本人及び学校長に対して、任用説明用紙などにより、業務内容及び勤務条件を説明する中で周知をしております。今後とも、学校長に対し勤務時間の徹底について、学校内で全職員に共通理解を図るよう指導してまいります。以上でございます。 21 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 22 ◯58番(池田良子) それがなかなか守られていない現状があるということも認識していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  昨年度は常勤、非常勤の講師不足が顕著だったように思われます。学校現場から、産休代替がまだ来ない、病休代替が来ないので、専科教員や教務主任が担任に回らざるを得ないなどの声を聞きましたが、実情はどうだったのか、昨年度と本年度の状況をお知らせください。 23 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 24 ◯教育長(酒井龍彦) 平成26年度に病気休暇代替の講師が任用できなかったケースが8件で、27年度は1学期末時点で4件でございます。なお、産前産後休暇代替の講師が任用できなかったケースは、昨年度及び今年度ともにございません。以上でございます。 25 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 26 ◯58番(池田良子) 産休代替で任用できなかったケースはないということですが、産休は早目にわかっているのにもかかわらず、配置がおくれると、子どもや保護者の不安や不信を招くのではないかと懸念されます。これまで最長何日間待たせたのか、お尋ねいたします。 27 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 28 ◯教育長(酒井龍彦) 産前産後休暇代替の講師を配置するまでに要した期間につきましては、平成27年度においては、最長72日間でございます。以上でございます。 29 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 30 ◯58番(池田良子) 代替の講師が任用されないということは、教員1人が欠員状態ということです。ただでさえ多忙化が言われる現場の混乱は火を見るよりも明らかです。常勤、非常勤講師の不足要因をどう分析していますか。 31 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 32 ◯教育長(酒井龍彦) 年度の中途に発生する病気休暇や産前産後休暇の代替として配置する講師については不足する状況にありましたが、その要因につきましては、教員の大量退職に伴い、現在多くの教員を新規採用しており、講師候補者の絶対数が少なくなっていることや、学校現場で若い教員の比率が上昇しており、産前産後休暇や育児休業を取得する教員がふえていることから、必要となる講師数が増加していることなどが主な要因と考えております。以上でございます。 33 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 34 ◯58番(池田良子) 要因はそれだけでしょうか。これからお尋ねしていきたいと思いますが、福岡市は次年度の講師登録のために、毎年12月に臨時教員採用候補者選考試験を行っています。福岡市が講師登録の選考試験を行う目的をお尋ねします。また、本市と同じように講師選考試験を行っている政令市はあるのかどうか、お知らせください。 35 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 36 ◯教育長(酒井龍彦) 臨時教員採用候補者選考試験の実施目的につきましては、選考及び任用手続の透明性を高めるとともに、講師の質的な水準と必要数を確保することでございます。福岡市と同様に、全ての講師候補者を選考する目的で採用候補者選考試験を行っている政令市はございませんが、広島市では、少人数教育推進のための臨時的任用教諭選考試験が行われております。以上でございます。 37 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 38 ◯58番(池田良子) この間、現場経験等を評価に反映するため、臨時教員採用候補者選考試験に特例事項として筆記試験の一部免除や、筆記及び面接試験の全部免除など、試験の免除制度が導入されています。名簿登載者の中から、試験の成績によって、任用時期の目安が早い順にA、B、C、Dと示されると聞いていますが、登載基準はどのようにして決められるのか、お尋ねいたします。 39 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 40 ◯教育長(酒井龍彦) 臨時教員採用候補者選考試験におきましては、講師として求められる資質や能力の確認をした上で合否を決定し、名簿登載を行っております。名簿登載者は、欠員状況に応じて校種や教科ごとに試験成績などに基づき年度当初から順に任用することとしております。なお、教員採用候補者選考試験の2次試験の不合格者のうち、面接試験の成績が良好であった者や福岡市の講師としての勤務状況が良好であった者に対しては、臨時教員採用候補者選考試験の全部を免除し、年度当初から任用を行っております。以上でございます。 41 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 42 ◯58番(池田良子) 過去3年間の臨時教員採用候補者選考試験受験者数をお知らせください。 43 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 44 ◯教育長(酒井龍彦) 臨時教員採用候補者選考試験の受験者数につきましては、平成25年度が1,254人、26年度が1,286人、27年度が1,342人でございます。以上でございます。 45 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 46 ◯58番(池田良子) このたびの講師不足は、この制度が影響しているとは考えられないのか、お尋ねいたします。 47 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 48 ◯教育長(酒井龍彦) 講師につきましても、正規教員と同様に福岡市の求める教員像に基づいて選考を行うことで講師の質と数の確保をする必要があるものと考えております。県内の各自治体が講師の確保を本格化する時期に先駆けて、福岡市では12月上旬に臨時教員採用候補者選考試験を実施することで必要な講師候補者を確保し、優秀な人材を年度当初から配置することができているものと考えております。  また、名簿登載者にとっても、年度当初から任用する見込みであるなどの任用時期の目安が示されることで次年度の就労に関する安心感を得ることにつながるものというふうに考えております。以上でございます。 49 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 50 ◯58番(池田良子) 講師登録をされ、登載順に任用待ちであるにもかかわらず、随時募集の人が先に任用された例はありますか。 51 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 52 ◯教育長(酒井龍彦) 講師の任用につきましては、臨時教員採用候補者選考試験での名簿登載順に任用することを基本としておりますが、例えば、通勤に困難性がある場合や特別な経験を求められる場合など、適材適所の人材配置を行う上で、名簿登載者の中に適任者がいなかった際は、随時登録者の中から任用する場合もございます。以上でございます。 53 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 54 ◯58番(池田良子) 臨時教員採用候補者選考試験は、自己PRシートが必要ですが、随時募集の申込書は履歴書のみの簡易なものであると聞きます。講師の中には、選考試験を受けずに随時募集で登録するとも聞きます。講師登録の公平性に欠け、制度の当初目的が揺らいでいるのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。 55 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 56 ◯教育長(酒井龍彦) 先ほど答弁いたしましたとおり、特別な事情がある場合を除き、基本的には臨時教員採用候補者選考試験での名簿登載者の上位者から順に任用しており、公平性の確保はできていると考えております。なお、随時登録制度におきましても、個人面接を行うことで教員としての適格性を十分に確認しております。以上でございます。 57 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 58 ◯58番(池田良子) 講師登録のための受験者数はふえているのに講師は足りない現状です。講師の質と数の確保は、A、Bの登載者には有効であっても、それ以外の登載者にはむしろあきらめ感を生み出し、意味をなさないというのが御本人たちの声なんです。臨時教員採用候補者選考試験は廃止すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 59 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 60 ◯教育長(酒井龍彦) 臨時教員採用候補者選考試験におきましては、筆記試験や集団面接を通じて福岡市の教員として必要な適格性の確認を行い、年度当初に配置することを念頭に置いた講師の選考を行っております。一方、随時登録制度では、年度中途で発生する病気休暇や産前産後休暇に代替として配置する講師を確保しております。両制度とも、人材確保を図る上で必要であると考えており、今後とも、両制度を活用しながら、年間を通じて必要となる講師の確保に努めてまいります。以上でございます。 61 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 62 ◯58番(池田良子) 福岡市立学校教員採用候補者選考試験、いわゆる教員採用試験についてお尋ねいたします。  過去3年間の受験者数と合格者数、あわせて合格者のうち講師経験者の人数をお知らせください。 63 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 64 ◯教育長(酒井龍彦) 教員採用候補者選考試験の過去3年間の受験者数、合格者数及び合格者に占める福岡市立学校での講師経験を有する者の人数につきましては、平成25年度は受験者1,972人、合格者308人、うち講師経験者は157人、26年度は受験者1,737人、合格者318人、うち講師経験者は156人、27年度は受験者1,658人、合格者312人、うち講師経験者は164人でございます。以上でございます。 65 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 66 ◯58番(池田良子) 常勤、非常勤を問わず、多くの講師の方々は次年度は正式採用でと採用試験の勉強に励みます。しかし、多くの講師は、担任業務や部活動、生徒指導等で試験勉強に集中できないジレンマを抱えています。そのような中、福岡市での受験資格者は、一般選考では満40歳までですが、教職経験者特別選考として、この10年間に正規教員3年以上または常勤講師通算5年以上の勤務経験がある人は満59歳まで受験資格があります。正規教員への道を大きく開いたとして大変評価をされています。しかし、10年間で5年以上の講師経験はなかなか難しく、ことし41歳の方が一般選考で受けられず、講師経験も5年に満たなかったことから、特別選考も受けられなかったということです。講師歴は長いが、非常勤講師が多く常勤講師期間が短いために特別選考枠に入らない人の中には優秀な講師もたくさんおられます。本市においても優秀な教員確保のために、特別選考枠における常勤講師経験の期間を短縮し、非常勤講師経験も加算すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 67 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 68 ◯教育長(酒井龍彦) 教員採用候補者選考試験における特別選考につきましては、スポーツや芸術などの分野における技能や、社会人や教員としての経験を特に評価し、一般選考とは異なる試験内容や選考方法で教員としての適格性を判断しております。そのうち教職経験者特別選考につきましては、教員として学校現場で求められる学級担任や校務分掌などの学校業務全般に幅広く従事した経験を有することを評価するものであります。そのため、直近10年間のうち正規教員として3年間または正規教員に準ずる職務に常時従事する常勤講師として5年間の経験年数を有することが必要であるというふうに考えております。以上でございます。 69 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員
    70 ◯58番(池田良子) また、福岡市は一般選考で前年度の第1次合格者は、教職教養試験免除としていますが、大分県や京都市では前年度1次合格者は次年度の1次試験を免除、京都府は2年以上の講師経験者に対する1次試験を免除など前年度試験の優秀者や講師経験を重視しています。福岡市も1次試験合格者は次年度の1次試験を全免除することを検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 71 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 72 ◯教育長(酒井龍彦) 教員採用候補者選考試験の第1次試験におきましては、優秀な人材を確保するため、受験者のこれまでの経験などに応じた筆記試験を行い、教員としての適格性を毎年度確認する必要があると考えております。以上でございます。 73 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 74 ◯58番(池田良子) 本来は正規であるべき定数内講師や非常勤講師不足の解消のために、今後どのような方策をとられるのか、御所見をお伺いいたします。 75 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 76 ◯教育長(酒井龍彦) 先ほど答弁いたしましたとおり、将来的には児童生徒数が減少することが見込まれるため、教員の新規採用は、今後とも世代間構成を平準化しながら計画的に行う必要がありますが、新規採用に当たっては、可能な限り定年退職者数を超える人数を採用することで定数内講師の増加を抑制できるよう努めてまいります。また、講師不足の解消につきましては、ウエブサイトや専門雑誌を活用し、臨時教員採用候補者選考試験及び随時登録制度について、さらに福岡市の教員として勤務することの魅力について発信するなど、広報の充実を図るとともに、新たな講師情報の収集を行うなど、受験者及び講師登録者の確保に努めてまいります。以上でございます。 77 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 78 ◯58番(池田良子) 定数内講師など教員の非正規化は進めるべきではありません。若い先生もふえています。一方、今後ますます産休、育休の代替のニーズもふえるでしょう。福岡市で教員になりたい、そう思えるような魅力ある福岡市の教育を築いていただくことを要望してこの質問を終わります。  次に、子どもの貧困対策についてです。  子どもの貧困対策は、待ったなしの課題です。2013年6月に、子どもの貧困対策の推進に関する法律が成立、翌年8月には子どもの貧困対策に関する大綱が閣議決定されました。貧困の世代間連鎖を断ち切ることを基本方針とした大綱では、主な重点施策として、教育支援、生活支援、保護者への就労支援、経済的支援が掲げられています。教育の支援では、学校を子どもの貧困対策のプラットフォームと位置づけ、総合的に対策を推進し、教育費負担の軽減を図ることが基本方針とされました。厚生労働省が2014年7月にまとめた国民生活基礎調査で、平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す、いわゆる子どもの貧困率が2012年に16.3%と過去最悪であったことがわかっています。また、11月4日、2013年度から2014年度の就学援助受給者などの統計データをもとに、西日本新聞社が試算した子どもの貧困率が明らかにされました。全国平均は15.6%、九州平均が19.4%と九州の子どもの2割が貧困、深刻さが浮き彫りになったと報じられていますが、九州7県の中でも福岡県の子どもの貧困率は23.0%とさらに深刻な状況です。本調査は、奈良県の手法を参考に、何らかの公的援助を受けている子どもの数から試算したとしています。  そこで、まず福岡市の準要保護者の就学援助受給者の過去5年間の推移を、人数と割合でお示しください。 79 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 80 ◯教育長(酒井龍彦) 過去5年間の就学援助を認定した児童生徒数及び児童生徒数全体に占める割合につきましては、平成22年度は2万6,087人、23.5%でございます。同様に、23年度は2万6,690人、23.9%、24年度は2万7,437人、24.6%、25年度は2万7,055人、24.2%、26年度は2万7,511人、24.4%でございます。以上でございます。 81 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 82 ◯58番(池田良子) 奈良県と同じ手法で試算すると、福岡市の就学援助等の受給者等の割合は幾らになりますか。 83 ◯議長(おばた久弥) 石橋こども未来局長。 84 ◯こども未来局長(石橋正信) 平成26年度の数値を用いて試算いたしますと、福岡市における就学援助等の受給者等の割合は23.6%となります。  なお、念のためつけ加えますと、奈良県の試算は小中学生の就学援助の受給者数や高校生等の奨学給付金の受給者数をもとに算出されており、国が公表しております子どもの貧困率とは異なります。  また、就学援助の認定基準が自治体ごとに異なっているために、他の自治体との単純比較ができるものでもございません。以上でございます。 85 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 86 ◯58番(池田良子) 過去5年間、子どもの貧困対策として取り組まれた事業はどのような事業か、教育委員会とこども未来局、保健福祉局にお尋ねいたします。 87 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 88 ◯教育長(酒井龍彦) まず、教育委員会における子どもの貧困対策につきましては、経済的な理由により、就学困難な児童生徒の保護者に対して、児童生徒が支障なく義務教育を受けることができるように就学援助や特別支援教育就学奨励費により支援を行うとともに、高校などへの進学が困難な生徒に対しては、福岡市教育振興会奨学金の貸与を行っております。  また、スクールカウンセラーを配置し、児童生徒に関する問題の早期発見、早期対応を図るとともに、スクールソーシャルワーカーを配置し、教育と福祉の両面から関係機関と連携して児童生徒の問題の改善に取り組んでおります。以上でございます。 89 ◯議長(おばた久弥) 石橋こども未来局長。 90 ◯こども未来局長(石橋正信) 次に、こども未来局における貧困対策につきましては、区の家庭児童相談室や、ひとり親家庭支援センターでの相談、支援、ひとり親に対する児童扶養手当の支給、母子父子寡婦福祉資金の貸し付けなどのほか、子育て家庭への経済的支援として、児童手当の支給などを行っております。  また、平成27年度から、婚姻歴のないひとり親に対し、保育料等に対する寡婦控除のみなし適用を開始したほか、ひとり親家庭の親に対する高等学校卒業程度認定試験合格のための講座費用の助成や養育費セミナーなども行っているところでございます。以上でございます。 91 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 92 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 保健福祉局におきます貧困対策でございます。  まず、子の養育や就学に問題がある生活保護世帯及び生活困窮世帯を対象に、生活や教育に関する支援を行う子どもの健全育成支援事業及び生活保護世帯及び生活困窮世帯の子どもを対象に、居場所の提供や学習支援を行う子どもの学びと居場所づくり事業を実施してございます。以上です。 93 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 94 ◯58番(池田良子) 就学援助受給者数とその割合は、子どもの貧困状況を反映し増加傾向にありますが、制度が果たす役割は大変大きくなっています。  そこで、就学援助費の対象項目を改めてお尋ねいたします。 95 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 96 ◯教育長(酒井龍彦) 就学援助の対象項目につきましては、給食費、学用品費等、入学準備金、社会科見学費、校外活動費、修学旅行費、体育実技用具費、卒業記念品費、通学費でございます。以上でございます。 97 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 98 ◯58番(池田良子) 2010年度より、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費が要保護世帯に係る国の補助基準の対象になりましたが、福岡市は、他都市で対象としていない社会科見学、卒業記念品費、就学旅行時の旅券申請手数料を独自に就学援助の対象項目にしているとして、対象としていません。全ての児童生徒にかかわるものとして、生徒会費月50円、PTA会費月400円として就学援助の対象とすると、その試算額は幾らになりますか。 99 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 100 ◯教育長(酒井龍彦) 平成27年度の就学援助認定見込みの児童生徒数で試算をいたしますと、生徒会費が約550万円、PTA会費が約1億3,000万円でございます。以上でございます。 101 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 102 ◯58番(池田良子) 県内でも中学校生徒会費と小中学校のPTA会費は筑紫野市や春日市、太宰府市など6自治体が対象としています。本市でも検討されることを要望しておきます。  ところで、修学旅行費は就学援助の対象になっていますが、キャンセルが発生した場合のキャンセル料も含まれているのかどうか、お尋ねいたします。 103 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 104 ◯教育長(酒井龍彦) 就学援助の修学旅行費につきましては、児童生徒が旅行に参加するための交通費や宿泊費などを支給の対象としており、参加を取りやめた場合のキャンセル料は対象には含めておりません。以上でございます。 105 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 106 ◯58番(池田良子) 急病により参加できなくなることや、不登校の児童生徒については、ぎりぎりまで参加するかどうかを決めかねることが多いと聞きます。キャンセル料を保護者負担としないために、不参加を早目に決めざるを得ず、不登校の児童生徒にとっては非常に苦しい判断を迫られることになっています。嘉麻市は対象にしているとのことです。不登校生徒の支援としてもキャンセル料も就学援助の対象にすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 107 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 108 ◯教育長(酒井龍彦) 修学旅行のキャンセル料につきましては、旅行に参加するために直接必要な経費でないことから、就学援助の対象項目にすることはなじまないものと考えております。  なお、国におきましても、キャンセル料は生活保護世帯などの要保護世帯への補助の対象とはされておりません。以上でございます。 109 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 110 ◯58番(池田良子) 不登校児童生徒の参加については、本人、保護者、そして担任もその当日まで希望をつなぎます。急病などやむを得ずのキャンセルも含め、就学援助対象者はわずかな人数であろうと推測します。まずは実態把握に努め、本市単独での支援策を検討されることを求めておきます。  貧困家庭における子どもの虫歯の出現率の高さも指摘されていますが、医療援助の対象として、歯肉炎、視力低下による眼鏡も対象とすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 111 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 112 ◯教育長(酒井龍彦) 医療援助の対象の拡大についてでございますが、医療援助は学校保健安全法第24条に基づき、齲歯、いわゆる虫歯や結膜炎など、同法施行令第8条に定める疾病を治療するための医療費について必要な援助を行っているものでございます。なお、医療援助の対象となる疾病の拡大につきましては、国に要望しております。以上でございます。 113 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 114 ◯58番(池田良子) 消費税増税に伴い、就学援助国庫補助金の予算単価が引き上げられました。本市においても引き上げが反映されているのかどうか、お尋ねいたします。 115 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 116 ◯教育長(酒井龍彦) 就学援助の支給額につきましては、要保護者の国庫補助の予算単価の引き上げに準じて、平成26年4月から引き上げております。以上でございます。 117 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 118 ◯58番(池田良子) 就学援助制度は、学校教育法で定められた制度ですが、認定基準や給付内容は先ほども答弁の中にもありましたけれども、市町村ごとに決められています。福岡市の就学援助の認定基準はどのような算定方法によるものなのか、お尋ねいたします。 119 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 120 ◯教育長(酒井龍彦) 就学援助の認定基準につきましては、生活保護で用いる最低生活費の基準額の1.25倍相当の年収額をもとに算定した市民税の所得割額を基準としております。以上でございます。 121 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 122 ◯58番(池田良子) 生活保護基準の1.25倍相当の年収を下回る収入世帯としているということですが、2015年度の認定基準額は幾らかお尋ねいたします。 123 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 124 ◯教育長(酒井龍彦) 平成27年度の認定基準額でございますが、両親と子ども2人の標準世帯で市民税所得割額が8万9,000円以下でございます。以上でございます。 125 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 126 ◯58番(池田良子) 2013年8月、2014年4月、2015年4月と3回にわたって生活保護基準が引き下げられました。本年度より福岡市でも就学援助認定基準が8万9,000円に下がりましたが、下がる前の2014年度の認定基準額は幾らですか。 127 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 128 ◯教育長(酒井龍彦) 平成26年度の認定基準額でございますが、標準世帯で市民税所得割額が10万2,500円以下でございます。以上でございます。 129 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員
    130 ◯58番(池田良子) 両親と子ども2人の世帯で、これは年収額でどう変わったのでしょうか。 131 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 132 ◯教育長(酒井龍彦) 就学援助の認定基準額を年収額で見ますと、平成26年度は約450万円、27年度は約418万円でございます。以上でございます。 133 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 134 ◯58番(池田良子) この金額は、いわゆる控除前の金額ですから、厳しい実態と指摘せざるを得ません。これまでの就学援助者受給者のうち、本年度受給できなくなった人数は何人でしょうか。 135 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 136 ◯教育長(酒井龍彦) 平成26年度の就学援助の受給者のうち、27年度に受給できなくなった人数のお尋ねですが、過去の受給者の実績をもとに27年度の認定者数見込みや認定基準などを適用して試算しますと、約240人が対象外になると見込んでおります。以上でございます。 137 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 138 ◯58番(池田良子) では、申請をしたが認定基準額が下がったことによって不認定になった人、それは何人でしょうか。 139 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 140 ◯教育長(酒井龍彦) 認定基準が下がったことにより不認定となった人数についてのお尋ねですが、平成27年度に申請を行い、不認定となった世帯のうち、26年度の認定基準を適用すれば認定となるのは4世帯6人でございます。以上でございます。 141 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 142 ◯58番(池田良子) 実際に4世帯が不認定ということです。数として少なく感じるかもしれませんが、数校の学校事務職員にお尋ねしました。事務室へ相談に来られた時点で、ことしは対象とならないとわかり、申請されなかったケースが各校数人おられたというようなことです。生活が豊かになったわけではなく、むしろ消費税の増税で買い物も控えている、就学援助が受けられなくなる児童生徒への対策は今後どう講じるのでしょうか。就学援助にかわる支援策について、御所見をお伺いいたします。 143 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 144 ◯教育長(酒井龍彦) 児童生徒への支援策のお尋ねですが、就学援助の受給にかかわらず、支援を要する児童生徒につきましては、スクールソーシャルワーカーの活用など、教育と福祉の両面から関係機関と連携し対応してまいります。以上でございます。 145 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 146 ◯58番(池田良子) 就学援助が受けられなくなった世帯は、給食費や教材費などを現金で納めないといけなくなります。給食費と学用品費だけでも小学校で年間6万1,400円、中学校で8万1,790円です。払いたくても払えない未納者を生み出すのではないかと懸念されます。子どもの貧困対策が掲げている重点施策の一つ、経済的支援や、学校を子どもの貧困対策の拠点と位置づけ、教育費負担の軽減を図るとするこの基本方針に逆行するものです。  学校の教育活動上必要となる経費のうち、公費以外の経費として学校徴収金があります。この学校徴収金の適正な事務処理を行うに当たって、平成13年4月に作成されました学校徴収金事務処理マニュアルというものがあり、その改訂を行うと聞いていますが、改訂に当たっては、ぜひとも学校が困っている未納対策も含め、現場の声を反映したものとなるよう要望しておきます。  この学校徴収金事務処理マニュアルには、公費で支出できるもの、私費負担とすべきものが定義されています。保護者の負担軽減や子どもの貧困対策として、私費、いわゆる私の費ですが、私費負担額を減額するなど、対象項目を見直しすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 147 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 148 ◯教育長(酒井龍彦) 学校徴収金事務処理マニュアルにおいて、私費負担とすべきものの定義は、児童生徒個人の所有物として、学校、家庭のいずれにおいても使用できるもの、教材教具や、教育活動の結果から生ずる直接的な利益が児童生徒個人に還元されるものの経費などとしております。私費負担とすべきものとして例示している品目のうち、必要に応じて学校に備えつけるなどの対応により、保護者の負担軽減に寄与しているものもあり、基本的な考え方を変更する必要はないというふうに考えております。以上でございます。 149 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 150 ◯58番(池田良子) 私費負担を教材教具や教育活動の結果から生ずる直接的な利益が児童生徒個人に還元されるものと定義されていますが、学校での学習に必要不可欠な教材教具が児童生徒への利益とか個人に還元という定義づけに大変違和感があります。ノートや鉛筆、三角定規などの文房具類のほとんどは個人購入となっていますが、学校で一斉購入するテスト、ドリルは公費とすべきと考えますが、御所見をお伺いします。 151 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 152 ◯教育長(酒井龍彦) テストやドリルにつきましては、児童生徒がみずからの学習の定着の度合いを確認し、復習や家庭学習に役立てるとともに、保護者が児童生徒の学習状況を知るためのものであることから、保護者負担が適当であると考えております。以上でございます。 153 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 154 ◯58番(池田良子) 生活保護基準に連動させると、来年度から就学援助の対象外になる子どもが1,700人とお聞きしました。生活保護基準に連動して認定基準が下がった政令市は何都市あるのか、お示しください。 155 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 156 ◯教育長(酒井龍彦) 平成25年8月からの生活保護基準の引き下げに連動して就学援助の認定基準が下がった政令指定都市の数につきましては、福岡市を含めて5都市でございます。以上でございます。 157 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 158 ◯58番(池田良子) 子どもの貧困が社会問題となっているさなかに、教育支援を受けられない家庭が出てくることの問題を認識していただきたい。20政令市中連動させたのは福岡市を含むわずか5都市です。子どもの貧困対策が最優先課題となっている中で、なぜ連動させる必要があったのか。年度途中ではありますが、今年度受けられなくなったであろう240人の支援を含め、来年度の援助基準のあり方についても再検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 159 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 160 ◯教育長(酒井龍彦) 就学援助の認定基準につきましては、従来から生活保護基準に準じて決定をいたしております。生活保護基準は、国が物価動向や低所得世帯の消費状況などを調査の上決定していることから、生活保護基準の変動に準じて就学援助の認定基準を定める考え方は適切であると考えております。以上でございます。 161 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 162 ◯58番(池田良子) 就学援助の認定基準を生活保護基準に準じて決定してきたこと、これについては、これまでは適切であったかもしれません。しかし、子どもの貧困対策として相入れない今回の認定基準の定め方は適切とは到底言えません。撤回されることを強く申し上げておきます。  福岡市では、来年1月から子どもの入院費無料化が中学3年生まで拡充されますが、通院費は就学前までにとどまっています。福岡県は2016年度中に乳幼児医療費の助成を小学6年生に引き上げる方針を示しています。もう決まっていますけれども、通院費についても、中学3年まで無料化とすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 163 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 164 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 通院に係る医療費の助成拡充につきましては、今後、財源の確保や政令市の状況、福岡県の改正内容を勘案しながら、引き続き検討したいと考えております。以上です。 165 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 166 ◯58番(池田良子) 働くひとり親家庭への支援についてです。福岡ファミリー・サポート・センターでは、子育て応援をしていますが、ひとり親への利用料の助成が必要と考えます。また、病児・病後児保育についても、助成が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 167 ◯議長(おばた久弥) 石橋こども未来局長。 168 ◯こども未来局長(石橋正信) まず、ファミリー・サポート・センター事業につきましては、地域での会員同士による育児の相互援助活動を市が仲介しているものでございます。このため、依頼会員が利用の都度、提供会員に直接利用料を支払う仕組みとなっており、ひとり親など特定の家庭へ助成をすることが難しい状況ではございますけれども、今後、他都市の動向などに留意してまいります。  また、病児・病後児デイケア事業の利用者負担金につきましては、生活保護世帯、市県民税非課税世帯が全額免除、所得税非課税世帯につきましては半額免除を行うなど、既に所得に配慮した料金体系、料金制度としているところでございますので、現段階でひとり親家庭への利用料の助成は難しいと考えております。以上でございます。 169 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 170 ◯58番(池田良子) 生活困窮者自立支援法が本年4月1日より施行されました。4つの基本視点の子ども、若者の未来には、生活支援の必要性をうたっています。そして、生活支援とともに、貧困の連鎖を防止するための学習支援、これは重要な事業となっています。個々人の状況に応じた一貫した支援が求められます。現在、4カ所で行われている子どもの学びと居場所づくりのほかに、各地域、学校での放課後学習支援が行われていますが、2014年度は何カ所で、どういう形態で行われたのか、お尋ねいたします。 171 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 172 ◯教育長(酒井龍彦) 放課後の学習支援につきましては、平成26年度は小学校38校、中学校35校で実施しております。形態につきましては、小学校では教員が児童の学習を個別に指導したり、保護者や地域ボランティアが宿題の支援などを行っております。中学校では、教員が定期考査前に特設の補充学習会を開いたり、授業でわからないところの指導や宿題の指導などを個別に行っております。以上でございます。 173 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 174 ◯58番(池田良子) 11月22日、経済的困窮下にある子どもが抱える課題やサポートのあり方について、当事者や支援者が語り合う交流会がありました。福岡市でも学校外で子どもたちの無料学習支援をNPOなどが自主財源によって行っています。子どもたちの学力保障は、まずは学校で責任を持って行うべきだと思っています。そのためには、夏休みの短縮など教育課程の見直しを行い、わずかな時間で学力向上を求めるよりも、子どもの状況に応じた支援ができる教員の加配を配置するなど、日々の学習での学びの保障が求められます。学習定着度調査と生活習慣調査の関連を分析し、学習支援加配教員の配置をすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 175 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 176 ◯教育長(酒井龍彦) 学習支援のための加配教員の配置につきましては、全国学力・学習状況調査や福岡市生活習慣・学習定着度調査の結果などを踏まえ、児童生徒の実態に顕著な課題を有し、よりきめ細かな学習指導が必要な学校に配置しております。今後の学習支援に係る教員の配置のあり方につきましては、児童生徒の生活実態も踏まえて検討をしてまいります。以上でございます。 177 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 178 ◯58番(池田良子) 貧困率で見ると、中卒の貧困リスクが非常に高く、子どもの貧困対策大綱でも指標の1つ目に、生活保護世帯の高校進学率が掲げられています。そのためには中学生への学習支援はさらに拡大する必要があります。生活困窮者自立支援法の任意事業として、子どもの学習支援事業がありますが、本市はこの任意事業にどう取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 179 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 180 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 子どもの学習支援事業についてですが、福岡市におきましては、従来から子どもの学びと居場所づくり事業として小中学生を対象に市内4カ所で実施してまいりました。これに加えまして、平成27年8月から新たに中学2、3年生を対象とする学習支援に特化した事業を2カ所で開始したところでございます。本事業につきましては、これまでの事業成果などを検証し、今後のあり方について検討してまいりたいと考えております。以上です。 181 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 182 ◯58番(池田良子) ぜひ拡大をお願いしておきます。しかし、学習支援事業により、高校進学を果たした後、対象者が中退するケースも多く、高校中退の問題も見逃すわけにはいきません。本市における2014年度の生活保護受給者の高校中退率をお示しください。 183 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 184 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 福岡市の平成26年度の生活保護受給者の高校中退率でございますけど、5.2%でございます。以上です。 185 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 186 ◯58番(池田良子) 子どもの貧困対策に関する大綱によると、2012年度の生活保護世帯に属する子どもの高等学校等中退率は5.3%、それに対し、子ども・若者白書による全国の中退率は1.5%と、それが3.5倍にもなります。埼玉県では、中退率の高い高校1年生を対象に学習教室を県内7カ所に開設し、教員OB等が補習を行って高校中退防止に取り組み、成果を上げています。貧困の連鎖を断ち切るには教育の役目は重要です。  生活保護の捕捉率、これは今2割程度と言われていますが、子どもの貧困状況を知るには就学援助受給者など公的支援を受けている家庭の把握だけでは不十分です。情報不足だったり、支援を受けることすらあきらめたりしている家庭も多くあります。中には、経済的な貧困だけではなく、関係性の貧困と言われる地域からの孤立などさまざまな課題があります。対策を講じるためには実態把握が必要です。公的支援につながっていない家庭の把握や必要な支援策など実態調査をすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 187 ◯議長(おばた久弥) 石橋こども未来局長。 188 ◯こども未来局長(石橋正信) 子どもの貧困への対策を講じるためには、子どもの生活実態や学習の状況、世帯の収入など、実態を把握することは大変重要であり、今後、国や他都市の動向も注視しながら、効果的な方法について検討を行ってまいります。また、福岡市におきましては、ケースワーカーやスクールソーシャルワーカー、地域の民生委員・児童委員など、さまざまな人材がそれぞれのお立場で子どもや家庭にかかわり、現状を把握しているところでございます。これらの人材がネットワークを形成し、情報共有、情報交換を行う中で、支援を必要とする子どもや家庭に対し、的確な支援が行えるよう取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 189 ◯議長(おばた久弥) 池田良子議員。 190 ◯58番(池田良子) かねてから私は、子どもの貧困対策は関係機関の連携を含め、全庁で組織的に取り組むべきだと主張してきました。東京都足立区では今年度から、子どもの貧困対策担当課を設け、全庁で取り組みを始めました。福岡市でも全庁で組織的に取り組むべきと考えます。福岡市の貧困対策にどう取り組もうとしているのか、最後に市長の御所見をお伺いしまして、私の質問を終わります。 191 ◯議長(おばた久弥) 高島市長。 192 ◯市長(高島宗一郎) 平成24年の国民生活基礎調査によりますと、子どもの貧困率が過去最悪の16.3%となりますなど、子どもの貧困は全国的に深刻な状況にございます。福岡市におきましても、貧困が子どもたちの生活や成長に影響を及ぼすことがないように、また、世代を超えてこれが連鎖をすることがないように総合的に対策を推進していくことは極めて重要であるというふうに考えております。そのために、国や県とも密接に連携をして、また、地域や学校などのネットワークを生かしながら、教育の支援や生活の支援、保護者に対する就労の支援、また、経済的な支援に全庁でしっかりと取り組んでまいります。以上です。 193 ◯議長(おばた久弥) 森あや子議員。
    194 ◯39番(森 あや子)登壇 皆様おはようございます。私は、緑と市民ネットワークの会を代表して、今回は博多湾の環境保全についての質問をいたします。  先月末から今月13日にかけて、地球温暖化対策の新たな国際ルールを決める国連気候変動枠組条約締約国会議、COP21が開催され、温暖化対策に後ろ向きだったアメリカと中国が連携の意を示し、最終日にはCOP開催史上初の196カ国全てが、世界の気温上昇2度未満に抑えるための取り組みに合意をしました。それだけ世界的に深刻な地球温暖化問題です。これは会議に出席した国のトップだけが対策を頑張るのではなく、多くの人々が日々の暮らしから、足元から力を合わせ、ともに取り組むべき重要な課題なのです。地球温暖化の影響は、未曽有の種の損失を引き起こします。種の絶滅、それは静かに訪れ進みます。その危機的状況は、全人類にとっても非常に深刻な状況をもたらしてきます。  1993年、平成5年の気候変動枠組条約の批准により、人間活動に起因する地球温暖化問題の存在が認められています。この条約は、世界の生物多様性と直接関連があるため、世界的、国家的レベルにおいて生物多様性の損失速度をおくらせるために、国連は2010年を国際生物多様性年に定めました。生態系にとって、ゆりかごと言える湿地を守ることが、地球温暖化解決の一つとして、世界では湿地保全の重要性を上げています。日本も戦前と比べ、4割もの湿地を消失していっています。  皆さん、2月2日は何の日か御存じですか。1971年2月2日にイランのラムサールで開催された湿地及び水鳥の保全のための国際会議においてラムサール条約が採択され、その日を記念して、1996年に毎年2月2日を世界湿地の日と定めています。湿地の生態系や生物多様性は、水と食糧の安全保障を確保するという重要な役割もあるとされています。しかし、そんな重要な働きをする湿地は、地球温暖化に対し、実に脆弱です。そのことを多くの人々がもっと深く理解しなければ、この人間の営みは未来に手渡すことができなくなると危惧します。本市は糸島半島と海の中道の2つの腕に抱かれた博多湾と、そして、南側に広がる緑の山々に囲まれた自然豊かなまちです。本市のシンボルでもある博多湾は、西に今津干潟、東に和白干潟の湿地が存在し、筑前海域における稚魚や小魚等の生き物が生まれ育つゆりかごとしての機能があります。世界でもまれに見る、都市と自然が融合する貴重な地域です。希少な底生生物が生息し、絶滅危惧種のカブトガニやクロツラヘラサギ、また、赤いくちばしのミヤコドリ、シギやチドリやカモ類の渡り鳥たちにとって大事な大事な中継地となっています。この素晴らしい博多湾を貴重な財産として未来につないでいきたいと私は願っています。  そこでまず、博多湾の水質の変化について、西部、中部、東部の海域においてのその状況を基準値とあわせてお答えください。  2問目からは自席にて行います。 195 ◯議長(おばた久弥) 星子環境局長。 196 ◯環境局長(星子明夫) 博多湾の水質の状況について、お答えします。  まず、博多湾における有機汚濁の指標である化学的酸素要求量、CODの基準については、環境基本法に基づく環境基準が設定されており、博多湾における西部海域及び中部海域が2ミリグラムパーリットル、東部海域が3ミリグラムパーリットルとなっております。平成26年度につきましては、それぞれの海域ごとの調査地点で最も高い値は、西部海域で2.0ミリグラムパーリットル、中部海域で2.8ミリグラムパーリットル、東部海域で2.9ミリグラムパーリットルとなりました。西部海域及び東部海域では、環境基準を達成しておりますが、中部海域では達成できていない状況でございます。また、CODは平成5年度をピークに改善し、数値としては減少傾向で、近年は横ばいで推移している状況でございます。以上です。 197 ◯議長(おばた久弥) 森あや子議員。 198 ◯39番(森 あや子) 中部だけが超えているということですが、東部の奥域のほうの水質の調査はされていません。それはなぜでしょうか。 199 ◯議長(おばた久弥) 星子環境局長。 200 ◯環境局長(星子明夫) 博多湾における水質の調査地点につきましては、類似した特性を持つ水域ごとの代表する地点を福岡県が環境基準点として設定しており、御質問の博多湾の奥域では環境基準点が設定されておりません。以上です。 201 ◯議長(おばた久弥) 森あや子議員。 202 ◯39番(森 あや子) この表を見てください。(パネル表示)市民団体が1993年から昨年までの長年にわたって奥域のほうを、これはCODの結果なんですけど、検査をしています。それで、ここずっと汚染がある5の値を下がることがありません。これはかなり高い数値になってきます。奥域の悪い状況こそしっかりと把握して改善に努めることが必要だと思っております。  こういった市民団体が調査した現状を共有し、環境保全や改善にぜひ生かしていただくことを要望いたしておきます。  次に、干潟に押し寄せるアオサ発生に対する対策や除去、清掃の取り組みの実績と予算額について、ここ2年間の状況とアオサの処分についてお答えください。 203 ◯議長(おばた久弥) 中島港湾局長。 204 ◯港湾局長(中島淳一郎) アオサ発生に対する除去や清掃の取り組みについてでございますが、アオサは鳥類の餌や干潟の生き物のすみかになるなど、生態系の一部を担う海藻である一方で、干潟で大量発生し、腐ると悪臭の原因になることから、陸域での海浜地清掃と和白海域での海上からのアオサ回収を行っております。まず、海浜地清掃につきましては、アオサ以外のごみも含まれますが、博多湾東部のエコパークゾーンにおきまして、平成26年度は約67トン、27年度は10月末現在で約89トン回収しており、回収したアオサは焼却処分しております。また、予算額につきましては、市内海浜地清掃全体で、26年度は約8,000万円、27年度は約9,000万円となっております。次に、和白海域での回収につきましては、26年度は約167立方メートル、27年度は約210立方メートル回収しており、アイランドシティ工事区域へのすき込みやNPOとの共働による堆肥化などの有効活用を行っております。予算額につきましては、26年度、27年度ともに約900万円となっております。また、和白干潟におきましては、市民との共働によるアオサ清掃活動を実施しております。以上でございます。 205 ◯議長(おばた久弥) 森あや子議員。 206 ◯39番(森 あや子) アオサが岸辺にたまると、貧酸素状態になります。環境保全のためにアオサの適切な回収をし続けることが重要です。海域の回収費用は、六、七年前からすると、約3分の1に減ったと認識しています。保全に努める市民団体は清掃活動を長年続けられています。主催される観察会や清掃活動は、子どもたちや学生たちの体験学習の場でもあり、回収が大変な中でも実際に自然に触れ、湿地の大切さを学ぶよい機会となっています。ぜひ予算をしっかりと確保していただき、引き続き清掃活動や堆肥化をしている市民団体とより協力をし、また、多くの市民への啓発にもっと力を入れてください。  次に、底生生物である貝類についての質問です。  博多湾のアサリは昔と比べかなり減っています。博多湾におけるアサリ採捕の規制についてと、その規制は守られているのか、また、保全の取り組みについてお答えください。 207 ◯議長(おばた久弥) 椋野農林水産局長。 208 ◯農林水産局長(椋野清彦) まず、博多湾におけるアサリ採捕の規制でございますが、漁業法や水産資源保護法の規定に基づき制定されております福岡県漁業調整規則及び筑前海区漁業調整委員会指示におきまして、3センチ以下のアサリの採捕の禁止や、ポンプや間口35センチ以上のじょれんの使用禁止などの規制が設けられております。これらの規制を遵守させるため、福岡海上保安部、福岡県及び福岡県警によります取り締まりが実施されておりまして、特にアサリ漁のシーズンには福岡県の取り締まり船が博多湾内を巡視いたしております。県によりますと、ここ5年間、違反行為は認められていないとのことでございます。  次に、博多湾でのアサリの保全活動につきましては、能古、姪浜、伊崎の漁業者が福岡市や国、県と連携し、海底を耕したり、アサリの死殻やアオサなどの堆積物を取り除き、アサリが生育しやすい環境を整えた上で博多湾内のアサリを移植する活動を行っております。このような取り組みもあり、一部海域におきましては、アサリの資源量が回復してきている状況にございます。以上でございます。 209 ◯議長(おばた久弥) 森あや子議員。 210 ◯39番(森 あや子) ぜひ底生生物の回復のための取り組みを継続していただけるようお願いいたしておきます。貝類は水質浄化機能を、ゴカイ類などは分解者としての役割を果たし、鳥たちの餌でもあり、市民にとっても博多湾の食文化を支えている命の源でもあります。海ガモ類は海に潜り、貝類も食べますが、近年は3月までとどまらずに、餌があるところを求めて1月ごろ北のほうへ帰っているようです。  それでは、和白干潟及び今津干潟における鳥の種類や飛来数の変化について、平成5年度と平成26年度の比較でのお答えを、また、和白干潟の餌生物の変化についてもお答えいただき、それらの状況をどう捉えていらっしゃるのか、お答えをお願いします。 211 ◯議長(おばた久弥) 中島港湾局長。 212 ◯港湾局長(中島淳一郎) 港湾局におきましては、アイランドシティ整備事業の環境モニタリングで、和白干潟を含む博多湾東部地区及び今津干潟を含む博多湾西部地区で鳥類の飛来状況等の調査を行っております。  まず、東部地区の飛来状況でございますが、平成5年度は123種、約2万7,000羽、26年度は102種、約1万2,000羽となっております。また、西部地区では平成5年度、26年度ともに114種、約1万羽となっております。東部地区につきましては、埋め立てによる生息域の減少に伴う海ガモ類の減少や、シギ、チドリ類、陸ガモ類の全国的な減少に伴う個体数の減少が見られておりますが、ここ数年は横ばいで推移しております。  次に、和白干潟の鳥類の餌生物の変化につきましては、ゴカイ類や貝類等の底生生物の調査の結果、継続して確保されていることから、鳥類の生息環境は維持されていると認識しております。以上でございます。 213 ◯議長(おばた久弥) 森あや子議員。 214 ◯39番(森 あや子) 季節や気象状況によって水質や底生生物への影響もあり、渡り鳥は全国的に減少しています。(パネル表示)この表のように、この2000年から15年間の市民団体による調査でわかるように、下が今津で、上が和白です。この減り方が違います。より和白海域の湿地の保全に力を入れることが必要だと感じております。以上のように水質、底生生物、渡り鳥の状況などから、博多湾環境保全の取り組み対する評価について、また、今後の対策についてのお考えをお聞かせください。 215 ◯議長(おばた久弥) 星子環境局長。 216 ◯環境局長(星子明夫) 博多湾の環境保全につきましては、博多湾環境保全計画に基づき、関連局それぞれ連携しながら、保全のための取り組みを推進しております。取り組みに対する評価につきましては、CODについては環境基準が一部達成していないものの改善傾向にあり、また、稚魚等の生息環境となる藻場については、維持保全されていると評価しております。しかしながら、季節別の物質循環の健全化や、干潟につながる森と河川の保全及び貧酸素水の生き物への影響を低減することなどが課題となっており、今後はこれら課題の解決に向け、関連局とも連携を図り、環境保全に努めてまいります。以上です。 217 ◯議長(おばた久弥) 森あや子議員。 218 ◯39番(森 あや子) 生態系は刻々と変化を続けており、注意深くモニタリングを続けていく必要があります。環境政策推進の主体となる環境局が湿地を守ることを、多くの市民と一体となった取り組みになるよう、ぜひもっと積極的にしていただきたい。それには二十数年間、なかなか進んでこなかったラムサール条約登録をすることで大きく進むと考えます。ラムサール条約の使命は、全世界における維持可能な開発の達成に寄与するため、地方、地域及び国内での行動と国際協力を通じ、全ての湿地を保全し、賢明に利用、いわゆるワイズユースすることとしています。  そこで、本市としてのラムサール条約に対する考えをお聞かせください。 219 ◯議長(おばた久弥) 星子環境局長。 220 ◯環境局長(星子明夫) ラムサール条約につきましては、水鳥の生息地として国際的に重要な湿地や、そこに生息、生育する動植物の保全を促し、湿地の適正な利用を進めることを目的とされております。議員御指摘のとおり、湿地の保全は博多湾の豊かな生物多様性の維持保全のために必要と考えております。ラムサール条約は国際協力の重要な枠組みの一つと認識しております。以上です。 221 ◯議長(おばた久弥) 森あや子議員。 222 ◯39番(森 あや子) ありがとうございます。では、博多湾とその周辺の開発について、ラムサール条約登録は影響するのでしょうか。 223 ◯議長(おばた久弥) 星子環境局長。 224 ◯環境局長(星子明夫) ラムサール条約に登録された場合の規制につきましては、登録されたことで新たな規制が生じることはございません。ただし、ラムサール条約登録のためには、その前提として国が定める鳥獣保護法の特別保護地区に指定されなければならないため、同地区内での道路や橋梁及び一定規模以上の建築物などの工作物の設置、水面の埋め立て、干拓、木や竹の伐採に際しましては、環境大臣の許可を受ける必要がございます。以上です。 225 ◯議長(おばた久弥) 森あや子議員。 226 ◯39番(森 あや子) 先月、荒尾干潟の視察に行きました。漁協の方々への理解を深める取り組みを積極的にされ、特別保護地区指定は海上域だけにするなど、工夫をされ、2012年7月にラムサール条約をわずか2年間で登録されました。  本市がこれまでラムサール条約登録に積極的でなかった理由は何でしょうか。 227 ◯議長(おばた久弥) 星子環境局長。 228 ◯環境局長(星子明夫) 和白干潟は、我が国における主要な鳥類の飛来地の一つでございまして、和白干潟及びその周辺を自然と人の共生を目指すエコパークゾーンと位置づけ、自然環境の保全、創造に向けてさまざまな取り組みを行っているところでございます。ラムサール条約への登録につきましては、鳥獣保護法に基づく特別保護地区の指定を国から受けることが要件となっておりますが、現在この指定を受けておらず、要件を満たしておりません。この点につきましては、地区指定のため、地域住民の合意が必要であることから、今後とも、国や県と連携して地域住民の理解を深めていきたいと考えております。以上です。 229 ◯議長(おばた久弥) 森あや子議員。 230 ◯39番(森 あや子) 特別保護地区指定を国と地域住民に積極的に働きかけていくことが必要ということですね。では、市民への懇談などはどのように、何度ぐらいされたのでしょうか。そして、市民への啓発はどのように行っていますか。 231 ◯議長(おばた久弥) 星子環境局長。 232 ◯環境局長(星子明夫) 鳥獣保護区のための環境省主催の懇談会は、鳥獣保護区及び周辺農業区域の適正な保護管理を図るため、関係機関等と情報交換、連絡調整を行うことを目的とし、平成15年から平成25年にかけて8回開催されております。また、福岡市による市民への啓発といたしましては、博多湾や干潟の重要性についての環境学習など、さまざまな場で啓発を行っているほか、野鳥公園ラウンジカフェを8回開催し、延べ321人の市民やNPOなど、多様な主体が和白干潟の活用や保全についての意見交換を行っております。以上です。 233 ◯議長(おばた久弥) 森あや子議員。 234 ◯39番(森 あや子) それでは、国や県に対してはどのように連携を図られたのでしょうか。 235 ◯議長(おばた久弥) 星子環境局長。 236 ◯環境局長(星子明夫) 国や県との連携につきましては、環境省主催の懇談会に県とともに参加し、生息地の環境保全や施設整備等についての鳥獣保護区管理、鳥類による農業被害の把握及び対策などの情報交換などを行っております。以上です。 237 ◯議長(おばた久弥) 森あや子議員。 238 ◯39番(森 あや子) これまで本市が主体となった公聴会はありません。ラムサール条約登録に対しての積極性は見えてきません。市民はもとより、国内外への周知のために、もっと積極的になるべきです。登録に関して、国は要望があれば、手続を進めるとしています。世界全体で干潟、藻場、サンゴ礁など、浅い海域は生物多様性の保全上、重要な地域であることから、一層の保全推進が課題となっています。国としても、自然共生社会における国土のグランドデザインで、アジア・太平洋地域を中心に国境を越えた生態系ネットワークの形成が進むことを示しています。このことが絵に描いた餅にならぬよう、地球規模の視点で大きなネットワークをつくり、取り組みを広げていくこと、そして、重要なのは市民も含めたさまざまな主体が関心を持ち、参画することです。高島市長は、福岡はアジアのリーダーだと常に発信され、本市の環境施策でも、水と緑のネットワーク、生態系ネットワークをうたっています。湿地に生きる生き物を求めてやってくる渡り鳥の多くは、国境に関係なく飛来することから、国際的な取り組みが求められています。今津も和白も日本の重要湿地500に選ばれ、さらに和白は、にほんの里100選にも選ばれています。干潟を守る会の自然保護活動は、ユネスコの100年後の未来に残したいプロジェクト未来遺産に選ばれるくらい重要な活動です。福岡だけではないアジアにとって、世界にとって、貴重な財産がここ福岡にあることを市民や観光で訪れた方々に広くアピールしていくためにも、積極的にラムサール条約登録をして環境保全に努めることがアジアのリーダーとして重要な使命であると考えます。これがまた一人一人が自分のこととして自然環境を守る取り組みを進め、次世代につなげていくことだと考えます。  最後に、本市としての責任ある答弁を求めて私の質問を終わります。 239 ◯議長(おばた久弥) 荒瀬副市長。 240 ◯副市長(荒瀬泰子) 福岡市は脊振山地などの山々、多々良川、室見川などの河川と、それを取り囲む福岡平野や博多湾とさまざまな生態系があり、温暖な気候と相まって、大都市でありながら豊かな生物多様性が形成されております。将来にわたって、この生物多様性を保全し、その恵みを享受できるよう、2012年、平成24年に生物多様性ふくおか戦略を策定いたしました。現在、本戦略で示す生物多様性の保全と、その恵みの持続的な利用の取り組みを進めるため、人づくり、地域づくり、社会づくりの取り組みを進めているところでございます。特に博多湾は多様な生物の生息の場として貴重な場所であり、市民の皆様と共働で博多湾の環境保全にはしっかりと取り組んでまいります。  なお、ラムサール条約登録につきましては、先ほど環境局長が答弁いたしましたように、登録に必要な要件を満たしておらず、将来的な課題であると考えているところでございます。よろしくお願いいたします。 241 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 242 ◯54番(田中しんすけ)登壇 午前中の3番目でございます。いつも以上にテンポよく、そして、歯切れよく質問してまいりますので、おつき合いのほどよろしくお願い申し上げます。  私は、福岡市民クラブを代表して、発言通告のとおり、市立学校における主権者教育の推進について、外国人にとって住みやすいまちづくりについて、防犯灯の設置及び管理に対する支援についての3項目について質問いたします。  初めに、市立学校における主権者教育の推進についてであります。  本年6月17日、公職選挙法等の一部を改正する法律が成立し、このことにより、選挙権を有する者の年齢が現在の満20歳以上から満18歳以上に引き下げられました。この改正法は、来年6月19日に施行され、施行日後に初めて行われる国政選挙、少なくとも来夏の参議院議員選挙においては、選挙期日の翌日以前に18歳の誕生日を迎える生徒、つまり、現在の高校3年生及び高校2年生の一定程度の生徒は実際に投票をする権利を有することになります。このような制度改正を受けて、文部科学省は本年7月28日、本市教育委員会へ宛てた、公職選挙法等の一部を改正する法律の公布等についてなる通知の中で、高等学校等における生徒に対して、政治や選挙への関心を高め、政治的教養を豊かにするための教育の充実を図ること、小中学校段階においても、児童生徒の発達段階を踏まえつつ、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うよう教育の充実を図ることという要請がなされました。また、これに先立つ7月17日、総務省から各都道府県選挙管理委員会に宛てられた、公職選挙法等の一部を改正する法律の公布に伴う主権者教育等の充実及び周知啓発についてという文書の中では、本市選挙管理委員会に対しても、小中高校等、それらを所管する教育委員会等の関係部局並びに選挙啓発団体とも十分に連携し、主権者教育の一層の充実を図ることが要請されています。さらに、9月29日には文部科学省より、高等学校等の生徒向け副教材である「私たちが拓く日本の未来」が公表され、公民の授業はもとより、総合的な学習の時間や特別活動等の指導における活用が期待されるところであります。  以上のことから、今後は本市も教育委員会と選挙管理委員会が連携しながら、市立学校における政治的教養を豊かにするための教育、すなわち主権者教育の充実に向けた具体的な取り組みが求められます。  そこで、今回の質問では、市立高校における主権者教育、小中学校における主権者教育、市立学校における生徒会活動のあり方の3点について、以下それぞれ質問してまいります。  質問の1点目は、市立高校における主権者教育の推進についてであります。  先ほど御紹介いたしましたが、政治や選挙等に関する高等学校等の生徒向け副教材として「私たちが拓く日本の未来」が公表され、本市の市立高校に通う生徒にも間もなく配付されると聞いております。本市の市立高校においては、来夏の参議院議員選挙を見据えながら、実際に主権者教育を実施していくことになると思いますが、具体的にはどの学年でどのような指導が行われることになるんでしょうか、お尋ねいたします。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問いたします。
    243 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 244 ◯教育長(酒井龍彦) 福岡市立高等学校における指導内容でございますが、第3学年では副教材を活用して、有権者として適切に行動できるようにするため、選挙の仕組みや民主政治の基本についての学習を進めております。さらに、第1、第2学年では、政治や選挙に関する理解を深め、模擬選挙などの実践的な学習ができるよう、公民科の学習を中心に総合的な学習の時間や特別活動と関連させて指導を行うようにしております。以上でございます。 245 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 246 ◯54番(田中しんすけ) ここから各論の質問をさせていただきますけれども、(資料表示)これが先ほど紹介いたしました「私たちが拓く日本の未来」という副教材です。これが恐らく今月から配付が順次始まっていくのではないかと言われておりますが、この中身が解説編と実践編ということで2つありまして、この解説編では選挙の実際、それから、政治の仕組み、あるいは年代別の投票率がどういうふうになっているかというような基本的な情報がまとめられておりまして、後半の実践編では、例えば、話し合い、討論の手法ということでディベートですとか、課題の見つけ方、それから、模擬選挙、そして、模擬請願、それから模擬議会、それぞれまさに実践的な内容を学んでやってみようというような、およそ100ページにわたる副教材であります。ここの模擬請願というのが、実際に高校生が福岡市議会にも請願を提出するというようなことが近い将来にあるということを考えると、非常に身が引き締まる思いでありますけれども、そういう意識も持ちながら、以下質問を進めてまいります。  先ほどの答弁の中で、模擬投票というものがありました。高校1年生、それから2年生への指導に関して、模擬投票という答弁をいただきましたけれども、このような実践的な内容とあわせて、政治や選挙の意義を伝えるという指導が大変重要であると考えます。  本年11月、福岡市城南区の福岡県立城南高校において模擬投票が実施されたとの報道がありました。調べてみたところ、城南高校から、城南ドリカムプランと称するキャリア教育の一環として本市に13種類の出前講座の依頼があり、その中の一つが選挙に関する講座であったことから、選挙権年齢が18歳に引き下げられたことを受けて、模擬投票を取り入れた出前講座を選挙管理委員会が行ったということです。内容は、1年生30人を対象として選挙の意義や投票の方法、インターネット選挙運動、また、若者の投票率の低さやその影響等について講義を行った後に、架空の城南市長選挙として実際の選挙器材を使用して模擬投票を実施。模擬投票では、若者向け、働く世代向け、高齢者向けの施策を掲げる3人が立候補した設定で、各候補の公約を生徒各自に整理してもらった後に投票するという流れで行われたということです。  そこで、このような模擬投票、出前講座について、同様の取り組みが本市の市立高校でも実施されるべきであると考えますが、現時点で実施に向けた検討はどの程度行われているのでしょうか、お尋ねをいたします。 247 ◯議長(おばた久弥) 半田選挙管理委員会事務局長。 248 ◯選挙管理委員会事務局長(半田敦士) 模擬投票を取り入れた出前授業につきましては、本年9月に総務省及び文部科学省から公表された高校生向け副教材に掲載されている模擬選挙の方法を参考にしながら、福岡市立高校での実施に向けて市教育委員会と課題などについて協議を行っているところでございます。以上でございます。 249 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 250 ◯54番(田中しんすけ) 来夏の参議院議員選挙で現在の高校2年生が実際に投票することを考えると、高校に在籍している生徒にはそれまでに模擬投票をぜひ体験してもらいたいと思います。そのためにも、せめて市立高校は選挙管理委員会による、先ほど御紹介した城南高校で実施したような出前講座を積極的に依頼すべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。 251 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 252 ◯教育長(酒井龍彦) 選挙管理委員会による出前講座の依頼につきましては、生徒会選挙において投票箱を借りるなどの試みを一部の市立高等学校で既に始めております。政治的教養を育む教育につきましては大変重要であると認識しており、出前講座の利用も含めた教育指導計画を作成するよう各高等学校に指導をしております。以上でございます。 253 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 254 ◯54番(田中しんすけ) また、ことしの夏の常任委員会視察で訪問いたしました千葉市では、選挙事務の募集対象を高校生まで広げ、選挙の重要性や仕組みについて理解を深める取り組みを実践していました。また、八王子市でも、来年1月の市長選挙の際には、18歳以上の高校3年生を選挙事務の対象にするという報道も最近なされました。本市においても、来夏の参議院議員選挙時に選挙事務に高校生がかかわれるような取り組みを実施すべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。 255 ◯議長(おばた久弥) 半田選挙管理委員会事務局長。 256 ◯選挙管理委員会事務局長(半田敦士) 高校生の選挙事務従事につきましては、実際の選挙事務にかかわってもらうことで、高校生の選挙への意識と関心を高め、投票しようとする意識の向上が期待できることから、若年層向けの啓発として意義があるものと考えております。  選挙管理委員会としては、まず、福岡市立高校を対象として実施できないかということで、他都市の事例も参考にしながら、市教育委員会と協議を行っているところでございます。以上でございます。 257 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 258 ◯54番(田中しんすけ) この選挙事務への高校生の参加については、模擬投票の実施とあわせて早期の実現を期待いたします。  次に、市立小中学校における主権者教育の推進について、お尋ねをいたします。  政治と選挙に関するテーマで言うと、本市選挙管理委員会が小学生を対象に実施している事業として、明るい選挙出前授業という取り組みがあります。この取り組みの概要と、これまでの実績、過去3年間についてそれぞれお尋ねをいたします。 259 ◯議長(おばた久弥) 半田選挙管理委員会事務局長。 260 ◯選挙管理委員会事務局長(半田敦士) 明るい選挙出前授業は、教育機関と連携した選挙啓発の一環といたしまして、各小学校に呼びかけて、小学6年生が社会科の授業で選挙について学習する時期に合わせて、毎年1月から2月にかけて実施しております。内容につきましては、選挙に関するクイズを取り入れながら、政治の仕組みや若者の投票率などについて説明を行った後、実際の選挙器材を使用して小学校最後の給食は何がよいかという親しみやすいテーマで模擬投票を実施しております。過去3年間の実施実績は、平成24年度7校、平成25年度13校、平成26年度14校となっており、今年度は来年1月と2月の実施について、11月末現在で21校の予約が入っている状況でございます。以上でございます。 261 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 262 ◯54番(田中しんすけ) この明るい選挙出前授業、私は6月の議会でも少し御紹介をさせていただいたんですけれども、最後の学校給食をみんなの投票で決めるということで、からあげ太郎さんと、ふるつかれんさん、そして、みとポテ子、それぞれから揚げ、カレー、ミートソース。昨年度の実績、26年度が14校の学校でされたんですけれども、からあげ太郎が7票、ふるつかれんが6票、みとポテ子1票、まあ、1校ですね。から揚げとカレーが拮抗しているという状況をお知らせだけしておきたいと思います。  それで、この明るい選挙出前授業についてなんですけれども、対象が小学校6年生となっているようですけれども、中学生は対象としないのでしょうか。その理由とあわせてお尋ねをいたします。  私は、過去の質問において、中学校3年生の公民の教科書、この内容を御紹介したことがあります。政治的教養を身につける上では非常に有意義だということで、当時もお話をしました。この3年生の最初の教科書には、どういう内容かというと、学校のグラウンド、中学校の部活で使うわけですけれども、半年間グラウンドの改良工事が行われた。そこで、今まで練習をしていた野球部とサッカー部と陸上部、どうやってこの狭い半分になったグラウンドで練習をしていくかということをみんなで話し合ってみましょうというようなところから、いわゆる民主制とか議会制とかいう話に入っていくわけですけれども、3年生の公民の最初の授業がこういう内容ですから、私は中学校では、より実践的な討論やテーマ設定が期待できることから、このような模擬選挙を伴う出前授業こそ、中学校で実施されるべきだと考えております。今後は、明るい選挙出前授業の対象を中学生まで拡大し、選挙管理委員会と教育委員会が協力しながら、中学校での実施を具体的に検討していくべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。 263 ◯議長(おばた久弥) 半田選挙管理委員会事務局長。 264 ◯選挙管理委員会事務局長(半田敦士) 明るい選挙出前授業につきましては、初めて社会科の授業で選挙について学習する年代ということで、小学6年生を対象としております。このため、現在まで中学生を対象としては実施しておりません。なお、明るい選挙出前授業は、各区の選挙管理委員会が主体となって実施しております。  中学生にも対象を広げるなど、幅広い年代で選挙啓発を行うことは大切であると考えておりますが、一方で小学6年生を対象とした出前授業も年々希望校がふえてきており、現在の市及び区の選挙管理委員会の体制では対応が難しいという状況になりつつあります。このため、中学生への対象拡大はこれらの課題も踏まえて検討する必要があると考えております。以上でございます。 265 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 266 ◯54番(田中しんすけ) この明るい選挙出前授業については、小学校でも件数が伸びてきております。さらに中学校での開催も考えると、現在のマンパワーでは対応がなかなか難しいという御答弁であったと思いますけれども、しかしながら、非常に意義のある事業だと考えます。今後は、事業の効率化や外部団体との連携を図ることで実施件数を拡大していくことができないでしょうか。例えば、たびたびの引用になりますけれども、常任委員会視察で訪問した千葉市では、小中学校での模擬選挙の実施に当たり、県弁護士会が主体的にかかわっておりました。例えば、本市でも県弁護士会を初めさまざまな団体との連携を図って中学校でも模擬投票を実施すべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。 267 ◯議長(おばた久弥) 半田選挙管理委員会事務局長。 268 ◯選挙管理委員会事務局長(半田敦士) 明るい選挙出前授業などの若年層向けの啓発は、18歳からの選挙権を踏まえ、今後ますます重要になってくると考えております。現在でも可能な限り学生のボランティアグループに協力をいただきながら実施しているところですが、今後もこの出前授業を継続していくためには、より効率的な方法を検討していく必要があると考えております。今後、議員が提案された方法も含めまして、さまざまな可能性を探っていきたいと考えております。以上でございます。 269 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 270 ◯54番(田中しんすけ) 改めて中学校における模擬投票が実施できるよう要望をいたします。  この質問の最後に、市立学校における生徒会活動のあり方についてお尋ねをいたします。  生徒会活動の活性化については、過去に総会質疑の場でも提案を含めて質問をさせていただいたところです。初めに、市立中学校及び市立高校において現在行われている生徒会活動の内容及びその意義についてお尋ねをいたします。 271 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 272 ◯教育長(酒井龍彦) 福岡市立の中学校及び高等学校における生徒会活動の内容につきましては、学習指導要領の特別活動編において示されております生徒会の計画や運営、異年齢集団による交流、生徒の諸活動についての連絡調整、学校行事への協力、ボランティア活動などの社会参加でございます。また、生徒会活動の意義につきましては、生徒会活動を通して望ましい人間関係を形成し、集団や社会の一員として、よりよい学校生活づくりに参画し、協力して諸問題を解決しようとする自主的、実践的な態度を育てることでございます。以上でございます。 273 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 274 ◯54番(田中しんすけ) 授業の中で主権者教育について学ぶことも重要ですけれども、私は生徒会活動が活発に行われること、これが政治的な教養を身につける上で、同様に非常に重要であると考えております。  お尋ねいたしますが、本市の市立中学校及び市立高校において、本市教育委員会は生徒会活動の実態をどのように把握し、評価しているのでしょうか、お示しください。 275 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 276 ◯教育長(酒井龍彦) 市立中学校及び高等学校の生徒会活動の状況につきましては、各学校が提出する教育指導計画や、特別活動の担当教員や教育委員会の指導主事が参加する連絡会などを通して把握をしております。また、全ての学校で生徒会選挙を行っており、選出された役員を中心に、自主的な生徒会活動を行っていると評価をしております。以上でございます。 277 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 278 ◯54番(田中しんすけ) 自主的な生徒会活動が行われているという御認識でありましたけれども、実は私は全ての学校においてそうとは限らないのではないかという問題意識を過去から抱いております。例えば、民主党福岡県連に青年委員会という組織がありまして、その同委員会が実施した若年者向けの政治アンケートというものがあります。これは2,000サンプルで、若年者を中心に街頭でも集めてこの数字になったわけですけれども、ここに生徒会活動の経験について、現在と過去について質問をしたところ、過去の生徒会活動自体を認知しているという割合が約58%、私は意外と高いなと思ったんですけれども、ただ、これはよく見てみると、全体の約17%は活発ではなかったと、そして、約23%、約4分の1はよく覚えていないという結果でありました。これは本市以外の方々もアンケート対象に含まれていますので、本市の状況を正確にあらわしたものとは言いがたいわけですけれども、しかし、そうでないとも言い切れないのではないかと私は思っております。  今後ますますの主権者教育の充実に向けて、まずは本市における生徒会活動の実態把握から始めてみてはいかがでしょうか。政治的教養の教育に資する生徒会活動を活性化させるために、今回の選挙権年齢の引き下げを契機として、まずは教育委員会が主導して市立中学校及び市立高校における生徒会活動の実態調査を行ってはどうかと考えますけれども、この質問の最後に御所見をお伺いいたします。 279 ◯議長(おばた久弥) 酒井教育長。 280 ◯教育長(酒井龍彦) 市立中学校及び高等学校における生徒会活動の実態調査を行ってはどうかとの御指摘でございますが、政治的教養を育む教育においては、中学校から高等学校へと系統的に学習することが大切であると認識をしております。そのため、生徒会活動における主権者意識や社会参画の力の育成についての実態調査なども行いながら、より一層充実した生徒会活動が展開できるよう指導に努めてまいります。以上です。 281 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 282 ◯54番(田中しんすけ) ぜひよろしくお願いしたいと思っております。この問題に関して最後にですけれども、きょうの西日本新聞の朝刊に「高校生 参院選へ討論会」ということで、実行委員会が発足されたという記事がありました。これは来年の参議院選挙を見据えて、公開討論会を主催して、実際に高校生に模擬投票をしてもらうというような取り組みであります。これは福岡工大城東高校と博多高校、最初の発足に当たってはこの2校の生徒が参加をしたというようなニュースがありました。これは私立の高校の事例ですけれども、このように実際に教育現場では政治的な教養を養うということ、それから、政治等選挙について知ってもらう、考えてもらうという行動はやっぱりいろんなところで出てきておりますので、ぜひこの市立の学校においても積極的に取り組んでいただきたいということを最後に要望させていただきます。  質問の2点目は、外国人にとって住みやすいまちづくりについてであります。  初めに、本市の在住外国人の数について、過去3年間の推移をお伺いいたします。また、国籍別ではどのようになっているのか、直近の傾向についてあわせてお尋ねいたします。 283 ◯議長(おばた久弥) 中村総務企画局長。 284 ◯総務企画局長(中村英一) まず、福岡市の在住外国人の数について、過去3年間の推移をお答えいたします。各年12月末現在の住民基本台帳登録人口の数値によりますと、平成24年が2万4,920人、平成25年が2万6,989人、平成26年が2万8,189人となっております。  次に、国籍別の推移でございますが、数が多いほうから申し上げますと、平成24年は中国が1万2,383人、韓国または朝鮮が6,179人、ネパールが1,015人、フィリピンが933人、ベトナムが674人。平成25年は中国が1万2,052人、韓国または朝鮮が6,223人、ネパールが2,023人、ベトナムが1,633人、フィリピンが957人。平成26年は中国が1万1,430人、韓国または朝鮮が6,236人、ネパールが2,870人、ベトナムが2,078人、フィリピンが1,011人となっております。直近の傾向といたしましては、中国籍の在住外国人が減少傾向にある一方、ネパールやベトナムが増加傾向にございます。  失礼しました。平成25年のネパールの国籍が2,022人でございます。失礼しました。 285 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 286 ◯54番(田中しんすけ) 次に、在留資格別に見ると、どのような特徴があるのか、直近の数字についてその内訳をお尋ねします。 287 ◯議長(おばた久弥) 中村総務企画局長。 288 ◯総務企画局長(中村英一) 在留資格別の内訳でございますが、平成27年10月末現在の在住外国人数2万9,730人のうち、多いほうから留学が1万1,181人、永住者が5,687人、特別永住者が3,631人、家族滞在が2,597人、その他が6,634人でございます。なお、その他のうち技術・人文知識・国際業務や技能、経営・管理といった就労が可能な在留資格を持つ外国人の人数は3,577人となっております。以上でございます。 289 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 290 ◯54番(田中しんすけ) 本市の在住外国人の数については、年々増加傾向にあり、直近の数字でいえば2万9,730人、本市のおよそ50人に1人は外国人であるということであります。福岡市は全国でも他都市に先駆けてアジアへ目を向けた国際化施策を展開してきました。  平成元年、1989年にアジア太平洋博覧会というものがありまして、当時私は小学校5年生だったわけですが、これを契機に名実ともに福岡市というのはアジアに開かれたまちということ、そのきっかけになったイベントであったと私は認識をしておりますけれども、26年前、当時の在住外国人の数が9,189人だったんですね。直近では2万9,730人ということで、3倍にふえております。  例えば、福岡市は最新の第9次福岡市基本計画においても、国際競争力を有し、アジアのモデル都市を目指すとされております。そして、基本計画の実行計画である政策推進プラン、この中では、アジアを初め世界の人にも暮らしやすいまちづくり、これを推進すべき施策として位置づけて、在住外国人への情報提供はもとより、在住外国人の生活環境整備を実施してきたところであります。あわせて本市は、グローバル創業・雇用創出特区を推進しているところでもあり、今後は外国人の就労人口もふやしていこうというふうに施策を進めています。よって、これからはますます外国人にとって住みやすい都市として認知されるために、これまで実施してきた生活環境整備の拡充を初め、暮らしのさまざまな場面を想定したきめ細かな生活支援施策を打ち出していかなければならない、そのような問題意識を持って以下質問をしてまいります。  (資料表示)ここに平成23年度に実施された福岡市外国籍市民アンケートというものがあります。これは平成23年度に実施されたわけですけれども、これを読むと、本市の在留外国人が困っている、改善してほしいこととして、言葉が通じないことで日常生活に悩む外国人がいるということ、それから、日本語以外の言語で診療が受けられる病院についての情報が少ないこと、これを解決してほしいというようなことが大きな項目として上げられています。前者については、本市で暮らす外国人が快適な生活を送る上で欠かせない暮らしに関する情報提供と相談窓口、この機能を向上させることで解消していく必要があります。  そこでお尋ねいたしますが、本市はこれまで外国人に対する情報提供や相談窓口としてどのような施策を実施してきたのか、その主な内容と予算についてそれぞれお示しください。 291 ◯議長(おばた久弥) 中村総務企画局長。 292 ◯総務企画局長(中村英一) 外国人に対する情報提供の主な事業といたしましては、公益財団法人福岡よかトピア国際交流財団が運営いたしますレインボープラザにおける英語、中国語、韓国語の多言語による外国人への生活情報の提供や、地域の外国語FM放送局を活用した情報提供、さらには福岡市ホームページにおける自動翻訳機能を活用した英語、中国語、韓国語による情報提供などがございます。  次に、相談窓口の主なものといたしましては、レインボープラザにおいて行っております法律相談、入国、在留、国籍に関する相談、健康相談、心理カウンセリングといった各種専門相談、東区役所に配置しております英語、中国語の通訳による窓口来訪者への相談対応や、窓口に設置された直通電話による電話相談などがございます。各事業の予算額につきましては、レインボープラザにおける情報提供、相談窓口が、平成27年度予算額で2,520万2,000円余、地域の外国語FM放送局を活用した情報提供が同じく1,942万6,000円余、東区市民相談室における相談事業が同じく80万円余、福岡市ホームページにおける英語、中国語、韓国語による自動翻訳機能の導入費用が約20万円余でございます。以上でございます。 293 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 294 ◯54番(田中しんすけ) ここで、今の答弁にありました外国人向けの情報提供に関するお話。これ、今どういう状況かと、レインボープラザと、福岡市のホームページとLOVE FM、外語ラジオなんですけど、それぞれ御紹介をいただきました。(パネル表示)これは、実は私のもとで政策研究の勉強をしていた大学生が分析をしてつくった資料なんですね。それをほぼそのまま使わせていただいておりますけど、順番に言うと、ホームページですね、それから、レインボープラザ、それから、LOVE FMそれぞれあるわけですけれども、そもそもそういうものは知らないというのがほぼ半数、そして、LOVE FM、ラジオに限っては60%が知らない。  実はもう1つ、ちょっと薄くてわからないかもしれませんが、この隣はどういうことを聞いているか。知っているけど、使ったことがないという人たちがいるわけですね。それを合わせると、実はこのレインボープラザもLOVE FMも、福岡市の外語版のホームページも使っていない人たちが8割前後なんです。
     私、先ほど予算を聞いたのは、このレインボープラザが2,520万円、そして、FMラジオで1,942万円、そして、ホームページは20万円ということなんですけれども、これをやめろという話じゃなくて、せっかくこういう情報提供の機能があるわけですから、しっかりと認知をされて、また、使っていただくような内容にしていかないといけないんじゃないかということで今の実態を少しお示しを、皆さんと共有をさせていただきたいと思っております。  このそれぞれの3つの施策なんですけれども、これは福岡市外国籍市民アンケートの結果です。いずれも認知度が低い。そして、知っていても、使ったことがないという方がそれぞれ8割近くです。8割を超えているものもあります。この認知度が低い原因については、どのように分析をしているのか、また、この利用率が低いと、極めて低いと私は思っておりますけれども、あわせて所見をお伺いいたします。 295 ◯議長(おばた久弥) 中村総務企画局長。 296 ◯総務企画局長(中村英一) 議員お尋ねの施策の認知度が低いという原因といたしましては、調査の対象者を、福岡市にお住まいの期間を5年未満としておりまして、お尋ねの調査の折には、滞在期間6カ月未満が10.6%、6カ月から1年未満が14.6%、合わせまして滞在期間1年未満が25.2%含まれておりますこと、また、他の在留資格と比べ、そもそも知る機会が少なかったり、知る必要性が低いと考えられる家族滞在の12.9%や、日本人の配偶者等の10.0%が含まれていることなどが考えられるところでございます。施策の認知度が低いことは、利用率の低下につながると考えており、多言語による情報発信を継続的に行いますとともに、外国人が必要としている情報の提供を図ることなどにより、さらに多くの方に利用されるよう努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 297 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 298 ◯54番(田中しんすけ) 最後に答弁いただいたように、ぜひ充実をさせて、利用される施策、ものにしていただきたいと思っています。  また、情報提供という視点から、外国人が初めて本市で生活をする上で、生活情報の提供やガイダンスを行う場として区役所の役割は大変重要であると考えます。福岡市で新生活を始める外国人に対する生活情報の提供やガイダンスについて、本市では具体的にどのような器材を用いて、どのような手順で実施をしているのか、それぞれお示しください。 299 ◯議長(おばた久弥) 中村総務企画局長。 300 ◯総務企画局長(中村英一) 区役所に転入手続に訪れた外国人に対しましては、情報提供として英語、中国語、韓国語など多言語で表記いたしました外国人のための生活便利帳である「リビングイン福岡」や、市内及び周辺に52カ所ございますボランティアによる日本語教室の案内を掲載した「にほんごClass Map」、家庭ごみの出し方を掲載した「ごみルールブック」、災害時の対応について書かれた「防災ハンドブック」などをセットにいたしまして、ウェルカムキットとして配付をいたしております。  また、ガイダンスといたしましては、生活ルールやマナーについて日本語学校などに働きかけて、来日間もない日本語学校の外国人学生や、地域の在住外国人を対象に出前講座を実施しているところでございます。  さらに、平成26年度から、窓口でのガイダンスや手続支援として、語学ボランティア等を区役所に派遣いたします出張レインボープラザを試行的に実施しているところでございます。以上でございます。 301 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 302 ◯54番(田中しんすけ) 答弁の最後にありました昨年度からの新たな取り組みとして、窓口でのガイダンスや手続支援を行う出張レインボープラザという事業があるとのことですが、これはどういった取り組みなのか、その概要をお示しください。 303 ◯議長(おばた久弥) 中村総務企画局長。 304 ◯総務企画局長(中村英一) 出張レインボープラザの概要につきましては、公益財団法人福岡よかトピア国際交流財団に登録している語学ボランティアや、通訳のできる同財団の職員を、区役所窓口等に手続支援などを行うために派遣するものでございます。試行を行った平成26年度につきましては、西区西部出張所に、春と秋の入学時期にあわせて10日間、九州大学新入留学生の転入届等のガイダンスや手続支援を行ったところでございます。以上でございます。 305 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 306 ◯54番(田中しんすけ) 外国人への情報提供、相談窓口機能の向上のためには、先ほど御答弁いただいた出張レインボープラザ、これに加えて先ほどの答弁でもありました東区役所においては、実際に外国人の窓口、ダイヤル相談業務ということで、週に1回なんですけど、中国語と英語でそれぞれ派遣をして相談に乗っているということ。私はこのような取り組みがますます重要になってくると考えております。  現在、本市に新たに転入してくる外国人に対しては、ウェルカムキットという暮らしに関する情報提供を行っているとのことです。今後は、ウェルカムキット、これを配付するだけではなく、専門の担当職員、今は週に1回とかやっているものを、これを恒常的にマンツーマンで説明、相談に対応する体制が私は今後必要になってくると考えております。今後も出張レインボープラザや東区役所における外国人窓口、ダイヤル相談業務のような窓口支援体制を強化していくべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。  また、このように暮らしに関する情報提供、相談機能を強化することで、本市を外国人に対してきめ細かい生活サポートを実施するまちとして世界にアピールすべきだと考えますが、あわせて御所見をお伺いいたします。 307 ◯議長(おばた久弥) 中村総務企画局長。 308 ◯総務企画局長(中村英一) 福岡市の在住外国人数が増加する中、転入間もない外国人の不安を取り除き、福岡での生活にスムーズになじんでいただけるよう、区役所窓口における在住外国人への情報提供やガイダンスは重要と考えております。  平成26年度より開始いたしました出張レインボープラザにつきましては、今後の充実について検討したいと考えております。  また、外国人にとっても住みやすいまち福岡を世界にアピールすることにつきましては、活力と存在感に満ちたアジアの拠点都市の実現に向けて重要であることから、福岡市が持つさまざまな広報ツールを活用し、また、さまざまな機会を捉え、情報を発信してまいりたいと考えております。以上でございます。 309 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 310 ◯54番(田中しんすけ) (パネル表示)先ほどのウェルカムキットを配るだけではなくて、ウェルカムコンシェルジュを配置したらどうかと、これは実は大学生の提案なんですけれども、実際にウェルカムキットをそのまま渡して、はい、じゃ、あとは読んでおいてくださいという話よりも、そのキットの内容だとか、あるいは動画配信の、あらかじめつくっておいた動画なんかを案内するとか、こういう対面でのコミュニケーションでさまざまな生活情報を、一番最初に訪れる区役所で行うということが大事なのではないかと思っています。  ちなみに、この写真は、磐田市の対面コミュニケーション。実は、磐田市はブラジル人の方が多いということで、ポルトガル語の専門の対面での情報提供の窓口として配置をしているという事例もありますので、ぜひこれから拡充をしていっていただきたいということを要望しておきます。  もう1つの視点ですけれども、次は外国人にとっての医療環境についてお尋ねいたします。  本市は、外国人が医療機関にかかる際にどのような支援施策を実施してきたのか、その概要についてお尋ねいたします。 311 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 312 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 福岡市におきましては、平成26年5月に国家戦略特別区域の指定を受けたことを契機として、アジアを初め世界の人にも暮らしやすいまちづくりを進めるため、外国人向け医療環境の整備に取り組んでございます。  具体的には福岡市に住民登録している20歳以上の外国人男女を対象として、平成26年10月に、福岡市外国籍市民医療アンケート調査を実施し、アンケートにより明らかになった、言葉が通じないなどの意見に対応するため、福岡県が運営しておりました福岡アジア医療サポートセンターを平成27年度から共同事業化し、医療通訳などのサービスを実施しているところでございます。以上です。 313 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 314 ◯54番(田中しんすけ) 先ほど若干触れていただきましたけれども、この26年度に実施された福岡市外国籍市民医療アンケート調査というものがありますけれども、ここで外国人が医療サービスを受ける際の課題として浮かび上がったのはどのような事項か、詳細をお尋ねいたします。 315 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 316 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 福岡市外国籍市民医療アンケート調査において、日本の医療機関を受診したことがある外国人のうち、約6割の方が病院探しで困った経験があると回答しております。また、日本の医療に対する不満や、病院受診時に困ったこととして、言葉が通じないや、日本語で書かれた文章が読めないという意見が多くございました。福岡県が運営する医療機関情報検索サイトによれば、英語による対応が可能と申告している市内の医療機関数は800を超えている状況がございますが、中国を初めとしたアジア国籍の方が大半を占める福岡市の在住外国人にとっては、医療機関の検索や医療現場におけるコミュニケーションにおいて課題があるということがわかる内容でございます。以上でございます。 317 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 318 ◯54番(田中しんすけ) 先ほど答弁いただきました福岡アジア医療サポートセンター、この事業の内容と予算についてお示しください。 319 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 320 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 福岡アジア医療サポートセンターの主な事業内容としましては、医療機関向けの医療通訳サービスである電話通訳と医療通訳派遣、平成27年度に新たに開始した外国人向けに医療機関の案内などを行う医療に関する案内の3つでございます。このほか医療機関へ派遣する医療通訳ボランティアの養成や、医療機関への個別訪問などによる広報活動にも力を入れてございます。総事業費は、平成27年度当初予算ベースでは約2,300万円で、このうち市は県に負担金として約1,100万円を支出してございます。以上です。 321 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 322 ◯54番(田中しんすけ) この福岡アジア医療サポートセンターのうち、医療通訳を派遣する事業について、登録している医療機関数はふえているもののその登録率は低いということが指摘をされています。現時点での登録率はどれくらいでしょうか、また、今後はこの割合を高めていく必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。 323 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 324 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 福岡アジア医療サポートセンターの医療機関向け医療通訳サービスを利用する際には、各医療機関において事前に利用規程に同意の上でセンターに登録していただく必要がございます。  平成27年10月末現在の福岡市内の登録医療機関数は89で、平成26年度末の46からほぼ倍増はいたしておりますが、市内の病院及び医科診療所を合計した1,630機関に占める割合は5.5%でございます。なお、このうち病院で見ますと、登録数は37で、市内の病院116に占める割合は31.9%でございます。今後も引き続き個別訪問や広報物の配付などの活動を進めまして、病院を中心に登録医療機関をさらにふやすように取り組んでまいります。以上です。 325 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 326 ◯54番(田中しんすけ) 登録機関数の割合が少ないというのは、実は大学生が分析で明らかにしたことです。(パネル表示)これはそのまま使っていますけれども、この福岡アジア医療サポートセンターの通訳というのは、このネットワークに登録をしていなければ、そもそも派遣することができない。その中で、今答弁でもありました福岡市内の医療機関数が1,630。その中で、連携している、登録をしている機関というのは89。でも、これでも実はこの1年間でふえてきているということなんですけれども、まだまだおよそ5.5%。やはりこの医療通訳、非常に私は有意義だと思いますので、ぜひこの登録の機関数をふやしていっていただきたいということもぜひ要望をしておきたいと思います。  この医療サポートセンター、つまり、外国人に対する医療の充実という意味で最後にこれは提案をさせていただきますけれども、(パネル表示)これも実は大学生の提案なんですけれども、タブレット端末を用いた医療通訳機能、これは実際にタブレットの中に翻訳のアプリケーション、あるいは医療に関する言語とか単語とかを入力して、こういうものを介して、タブレット端末、その中に入れているアプリケーションを通して、実際に患者さんの容態がどうなのかということをあわせて実施してはどうかなということ。この導入を呼びかけてはいかがかなということ。これをぜひ提案をさせていただきたいと思います。  この医療に関する外国人、医療環境の拡充に関する質問なんですけれども、このタブレット端末、これを用いて問診票の記入とか往診、処方箋の説明を行うということが実現できないかと考えております。ボランティア通訳の派遣がままならない状況でもタブレット端末を使用することで活動時間や内容を制限されることなく、外国人の医療機関受診の際の不安を解消し、スムーズな医療処置が行われるのではないかと考えますけれども、御所見をお伺いいたします。 327 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 328 ◯保健福祉局長(野見山 勤) タブレット端末で多言語翻訳アプリケーションソフトを活用し、外国人とのコミュニケーションを円滑にする取り組みというのは、医療に限らずさまざまな場面で有用と思われます。実際に外国人患者との簡易なコミュニケーションの際に、タブレット端末による多言語翻訳アプリケーションソフトを活用する事例が、今年度行われた市内病院への聞き取り調査におきましても複数確認されてございます。  一方で、福岡アジア医療サポートセンターへの医療通訳派遣の依頼の実態としましては、診察や検査、治療方針の説明といった外国人患者と医療関係者との間でかなり密接なコミュニケーションが必要となる場面での利用が多く、そのような場面で医療通訳の必要性はまだまだ高いというふうにも考えられます。今後とも、医療サービスを受ける外国人や医療サービスの提供者である医療機関からの御意見を伺いながら、より効果的な施策を研究してまいります。以上でございます。 329 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 330 ◯54番(田中しんすけ) ぜひよろしくお願いしたいと思います。  最後の項目であります。質問の3点目は、防犯灯の設置とその後の管理に対する支援についてであります。  年の瀬も近づいてまいりましたけれども、ことしの自身の活動を振り返って特に印象に残った点の一つとして、ことしは道路照明灯に関する相談が多かったなという点が挙げられます。ただ一口に道路照明灯に関する相談といってもさまざまで、以前から夜道が暗い箇所があるが、誰に言えば改善されるのかわからないというものに加えて、街路樹が茂り過ぎて照明灯の明かりが遮られている、これまで建物があったところが空き地や駐車場になり、暗さが際立つようになったなど、環境変化が原因で暗くなったという相談がふえてきたことが特徴として挙げられます。  また、地域活動や消防団活動の中で、防犯パトロールを実施していると、確かに空き地や駐車場がふえて暗かったり、切れっ放しの防犯灯がそのまま放置されていたりという状況を確認できます。今回はその中でも、生活道路の明るさを取り戻し、文字どおり、さらに明るさを増していくという問題意識のもと、町内会等の地域が管理する防犯灯に焦点を当てて質問をしてまいります。  初めに、道路照明灯に関する基本的な事項について確認ですけれども、本市における道路照明灯には直営灯と防犯灯の2種類がありますが、その違い及び特徴について、設置と管理の面からお示しください。 331 ◯議長(おばた久弥) 清森道路下水道局長。 332 ◯道路下水道局長(清森俊彦) 直営灯と防犯灯の違い及び特徴でございますが、直営灯につきましては、福岡市が設置、管理している照明灯で、交通安全の確保を目的に、主に幹線道路に設置しているものでございます。  また、防犯灯につきましては、町内会などが設置、管理している照明灯で、犯罪を防止する目的で、生活道路に設置しているものでございます。以上でございます。 333 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 334 ◯54番(田中しんすけ) 次に、例えば、この道路が夜間に暗いから道路照明灯を新設してほしいといったような要望が市民からあった場合、本市はどのように対応しているのでしょうか、その手順について具体的にお示しください。 335 ◯議長(おばた久弥) 清森道路下水道局長。 336 ◯道路下水道局長(清森俊彦) 道路照明灯に関する市民からの要望につきましては、その内容が直営灯か防犯灯かを判断の上、直営灯の場合は職員が要望箇所へ出向き、照度を測定するとともに、周囲の設置状況などを確認の上、必要に応じて新たに設置を行うほか、街路樹が直営灯の明かりを遮っている場合には剪定を行うなどの対応を行っております。  また、防犯灯の場合は、町内会などへ相談していただくよう要望者へお願いするとともに、状況に応じまして、職員による調査を行い、町内会長などへ情報提供を行っております。以上でございます。 337 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 338 ◯54番(田中しんすけ) ここからは町内会等が実際に防犯灯を新設、あるいは更新することを想定して幾つかお尋ねをしていきます。  新たに防犯灯を設置しようとした場合、設置費用と年間の電気料金は1基当たり幾らかかるか、また、その費用に対し市の防犯灯補助金制度により、補助は幾らで町内会などの負担額は幾らか、それぞれお示しください。 339 ◯議長(おばた久弥) 清森道路下水道局長。 340 ◯道路下水道局長(清森俊彦) 防犯灯1基当たりの新設費用と、年間の電気料金についてでございますが、まず、新設費用につきましては、10ワットのLED灯を電柱に取りつける標準的なもので約2万5,000円となりますが、市の補助は約1万5,000円であり、町内会などの負担額は約1万円となります。  次に、年間の電気料金につきましては約1,600円となりますが、市の補助が約1,000円であり、町内会などの負担額は約600円となります。以上でございます。 341 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 342 ◯54番(田中しんすけ) 蛍光灯よりもLED灯のほうが設置、維持管理ともにメリットがあると言われております。先ほどの御答弁でも、LED灯を前提に電気料金をお示しいただいたと思いますが、LED灯は蛍光灯と比較した場合、電気料金の削減も含めて、ほかにはどのようなメリットがあるのか、具体的にお示しください。 343 ◯議長(おばた久弥) 清森道路下水道局長。 344 ◯道路下水道局長(清森俊彦) LED灯のメリットにつきましては、明るさが同程度である20ワットの蛍光灯と10ワットのLED灯の1基当たりの年間電気料金で比較しますと、蛍光灯の約3,300円に対し、LED灯はおおむね半額の約1,600円となります。福岡市からの補助金を考慮しますと、町内会などの負担が約900円軽減されることになります。
     また、蛍光灯の場合、約2年で球がえが必要となりますが、LED灯は約15年と長寿命であることから、球がえの費用や手間が軽減されるなどといったメリットもございます。以上でございます。 345 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 346 ◯54番(田中しんすけ) コストや維持管理にかかる手間を考えると、既存の蛍光灯をLED灯に切りかえたほうが町内会等にとって大きなメリットがあると考えますが、防犯灯のLED灯への切りかえの進捗状況はどうなっているのか、お尋ねいたします。 347 ◯議長(おばた久弥) 清森道路下水道局長。 348 ◯道路下水道局長(清森俊彦) 防犯灯LED化の進捗状況につきましては、当初、平成23年度から15年間でLED化を行う計画としておりましたが、平成26年度から夜間の防犯など、地域における安全、安心により一層寄与するため、計画期間を9年に短縮したところであり、平成27年度末の進捗率は約44%となる見込みでございます。  平成31年度の完了を目指し、LED化の促進に引き続き取り組んでまいります。以上でございます。 349 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 350 ◯54番(田中しんすけ) 切りかえ率が今年度末で44%という進捗でありました。ところで、本市に設置されている防犯灯の数を調べていただいたところ、これは平成26年度末の数字でありますけれども、7行政区合わせて4万4,762基とのことでありました。本市は防犯灯のLEDへの切りかえについて、町内会等に対して推奨しているようですが、このうちどれくらいの数の防犯灯がLED灯に切りかわっているのかも気になるところです。本市のこれまでの具体的な取り組みの内容とその成果についてそれぞれお示しください。 351 ◯議長(おばた久弥) 清森道路下水道局長。 352 ◯道路下水道局長(清森俊彦) 防犯灯のLED化についての取り組みといたしましては、年度当初に各区において開催されます自治協議会連絡会議などにおきまして、LED化のメリットや補助制度の概要を記載した資料を配付し、説明を行っております。これまでの取り組みの結果、LED化の件数は、平成25年度は3,804基、平成26年度は5,323基、平成27年度の見込みは約6,000基と年々増加しており、成果が出ているものと考えております。以上でございます。 353 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 354 ◯54番(田中しんすけ) 本市は、防犯灯に関する補助金制度を地域に説明するための資料の中に、蛍光灯からLED灯に切りかえれば、設置費用を含めても後年度で元が取れますよということを示すグラフを入れております。そこで、このグラフについてお尋ねいたしますが、例えば、10年間で見ると、具体的にはどれくらいの費用削減につながるのか、また、削減できた費用で新たにLED灯を幾つ設置できる計算になるのか、それぞれお示しください。 355 ◯議長(おばた久弥) 清森道路下水道局長。 356 ◯道路下水道局長(清森俊彦) 蛍光灯1基をLED灯に切りかえた場合、10年間で町内会などが負担する電気料金などの経費が約2万1,600円削減できるものと見込んでおります。仮に蛍光灯5基をLED化する場合、切りかえ後10年間で削減できる経費を見越しますと、切りかえる際に一時的な負担は生じますが、5基のLED化に加え、新たに防犯灯6基の設置が可能となります。以上でございます。 357 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 358 ◯54番(田中しんすけ) いろいろとずっと私、数字について聞いてきましたが、結局言いたいのは、実はこういうことだったんです。(パネル表示)似たようなグラフ、表を地域の方々にも今、市はお配りしていますけれども、例えば、青い線がこれは蛍光灯のままだったとき、赤い線はLEDに切りかえたときということで、もちろん初期費用はかかるわけですけれども、これは横15年見ていますが、先ほどの答弁で言うと、10年間で2万1,600円削減できますというところは説明しているんですが、今便宜的にこのオレンジで書いていますが、実はこれ削減したと同時に、新たにまたふやそうと思ったら、10年で見たときに新たに6基、LED灯だったらふやせるんですよという経済的なお話なんですね。ですから、例えば、地域によっては、そういうような新たに防犯灯をつけたいというようなニーズもある中で、切りかえのメリットとして、経済性とあわせて、実際にやっぱりどうしてもここに追加してほしいとか、追加したいとかいう御事情も地域ではあったりする中で、こういうようなメリット、今までと同じ経費で新しくふやせるんですよというような手法も、広報の仕方もやってみてはどうかという話をしたいために質問を重ねてまいりました。  防犯灯のLED灯への切りかえ、新設を促すためには、町内会等への告知を漏れなく行き渡らせること、切りかえのメリットをわかりやすく説明すること、この2つが重要であると考えます。今後さらに防犯灯のLED灯への切りかえ、新設を促進するためにそれぞれの点を強化していくべきだと考えますが、これからの具体的な取り組みとあわせて御所見をお伺いいたします。 359 ◯議長(おばた久弥) 清森道路下水道局長。 360 ◯道路下水道局長(清森俊彦) 防犯灯LED化の促進などに向けた町内会などへの周知につきましては、これまで年度当初に各区で開催されている自治協議会連絡会議などで説明を行っているほか、LED化のメリットや、補助制度の概要を記載した資料を町内会などの代表者に送付するとともに、市のホームページなどにおいても周知を行っているところでございます。今後とも、LED化のメリットなど、よりわかりやすい資料を作成するとともに、新たに公民館へ配付するなど、さまざまな機会を捉え、周知を行い、LED化の促進に取り組んでまいります。以上でございます。 361 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 362 ◯54番(田中しんすけ) LED灯への切りかえのメリットをさまざまな視点からわかりやすく伝えられるような資料の作成をぜひお願いししたいと思います。  この質問の最後に、地域における防犯灯の管理についてお尋ねをいたします。  防犯灯の管理主体は町内会等ということでありましたが、たまに蛍光灯が切れっ放しのものを見かけることもあります。そもそも町内会等の会長さんが、当該町内に設置されている防犯灯の状況、設置数、設置箇所、球切れ等、これを把握できていない状況もあるのではないかと思います。例えば、町内会等によっては頻繁に会長さんがかわるところもあり、その際の引き継ぎがうまくなされていない事例も伺います。防犯灯が球切れのまま放置されているというのも、そもそも地元に設置されている防犯灯の数や場所、あるいはそれが自分たちの管理なのか誰の管理なのかというところがなかなかわかりづらいということが原因の一つではないかと思っています。このような状況が続いていくことは、安心、安全や防犯の視点からも課題であることから、何らかの対策が必要だと考えています。  そこで、道路照明灯の管理という面では、本市が設置する直営灯について、台帳システムをつくって管理していると聞いております。このシステムの概要についてお示しください。 363 ◯議長(おばた久弥) 清森道路下水道局長。 364 ◯道路下水道局長(清森俊彦) 道路維持管理システムについてでございますが、道路、橋梁などの道路施設や、カーブミラー、案内標識などの道路附属物について、その位置や設置年度などのデータのほか、点検、補修の履歴などを蓄積し、道路管理者として道路施設や道路附属物を適切に維持管理するためのシステムでございます。道路附属物である直営灯につきましても、その位置や柱の高さ、灯具の種別、過去の点検履歴などを蓄積し、適切な維持管理に活用しているものでございます。以上でございます。 365 ◯議長(おばた久弥) 田中しんすけ議員。 366 ◯54番(田中しんすけ) 最後の提案でございます。今、答弁でいただいた道路維持管理システム、これを改良することで町内会が設置している防犯灯、これをあわせて管理できる仕組みがつくれないかというのが最後の私の提案でございます。(パネル表示)これは今、青と黄色と赤、それぞれ色分けしております。実は今、福岡市が道路維持管理システムの中で管理しているものは直営灯だけですので、多分ここで言うと、右側にある青い部分ですね。この青い部分は漏れなく把握をしている。この真ん中とか左側の赤とか黄色とか、ここでは凡例として青が福岡市の直営灯、赤が自治会、町内会、黄色は管理組合、例えば商店街とか、そういうところも実はこういうふうな状況になっている。これはモデルですけれどもね。それで、今だったら青しか管理できていないんだけれども、システムがあるのであれば、これを黄色のものと赤のものというふうに、次第に、そこに載せていけないかということであります。  これについては、福岡市へ地域から防犯灯の補助金の申請があった場合に、その設置箇所とその概要について、実は提出されております。これは今、市では恐らく紙ベースで積み上がってきているというのが現状なんですね。これをシステムに載せられないか、つまり、データとして管理できないかということであります。  例えば、システムの信頼性を向上させるためには、申請が上がってきた防犯灯じゃなくて、町内にある防犯灯について情報を集めていく必要があるわけですけれども、これらの情報を道路維持管理システムに反映して、直営灯に加えて地域の防犯灯の設置箇所や概要、これを地図上で管理できればLED灯への切りかえをさらに促進することができる上に、地域とその地図情報を共有することで町内会等にとっても防犯灯の管理が楽になるというメリットが生まれてくるのではないかと思います。  今後、このような提案を検討いただき、町内会等に対して、我が町内にはどこに幾つの防犯灯、道路照明灯が設置されているといった基本情報を、地図情報とあわせて提供するなど、防犯灯の適切な管理を支援する取り組みを始めるべきだと考えますが、最後に前向きな答弁を期待し、私の質問を終わります。 367 ◯議長(おばた久弥) 清森道路下水道局長。 368 ◯道路下水道局長(清森俊彦) 防犯灯の情報につきましては、福岡市が直接補助を行うこととなった平成25年度以降、新設やLED化工事を行った際に、管理台帳や設置位置が記載された地図を町内会などから市へ提出いただき、保管しているところでございます。まずは、今後、全ての町内会などから防犯灯の管理台帳などを提出していただき、適切に保管し、必要に応じて町内会などへ情報提供を行ってまいります。  なお、道路維持管理システムを活用した防犯灯管理のための支援につきましては、費用対効果も踏まえながら今後検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 369 ◯議長(おばた久弥) この際、暫時休憩いたします。  午後は1時35分に再開いたします。                                         午後0時21分 休憩                                         午後1時35分 開議 370 ◯副議長(石田正明) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。篠原達也議員。 371 ◯19番(篠原達也)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表して、保護観察対象者の就労支援及び保護司の活動支援について、空き家等の適正管理と有効活用について質問いたします。  初めに、保護観察対象者の就労支援及び保護司の活動支援について行います。  平成26年版経済白書によると、一般刑法犯により検挙された者のうち再犯者率は増加の一途をたどっております。平成25年には46.7%、検挙者の約2分の1が再犯となっています。さらに、仕事についていない保護観察対象者の再犯率は、仕事についていた人の約4倍となっています。このことからも、就労先の確保と定着こそが立ち直りと再犯防止の鍵となることがわかります。ところが、近年の社会情勢を反映し、保護観察対象者等の就労先の確保は極めて困難になっており、4人に1人が無職のまま保護観察を終えている現状があります。現在、福岡保護観察所管内では、2,030名の保護観察対象者のうち315名が無職とお聞きしております。  それでは、福岡市内の保護観察対象者の数は何人なのか、また、そのうち何人が無職者なのか、お尋ねいたします。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。 372 ◯副議長(石田正明) 中村総務企画局長。 373 ◯総務企画局長(中村英一) 福岡保護観察所に確認いたしましたところ、福岡市の保護観察対象者数につきましては、平成27年11月現在で454人、そのうちの無職者数につきましては142人と伺っております。以上でございます。 374 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 375 ◯19番(篠原達也) 先ほど済みません。平成26年版「経済白書」というふうに間違えましたので、「犯罪白書」の間違いでございます。  福岡市内の保護観察対象者が454人、そのうち無職の対象者は142人とのお答えでした。このままいくと、福岡市内は3人に1人が無職者で保護観察を終えることになります。また、福岡県における犯罪検挙数は約3,500件と10年前の3分の1まで減少していますが、依然として全国のワースト順位では上位に位置しています。これは、犯罪検挙数が下がっても再犯率が下がらないということに原因があります。少年も含めた再犯者のうち無職者の割合はどれくらいですか、お伺いいたします。 376 ◯副議長(石田正明) 中村総務企画局長。 377 ◯総務企画局長(中村英一) 全国における刑務所再入所者の再犯時における無職者の割合につきましては、法務省の平成26年矯正統計年報によりますと、約72%となっております。以上でございます。 378 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 379 ◯19番(篠原達也) 福岡市の数値ではありませんが、全国において、再犯者のうち約7割が無職者ということです。福岡市内の無職の対象者142人には、再び罪を犯さないための支援が今すぐにでも必要であるということであります。  昨年12月、国の犯罪対策閣僚会議において、再犯防止に関する宣言「犯罪に戻らない・戻さない」を決定し、支援体制が加速し始めました。地方自治体は、犯罪や非行で保護観察処分を受けた人たちの社会復帰を後押しするため、みずから保護観察対象者の雇用を開始しています。ことしに入り、松本市、銚子市、宇部市、佐賀市などが保護観察者を対象とした就労支援事業を実施しました。福岡市では、このような就労支援事業を行っていますか、お尋ねいたします。 380 ◯副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。 381 ◯こども未来局長(石橋正信) 松本市などにおいて実施されております自治体が保護観察中の少年を非常勤職員として雇用する制度につきましては、先進都市の調査や関係機関との協議を行っている段階でございまして、現在のところ、福岡市では実施いたしておりません。以上でございます。 382 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 383 ◯19番(篠原達也) 罪を犯してしまった人たちをもう一度立ち直らせ、一般の社会人として地域で受け入れていきたいと仕事先を提供してくれる事業主さんがいらっしゃいます。国は、2020年までに、犯罪や非行をした者の事情を理解した上で雇用している企業の数を現在の3倍にする数値目標が立てられました。さらにことし6月には、協力雇用主への支援を含む刑務所出所者等に対する就労支援に取り組むということを定め、安全、安心な社会を実現する上で就労支援が極めて大事であるとの認識が広がっているようです。  では、仕事先を提供してくれるその協力雇用主とはどのような制度ですか、お伺いいたします。 384 ◯副議長(石田正明) 井上市民局長。 385 ◯市民局長(井上るみ) 協力雇用主制度につきましては、法務省が所管している制度で、協力雇用主とは、犯罪や非行の前歴のために定職につくことが容易でない方をその事情を理解した上で雇用し、改善更生に協力する民間事業主の方々のことでございます。以上でございます。 386 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 387 ◯19番(篠原達也) 全国の協力雇用主登録者数は1万2,600社で、保護観察対象者等1,230人が雇用されています。  それでは、福岡市内の現在の協力雇用主の数と保護観察対象者等を雇用している協力雇用主の数及び実際の雇用人数並びに業種をお尋ねいたします。 388 ◯副議長(石田正明) 井上市民局長。 389 ◯市民局長(井上るみ) 福岡保護観察所に確認いたしましたところ、平成27年9月末現在で福岡市内の協力雇用主は152社となっております。そのうち、保護観察対象者等を雇用している協力雇用主は26社で、雇用人数は57名、業種につきましては、建設業が21社、サービス業が5社と伺っております。以上でございます。 390 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 391 ◯19番(篠原達也) 御答弁いただいたように、本市の協力雇用主152社のうち実際に雇用を受け入れているところは26社で、就労している保護観察対象者等は57人にとどまっています。そして、業種は建設業が21社と突出しています。今後、雇用先をふやしていくためには、協力雇用主の登録をふやし、業種として建設以外の分野に協力を仰いでいかなくてはなりません。協力雇用主さんたちは、対象者が仕事を続けられるよう職場の環境に気を配り、住み込みでできる寮やアパートなどを提供し、大変御苦労されているようです。そのような協力雇用主さんに対して、本年4月から就労奨励金を支払う制度が始まりました。この制度はどのようなものですか、お尋ねいたします。 392 ◯副議長(石田正明) 井上市民局長。 393 ◯市民局長(井上るみ) ことし4月から始まりました協力雇用主に対する刑務所出所者等就労奨励金につきましては、法務省が所管している制度で、保護観察の対象となった人などを雇用し、就労継続に必要な生活指導や助言などを行う民間の事業主に対して奨励金が支給されるものでございます。以上でございます。 394 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 395 ◯19番(篠原達也) このような制度をもっとたくさんの企業に知ってもらい、犯罪のない社会づくりへの理解を深めてもらうことが協力雇用主の増加につながっていくと考えます。普通の人でも就職が難しい世の中です。対象者の就職がいかに大変かということは想像にかたくありません。保護観察対象者への就労支援は、生活を支え、安定した住居を提供することに加え、社会とのつながりをつくることであり、これを支える協力雇用主の存在は極めて重要です。福岡市において、この重要な役割を担っていただいている協力雇用主の方に対してどのような支援を行っていますか、お伺いいたします。 396 ◯副議長(石田正明) 井上市民局長。 397 ◯市民局長(井上るみ) 協力雇用主に対する支援につきましては、特段の支援は行っておりませんが、現在、入札等の際に優遇する制度について関係局と協議を行っているところでございます。以上でございます。
    398 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 399 ◯19番(篠原達也) 仕事を提供してくださる協力雇用主への自治体の支援として、対象者を雇用した実績がある場合に、公共工事などの入札で優遇する措置が講じられています。福岡市の入札登録企業の中で協力雇用主として登録されている業者は何社ありますか。また、実際に保護観察対象者等を3カ月以上雇用している協力雇用主は何社ありますか、お伺いいたします。 400 ◯副議長(石田正明) 井上市民局長。 401 ◯市民局長(井上るみ) 福岡保護観察所に確認いたしましたところ、福岡市の登録業者のうち、平成27年9月末現在で協力雇用主として登録されている業者は46社で、そのうち保護観察対象者等を3カ月以上雇用している協力雇用主は8社と伺っております。以上でございます。 402 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 403 ◯19番(篠原達也) 福岡市の入札登録業者の中で協力雇用主として登録されている業者は46社、福岡市が協力雇用主を支援するための入札参加資格の優遇措置制度を導入することになれば、現在でも対象になる協力雇用主は8社あるというお答えでした。ぜひとも地域を支えている協力雇用主を支援し、また、協力雇用主を広げていくためにもこのような制度が必要と考えます。昨年、我が会派の議員が質問しましたが、その後の検討状況を教えてください。 404 ◯副議長(石田正明) 井上市民局長。 405 ◯市民局長(井上るみ) 協力雇用主を入札等の際に優遇する制度につきましては、関係局と具体的に検討を行っているところでございます。以上でございます。 406 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 407 ◯19番(篠原達也) 一日も早い制度の導入をお願いいたします。あわせて総合評価落札方式の優遇措置についてもよろしくお願いをいたします。  先日、社会復帰促進就労支援事業を最初に実施した奈良県を視察してまいりました。臨時職員として保護観察対象者を6カ月雇用し、民間企業への就職支援を行っています。採用した対象者にはさまざまな業種を経験させ、就職した後の定着を図るためにインターンシップ研修や教育プログラムを活用しながら、一般社会人として必要な教養やコミュニケーション能力を養っていきます。奈良保護観察所、協力雇用主、そしてNPOと連携し、最後まで企業への就職を支援しています。  さらに平成27年度からは、対象者が就職した後、その事業所で仕事上必要となる資格などをとるときの費用を上限30万円助成するなど、事業の充実を図られています。3年間で臨時職員として5名を引き受け、3人を民間企業へ就職させました。この事業の特徴は、自治体みずからが再犯のないまちづくりに取り組むこと。自治体みずからが協力雇用主になること。この覚悟、リーダーシップが各団体に、各企業に影響を及ぼしているということです。本市においても、社会復帰のための就労支援の取り組みを検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 408 ◯副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。 409 ◯こども未来局長(石橋正信) 自治体が保護観察対象の少年を非常勤職員として雇用することにつきましては、他都市において、雇用したものの途中でやめてしまった事例や、制度を制定したにもかかわらず雇用に至っていない事例もありますことから、他都市の取り組みも参考にしながら、関係機関と引き続き協議を行ってまいります。以上でございます。 410 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 411 ◯19番(篠原達也) 関係機関へ影響を及ぼすぐらいの本市のリーダーシップを期待しております。  北九州市では、協力雇用主会などと連携し、非行歴を有する人の就労支援について、実効性のある手法を探るため、就労支援促進検討会議を開催しています。北九州市の雇用政策課の職員と青少年課の職員が協議に加わり、現状の取り組みや課題を共有し、今後の就労支援を決めていきます。先日、北九州市の協力雇用主さん数人とお話をする機会がありました。就労支援の取り組みでは、対象者と雇用主の潤滑油として行政機関が加わることで安心感が広がり、難しい事案でも互いの信頼関係の中で前向きに協議することができるようになったと言われていました。  福岡市の東区では、以前から協力雇用主とNPOとの2者で就労支援の意見交換が行われてきましたが、なかなか課題解決に至っていない現状があるようです。行政が支援の協議に加わることで安心感が広がるのであれば、問題の糸口が見つかるのであれば、ぜひとも本市も協議に加わってもらいたい、関係機関との意見交換など持ってもらいたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。 412 ◯副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。 413 ◯こども未来局長(石橋正信) 北九州市は、非行少年の立ち直り支援のために就労支援促進検討会議を設け、関係者による協議を行っております。そうした取り組みにつきましては、まず会議の目的、メンバーの構成、運営のあり方などの整理をする必要がありますことから、関係機関と協議しながら今後検討してまいります。以上でございます。 414 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 415 ◯19番(篠原達也) どうぞよろしくお願いをいたします。  北九州市では、さらに協力雇用主への上積み補償のための条例を制定しています。北九州市協力雇用主見舞金制度、これは非行歴のある少年を雇用して、万が一、業務上の損害を受けた場合に損害に応じて見舞い金を支払う制度です。非行歴のある少年が就労できる環境をつくることにより、立ち直りをしっかりサポートしています。福岡市においても、このような前向きな制度ができることを要望しておきます。  次に、更生保護サポートセンターの設置についてですが、多くの保護司は自宅に保護観察対象者を招き、生活状況などを聞き取る面接を行っていますが、マンション世帯の増加などを背景に従来の活動が困難な状況となっています。ことし5月からは、市役所北別館5階の一室が福岡市保護司会連絡協議会事務局として活用されるようになり、7区の保護司会や各団体との連携がとりやすくなったと保護司会から感謝の言葉をいただいております。  では、現場の保護司の活動を支える更生保護サポートセンターの各区の設置状況はどのようになっていますか、お尋ねいたします。 416 ◯副議長(石田正明) 中村総務企画局長。 417 ◯総務企画局長(中村英一) 福岡市内の更生保護サポートセンターの設置状況につきましては、7保護区中、東、博多、早良、西の4保護区は民間施設の借り上げなどにより設置済みと伺っており、中央、南、城南の3保護区は未設置であると伺っております。以上でございます。 418 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 419 ◯19番(篠原達也) 本市に4区設置されている更生保護サポートセンターは民間施設のため、家賃負担に御苦労されているようです。北九州市は、6区の中で4区が公共施設に設置されており、無償提供の施設もあるようです。また、熊本市では5区全ての更生保護サポートセンターが公共施設に開設されています。地域における保護司活動の拠点として、役所や福祉事務所など地域の公共施設を利用し、対象者の面接の場として活用されれば、保護司の負担軽減が図られると同時に保護司活動に対する地域住民の理解も深まるものと期待をされます。  各区の更生保護サポートセンターの設置及び運営経費等の負担軽減について検討していただくよう当局の御協力を求めたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。 420 ◯副議長(石田正明) 中村総務企画局長。 421 ◯総務企画局長(中村英一) 保護観察を受けている人の立ち直り支援など、犯罪や非行のない安全、安心なまちづくりに向けた地域における取り組みの推進につきましては、保護司の皆様の御尽力によるところが大きいと考えており、福岡市におきましては、犯罪予防活動や社会参加活動等を対象に各区保護司会に対しまして補助金を交付いたしますとともに、現在、福岡市保護司会連絡協議会事務局として使用されている市役所北別館の一室につきましては、土地使用料の減免を行っているところでございます。  また、更生保護サポートセンターの設置につきましては、保護司の皆様の活動がより一層充実するよう区役所等の市有施設の空きスペースが生じた際には、設置場所の確保等について検討を行うなど今後とも支援に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 422 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 423 ◯19番(篠原達也) どうぞよろしくお願いをいたします。  対象者の就労支援と保護司の活動支援についてお尋ねしてまいりましたが、更生保護の中心的役割を果たす保護司そのものが現在減少しております。福岡市内においても、新しい保護司の確保に頭を悩ませています。私も地域の方から保護司の話をいただき、昨年の10月から活動をさせていただいております。現在、2名の対象者をお世話していますが、対象者だけでなく、家族の問題や親からの相談など多くの問題を抱えています。かかわり続けることは大変ですが、立ち直ろうとしている姿に励ましを送り続けることが自分の役目だと思っております。  今、私が胸につけています黄色の胸章は、「幸福の黄色い羽根」です。こういうものですね。(胸章を示す)犯罪のない幸せで明るい社会を願うシンボルとして使用されています。由来は、更生保護のシンボルマークであるヒマワリの黄色と、刑期を終えて出所した男性を温かく迎える夫婦愛を描いた映画「幸福の黄色いハンカチ」から着想を得て、平成23年から全国で、社会を明るくする運動へ賛同の印として使用されています。更生保護の観点から、地域において実際に犯罪から立ち直った当事者や協力雇用主として支援している事業者の話を聞けるような講演会を開催するなど、犯罪歴のある人々を排除することなく、やり直せる社会を目指すためにも、保護司への支援は官民を挙げての課題であると思っております。  本年11月25日に総務省及び法務省から各地方公共団体の首長宛てに出された再犯防止対策の推進に対する協力依頼文書の中でも、更生保護サポートセンターの設置場所の確保及び犯罪や非行をした者の就労確保のための支援について協力が求められていると思いますが、福岡市の今後の取り組みについて高島市長の御決意をお伺いいたします。 424 ◯副議長(石田正明) 高島市長。 425 ◯市長(高島宗一郎) 保護司の皆様方が犯罪や非行をした人の立ち直りを日ごろから支援して、再犯を防ぎますとともに、地域における犯罪や非行の予防に御尽力いただいていることにつきましては、改めて感謝、そして敬意を表する次第でございます。  犯罪や非行をした人の就労の確保に向けた支援につきましては、協力雇用主に対して優遇する制度の検討も含めて、先進都市の取り組みなども参考にしながら、引き続き保護観察所や保護司会、協力雇用主などの関係機関や団体と協議してまいりたいと考えております。  また、更生保護サポートセンター等の活動拠点の確保につきましても、可能な限り支援に努め、今後とも保護司の皆様を初め、関係機関との連携をしっかりと図りながら、犯罪のない安全で住みよいまちづくりを推進していきたいと考えております。以上です。 426 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 427 ◯19番(篠原達也) どうぞよろしくお願いをいたします。  次に、空き家等の適正管理と有効活用について質問いたします。  人口減少と高齢化が進む中、日本各地で空き家の増加が問題視されています。ここ5年ほどの間に社会的にクローズアップされるようになりました。平成22年以降、新聞記事になった件数が急増しており、ブーム的な側面も強く、そうした風潮に流されない冷静な現状把握と対応が必要です。そもそも、なぜ今、日本で空き家がふえてしまったのか。その大きな要因は、供給が需要を上回ってしまったからです。2013年に国が実施した調査によると、全国の総住宅戸数6,063万戸、総世帯数は5,239万世帯、空き家は約820万戸になり、必然的に余るのです。空き家率は13.5%になり、この九州においても空き家は増加をしております。その割合は13.8%と全国平均を上回っている状況です。国は、本年5月に空き家対策特別措置法を施行し、放置された空き家の減少に取り組み始めました。  初めに、福岡市の空き家、そのうち廃屋予備軍となるような空き家の現状及び空き家率の推移についてお伺いいたします。 428 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 429 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 福岡市の空き家の現状につきましては、総務省の平成25年住宅・土地統計調査によりますと、福岡市の総住宅数は約85万4,000戸であり、そのうち空き家は約10万4,500戸で、総住宅数に占める空き家の割合は12.2%となっております。また、空き家のうち、賃貸用や分譲用の空き家を除いたその他の空き家で腐朽や破損がある一戸建てについては、約2,800戸となっております。  次に、空き家の推移につきましては、平成20年の同調査では、空き家は約11万6,800戸で、総住宅数に占める空き家の割合は14.7%であり、この5年間で見ますと減少しておりますが、その他の空き家で腐朽や破損がある一戸建てについては、約2,100戸であり、増加の傾向にあります。以上でございます。 430 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 431 ◯19番(篠原達也) お答えいただきましたように、福岡市内の住宅総数85万4,000軒、うち空き家軒数10万4,500軒、空き家率12.2%となっております。このうち、腐って傷んだり破損している一戸建て住宅は2,800戸あり、廃屋またはその予備軍ということですが、今後さらに増加することが予想されます。  国土交通省の試算では、平成52年に全国で1,335万戸、全戸数に占める割合が22.7%になるとしており、今後、空き家にどのように対応していくかを検討し、適切な対応をとることが求められています。しかし、その多くは、利活用の方針が決まっていないものが多く、それらは日常的な管理がおろそかになりがちです。適切な管理がされず、放置したままの空き家は、今後どのような問題が危惧されますか、お伺いいたします。 432 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 433 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 空き家が適正に管理されまないまま放置されますと、家屋倒壊の危険性や、雑草の繁茂やごみの不法投棄などによる衛生面や景観の悪化、不審者の侵入や放火等による防犯性や防災性の低下など周辺に対してさまざまな問題を引き起こすことが考えられます。以上でございます。 434 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 435 ◯19番(篠原達也) 国が自治体に行った、空き家の有効活用等の促進に関するアンケート調査では、管理水準の低下した空き家や空き店舗が周辺に与える影響として、防災、防犯機能の低下、不法投棄や火災発生の誘発、景観の悪化などが突出しているようですが、こうした問題はあくまでも行政側の懸案事項にすぎず、即座に人的被害をもたらすものではなく、日常的な問題として顕在化していない場合が多いのも事実です。  福岡市は、このような相談があった場合、具体的にどのような対応をされていますか、お尋ねいたします。 436 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 437 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 空き家の相談があった場合の対応につきましては、放置空き家は建物の老朽化による危険性はもとより、防犯、防災、環境、衛生面など多岐にわたって周辺に悪影響を与えることから、関係する各局区で連携して対策を講じることとしており、市民などから相談があった場合は、現地確認を行い、空き家の状況や相談内容などについて関係する部署と情報共有し、必要に応じて担当部署から所有者への指導等を行っております。また、関連する局や区で構成される廃屋対策連絡会議を設けており、この会議において必要な連絡、調整を行うとともに、情報共有化のルールや役割分担を定めた廃屋に対する指導指針を作成するなど関係する部署で連携しながら対応しております。以上でございます。 438 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 439 ◯19番(篠原達也) 空き家が増加することで地域のイメージ低下をもたらし、それが転入者の減少と転出者の増加を招き、不動産価値の低下、ひいてはゴーストタウン化のおそれもあることから、早い段階で食いとめることが求められます。  城南区に誰も住んでいない11棟に及ぶ住宅団地があります。この地域の方から、小中学生が団地の中に入って鬼ごっこや探検隊と称して遊んでいるので、団地の中に入れないようにしてほしい等の相談がありました。現在はロープで囲んでいるようです。この住宅団地が放置されたままでは、地域の皆さんは安心して生活ができません。早急な対応をお願いいたします。  また、城南区で2年前から御相談を受けている空き家の問題について、地域の方から豪雨や台風時期など、いつ外壁や瓦などの飛散物が飛んできてもおかしくない状態なので、一日も早く補強などの対応をしてほしいとの要望をお伝えしていますが、なかなか対応が進んでいないようです。このように、地域などに不利益、不経済をもらたすような空き家は撤去を促すことだと思います。  そこで、福岡市の空き家対策の取り組み状況についてお尋ねいたします。 440 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 441 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 空き家の取り組み状況につきましては、放置空き家対策をより積極的に推進するため、福岡市空き家の倒壊等による被害の防止に関する条例が平成26年4月1日から施行されており、条例に基づいて、危険な空き家に対する是正指導を行っております。また、空き家条例のリーフレット等によって、市民に対して広く適正管理の重要性について周知、啓発を行うことにより、放置空き家の発生防止に努めております。以上でございます。 442 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 443 ◯19番(篠原達也) 空き家は、ふえること自体が問題ではなく、適切に管理されない、活用されないことが問題であります。  そこで、危険な空き家の指導状況と、空き家条例の中で早急に何らかの措置を必要としているDランクの状況についてお尋ねいたします。 444 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 445 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 危険な空き家の指導状況につきましては、平成27年11月末時点で、これまで指導を行った空き家429件のうち、是正完了したものが226件、継続指導中のものが203件でございます。なお、是正完了した空き家のうち、解体により是正したものが166件、修繕等により是正したものが60件でございます。また、早急に何らかの措置が必要であるDランクの空き家につきましては、これまで指導を行った67件のうち、是正完了したものが24件、継続指導中のものが43件でございます。以上でございます。 446 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 447 ◯19番(篠原達也) 早急に措置が必要な物件、Dランクの状況についてどのような対応をしているのか、また、早急に措置が必要な物件43件が指導中ということになっていますが、進まない理由は何か、お尋ねいたします。
    448 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 449 ◯住宅都市局長(馬場 隆) Dランクの空き家への対応につきましては、所有者に対して市長名による文書、現地写真、条例本文等を送付するとともに、自宅訪問や電話連絡なども行い、管理義務の徹底を図っております。また、改善が進まない理由としましては、相続による権利者の複数化や遠隔地居住による責任意識の欠如や希薄さ、解体費の工面や解体による固定資産税のアップなどの経済的な事情、所有者や相続人の所在不明や所有者死亡後の権利関係の未整理等による指導の困難さなどが上げられ、是正が進まない主な要因となっておりますが、今後も粘り強く指導を行ってまいりたいと考えています。以上でございます。 450 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 451 ◯19番(篠原達也) お答えいただきましたように、経済的な事情や所在不明などの要因があるようです。  平成27年5月26日に空家等対策の推進に関する特別措置法が完全施行されましたが、生活環境に著しく影響を及ぼしている特定空き家に認定され勧告を受ければ、固定資産税の優遇撤廃になるということでしょうか、お伺いいたします。 452 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 453 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 固定資産税の優遇撤廃につきましては、空家等対策の推進に関する特別措置法の規定に基づき、市町村長が特定空き家等の所有者等に対して周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告した場合は、当該特定空き家に係る敷地について、固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外することとされております。以上でございます。 454 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 455 ◯19番(篠原達也) 固定資産税の優遇撤廃ということですが、空き家の所有者に対して税金がいきなり大幅に上がり、みずから管理をせざるを得ない状況をつくり出すということで、空き家を減らそうという狙いです。空き家減少を後押しする特効薬と目されています。しかしながら、先ほどお答えいただいた措置が進まない理由の一つとして、所有者や相続人の所在が不明であることの問題があります。  地域の方で、ひとり暮らしの高齢者が持ち家から入所している介護施設のある地域に住民票を移しましたが、登記簿の情報は連動していないため、所有者を特定するためにはとても時間と手間がかかりましたと聞いたことがあります。空家対策特別措置法が施行され、所有者確定のために固定資産税の情報を利用して所有者を突きとめることを認めていますが、現状はどのようになっていますか、お伺いいたします。 456 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 457 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 固定資産税の所有者情報の利用につきましては、これまでは地方税法の守秘義務により、市の内部であっても利用が困難でございましたが、空家等対策の推進に関する特別措置法により利用が可能となりました。これを受けて、福岡市では空き家対策における固定資産税の所有者情報利用に向けて、関係部局と協議を進めております。以上でございます。 458 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 459 ◯19番(篠原達也) 本市は、空き家などの所有者の方への啓発、中古住宅の流通、活用促進、管理不全の防止や空き家等の跡地の活用を柱とした総合的な空き家対策を進めるために、不動産、法律、建築、NPO法人の専門団体などとの連携、協力はどのようにされていますか、お尋ねいたします。 460 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 461 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 空き家対策推進のための関係団体との連携、協力につきましては、福岡県や県内市町村と共同で宅地建物取引業や建設業、司法書士、土地家屋調査士などの関係団体で構成される福岡県空家対策連絡協議会や住宅市場活性化協議会において、空き家等の適正な管理及び既存住宅の流通促進について検討し、取り組んでおります。また、福岡市住宅相談コーナーにおいて、弁護士や不動産事業者、建築士などの関係団体と連携し、空き家の管理や利活用を含めたさまざまな住宅に関する相談に対応しております。以上でございます。 462 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 463 ◯19番(篠原達也) 空き家をつくらないための対策が必要ではないでしょうか。利活用を含めた後押しになると期待されている空家対策特別措置法が施行され、国レベルでの対応ができることになり、空き家対策の計画に対して国が空き家の利活用に関する補助金をつけることができるようになりましたが、福岡市は特別措置法後の新たな計画はありますか。お尋ねいたします。 464 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 465 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 国の補助金活用に必要な計画の策定についてでございますが、空き家の利活用に関する国の補助事業としましては、国土交通省の空き家再生等推進事業があり、この補助金については、空き家等対策計画に定められた地区、または地域住宅計画に定められた区域等でその活用が可能となっております。このため、福岡市におきましては、今年度改定する福岡市地域住宅計画において国の補助金が活用できるよう、国等と協議の上、計画に定めるよう検討することといたしております。以上でございます。 466 ◯副議長(石田正明) 篠原達也議員。 467 ◯19番(篠原達也) ぜひ、空き家対策が前進するよう御検討してください。  市民の方から、私たちの町内に公民館が欲しいという御相談を受けました。今後、ふえ続ける空き家の有効な活用方法を探ろうと、福岡県では一般から公募した空き家活用のアイデアに補助金を出すモデル事業を始めました。その一つの事例として、糸島の市民グループは、公民館がない地域で、江戸末期に建てられた古民家をお年寄りが気軽に集える寄り合い所として、スタッフが常駐し、お年寄りと一緒に料理をして食べるなど、その活動を認知症の予防にもつなげているとお聞きをしました。  福岡市も、今後は地域の実情に合った空き家の活用方法などを広く公募するなど対策が進むことが期待をされます。これから増加するであろう空き家対策について御決意をお伺いして、私の質問を終わります。 468 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 469 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 今後の空き家対策につきましては、まずは既存住宅の流通の促進が図られるよう、国や県、住宅市場活性化協議会などの関係団体と情報共有を図りながら、効果的な支援策等について検討していくとともに、消費者等への情報提供や空き家に対する相談業務についても一層の充実を図ってまいります。  放置空き家対策につきましては、空き家条例に基づいて必要な措置を行っていくとともに、廃屋対策連絡会議において情報共有を図り、さらに連携を強化しながらしっかりと取り組んでまいります。また、空家等対策の推進に関する特別措置法への対応について、他都市の情報収集を行うとともに、福岡県空家対策連絡協議会での議論も踏まえ、条例のより適正かつ効果的な運用が図られるよう、条例や規則の改正なども視野に入れ、議会と相談させていただきながら検討してまいります。以上でございます。 470 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 471 ◯47番(笠 康雄)登壇 私は、みらい福岡市議団を代表し、市税収入の向上と雇用促進について、土砂災害警戒区域の指定に伴う住民への影響について、以上2点について質問いたします。  まず、市税収入の向上と雇用促進に向けた取り組みについてお尋ねします。  日本政府は、アベノミクスという経済政策により、日本経済を再生軌道に乗せようとしています。ところが、平成27年11月に内閣府が発表した7月~9月期のGDP速報値は、前期比0.2%減となり、2期連続のマイナス成長でありました。また、平成27年10月に発足した第3次安倍政権の基本方針においては、平成32年ごろまでにGDP600兆円の目標を掲げております。これらの政策により、プライマリーバランスの黒字化に向けた経済財政運営を進めていることは評価いたしますが、私は、まだまだ我が国の財政健全化の道のりは非常に厳しいのではないかと危惧しております。  一方、福岡市では現在、行財政改革を進めており、歳出の見直しとあわせて歳入の向上、とりわけ市税収入の向上にしっかりと取り組まなくてはならないと考えます。そのためには、行政が経済を牽引し、正社員の雇用をふやし、企業が設備投資できるような施策を展開し、将来に希望を与えることが必要ではないでしょうか。  そこで、国の経済財政運営が厳しい状況の中、福岡市はどのようにして長期的な税収向上を図っていこうと考えているのか、お尋ねいたします。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。 472 ◯副議長(石田正明) 赤岩財政局長。 473 ◯財政局長(赤岩弘智) 長期的な税収向上に向けましては、多くの市民の皆様とともに策定いたしました福岡市総合計画の推進に当たり、福岡市の住みやすさに磨きをかけて市民生活の質を高め、質の高い生活が人と経済活動を呼び込み、都市の成長と税収の向上をもたらし、この都市の活力によりさらに生活の質が高まるという好循環をつくっていきたいと考えております。今後、このような都市の成長と生活の質の向上の好循環をより確かなものとし、さらなる税収向上を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。 474 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 475 ◯47番(笠 康雄) 都市の成長と生活の質の向上の好循環によって市税を増収させるという考え方には賛同しますが、税収向上には、もう一つ重要なことがあります。それは、市民や企業に快く納税してもらえる環境を整備することです。政策の推進によって税源を確保できたとしても、それが税収に結びつかなければなりません。そのためには、市税の収入未済額を可能な限り減らし、きちんと納税した人が損はしない、そういうことを市民に示していく必要があります。  そこで、近年の市税収入未済額の縮減に向けた取り組みと成果についてお尋ねします。 476 ◯副議長(石田正明) 赤岩財政局長。 477 ◯財政局長(赤岩弘智) 市税収入未済額縮減に向けた主な取り組みにつきましては、平成22年度に副市長をトップとする福岡市市税収入向上対策本部を立ち上げるとともに、年末、年度末の休日等における一斉催告や、不動産、動産の公売などに取り組んでおります。さらに、納税者の利便性向上や納期内納付の推進を図るため、口座振替の加入推奨やスマートフォン等から市税を納付できるモバイルレジの利用促進などにも取り組んでいるところでございます。そして、平成26年度決算における市税収入未済額は約58億3,100万円となり、ピーク時の平成14年度の半分を下回る水準に減少しております。以上でございます。 478 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 479 ◯47番(笠 康雄) 超高齢化社会が間近に迫る中、生産年齢人口は減少し、社会保障の財政負担がさらに増加していくことは目に見えています。そこで、将来の福岡市を支える子どもたちへの納税意識の啓発が特に重要になってきます。私は、子どもたちに働くことの大切さや労働から得られる税収が社会を支えているということを正しく理解させることが何よりも大切であると考えます。  そこで、子どもたちに対する税の役割や意義の理解を促す取り組みについてお尋ねします。 480 ◯副議長(石田正明) 赤岩財政局長。 481 ◯財政局長(赤岩弘智) 福岡市におきましては、次代を担う子どもたちが租税について正しい知識を習得できるよう、国や県などとも連携して租税教育を推進しております。具体的には、国や地方公共団体の財政を支える租税の意義や役割等についての理解を促す租税教室の開催などの活動を積極的に進めているところでございます。以上でございます。 482 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 483 ◯47番(笠 康雄) 将来の福岡市を支える子どもたちに勤労と納税の重要性を理解してもらえるよう、しっかりと租税教育を進めてもらいたいと思います。  さて、ここからは雇用促進について聞いていきたいと思います。  なぜ雇用促進が大事か。それは、安定的な雇用の確保は社会保障費の抑制や税収の向上につながるなど、行政の財政健全化にも大きく貢献するものであると考えるからであります。  そこで、全国的な雇用状況を見ていくと、求人数の増加や有効求人倍率の改善などアベノミクスの成果が見られる一方で、非正規雇用の労働者数が増加傾向を続けています。全国の雇用者に占める非正規雇用労働者の割合は、総務省の労働力調査で見ると、平成7年の21%に対し、平成26年は38%と上がり続けています。企業が非正規雇用を進める背景には、賃金の節約や仕事量の変化への対応、そして、即戦力となる人材の確保などさまざまな理由があると思います。また、非正規雇用で働いている人には、家計の補助を目的としたパートタイム労働や専門性を生かして働きたい派遣労働など、個々人にとって都合のいい働き方を選択している人もいます。ただ、個々の企業や労働者の視点で非正規雇用が合理的であっても、日本経済というマクロ的視点で見れば、必ずしも望ましい形態とは限りません。非正規雇用の増加によって人々の生活や将来への不安が増大し、消費活動の停滞やデフレを生み、それにより経済が停滞するとすれば、さらなる非正規雇用の増大を招くという悪循環に陥るという指摘もあります。そうした非正規雇用者が正社員として安定した雇用条件で働くことができれば、社会保障制度の支え手を確保するとともに、社会保障に係る将来の財政負担の軽減にも寄与することになると思います。  そこで、多様化する就業形態の実態と福岡市が就職支援に特に力を入れている就業形態についてお尋ねします。 484 ◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。 485 ◯経済観光文化局長(重光知明) まず、就業形態の多様化の実態につきましては、厚生労働省の平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査によりますと、全国値で正社員が60.0%、正社員以外が40.0%となっており、この正社員以外の内訳につきましては、多い順にパートタイム労働者が23.2%、契約社員が3.5%、嘱託社員が2.7%、派遣労働者が2.6%、臨時労働者が1.7%、出向社員が1.2%などとなっております。  次に、福岡市が就職支援に特に力を入れている就業形態についてでございますが、正規雇用につきましては、一般的に雇用や収入が安定しておりますことから、特に正規雇用を希望する方々につきましては、できる限り正社員として就職できるよう支援に努めているところでございます。以上でございます。 486 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 487 ◯47番(笠 康雄) 正規雇用は、雇用や収入が安定しているとのことですが、正社員とパートタイム労働者などの正社員以外では、賃金や勤続年数にどのような違いがあるのか、お尋ねします。 488 ◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。 489 ◯経済観光文化局長(重光知明) 正社員と正社員以外の賃金、勤続年数の違いについてでございますが、厚生労働省の平成26年賃金構造基本統計調査によりますと、平成26年6月の全国平均で正社員は賃金月額が31万7,700円、勤続年数が13.0年、正社員以外は賃金月額が20万300円、勤続年数が7.5年となっております。以上でございます。 490 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 491 ◯47番(笠 康雄) 福岡市内の15歳から29歳の若者は、人口に占める割合が政令市中1位となっており、特に若者の正社員就職を促進することが重要であります。私は、次代を担う若い世代が安定した雇用につくことがこれからの福岡市の活力の維持向上に大きく寄与するものと考えます。  そこで、若者自身の会社の選択理由や就労意識はどのような傾向となっているのか、お尋ねします。 492 ◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。 493 ◯経済観光文化局長(重光知明) 若者の会社の選択理由や就労意識の傾向についてでございますが、公益財団法人日本生産性本部と一般社団法人日本経済青年協議会が平成27年度に行った新入社員働くことの意識調査によりますと、まず、会社を選ぶときにどういう要因を最も重視したかとの質問に対し、回答が多かった上位3項目につきましては、1位が自分の能力、個性を生かせるからで30.9%、2位が仕事がおもしろいからで19.2%、3位が技術が覚えられるで12.3%となっております。また、仕事についての考え方や希望についての質問に対し、そう思う、あるいはややそう思うといった肯定的な回答が多かった上位3項目につきましては、まず、1位が仕事を通じて人間関係を広げていきたいで94.8%、2位が社会や人から感謝される仕事がしたいで93.3%、3位がどこでも通用する専門技術を身につけたいで92.3%となっております。以上でございます。 494 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 495 ◯47番(笠 康雄) 新規学卒者にとって希望する仕事につけること、自分に合う会社に出会えることが大事だということがうかがえますが、福岡市では新規学卒者を初め、求職者の就職、特に正社員就職を支援するため、どのような施策を実施しているのか、お尋ねします。 496 ◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。 497 ◯経済観光文化局長(重光知明) 新規学卒者を対象としました就職支援施策につきましては、地元企業が参加する合同会社説明会の開催や、地元企業の魅力、採用情報等をインターネットで発信します地元企業情報発信事業などを実施いたしております。これらにつきましては、企業が正社員求人を行うことを参加条件といたしております。  また、新規学卒者以外の求職者を対象とした就職支援施策につきましては、各区に設置しております就労相談窓口において就職相談を受けるとともに、求職者の希望や経歴等を踏まえて求人企業を開拓して紹介するなど寄り添い型の支援を行っているところでございます。特に正規雇用を希望する方々につきましては、できる限り正社員として就職できるよう求職者の経歴等を踏まえて正社員の求人企業の開拓に努めますとともに、中高年の求職者の雇用促進を図るため、正規雇用を行った企業に奨励金を交付する中高年雇用促進事業などを実施しているところでございます。  また、正規雇用の開拓に当たりましては、非正規雇用労働者の正規雇用転換等を行う企業に交付されますキャリアアップ助成金など国の助成制度につきましても周知に努めているところでございます。以上でございます。 498 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 499 ◯47番(笠 康雄) 引き続きしっかり取り組んでいただきたいと思います。  さて、正社員就職の支援とともに雇用の受け皿となる地元企業の人材ニーズに応えるためには、求職者のスキルアップがとても大切だと思います。  そこで、現在、求職者の就職に役立つ能力を伸ばすために、国や県、福岡市はどのような事業を実施しているのか、お尋ねします。
    500 ◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。 501 ◯経済観光文化局長(重光知明) 就職に役立つ能力を伸ばすための国や県、福岡市の事業についてでございますが、職業能力の開発、向上につきましては、職業能力開発促進法において国や都道府県の責務とされているところであり、福岡労働局や福岡県において県内の求人ニーズ等を踏まえ、ものづくり、理容、美容、医療事務など幅広い分野における公共職業訓練や、雇用保険を受給できない求職者が給付金を受給しながら受講できる求職者支援訓練などが実施されております。  また、福岡市におきましては、正社員就職を希望するフリーターなどの若者を対象にウエブデザインなどの講座を開設し、就業体験などを通して就職を支援するデジタルコンテンツクリエーター育成事業を実施しますほか、福岡地区職業訓練協会との共催でビジネスパソコン、商業簿記、介護福祉士などの各種講習を実施いたしております。このほか、国や県などの関係機関が行う職業訓練につきまして、区役所等の窓口でのチラシの配布や、市政だより、市のホームページへの掲載など市民の皆様への周知、広報に努めているところでございます。以上でございます。 502 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 503 ◯47番(笠 康雄) 引き続き、求職者がスキルアップできるよう、その能力開発にもしっかり取り組んでほしいと思います。  他方、求職者がどんなに頑張っても、その受け皿がないと就職することはできません。となると、正規雇用の場をふやすことも重要です。その雇用の場となる企業のうち、市税を納めているのは地場企業です。経済とはお金の流れであり、その中で、市内でお金が回り続けることが大変大事なのであります。市の税収を増加させるため、それに貢献できる企業を優遇する、そういう視点も重要ではないかと私は思います。  そこで、行政が発注する工事等において、福岡市に税金を納める地場企業を優遇するような施策を積極的に行うべきと考えますが、現在の取り組み状況についてお尋ねします。 504 ◯副議長(石田正明) 赤岩財政局長。 505 ◯財政局長(赤岩弘智) 公共工事の発注に当たりましては、従来より地場企業の育成、振興を図る立場から、地場企業への優先発注を基本方針とし、一般競争入札におきましては、法令等を踏まえつつ、原則として入札参加資格に地場要件を設定しているところでございます。また、発注形態を建設工事共同企業体とする場合は、原則として共同企業体の構成員の全部または一部を地場企業とすることとしております。さらに業者登録に際し、工事の等級格付において地場企業に対する加点措置を講じております。加えまして、総合評価方式におきましても、地場企業のみが加点対象となる企業評価項目を設定するなどしているところでございます。以上でございます。 506 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 507 ◯47番(笠 康雄) 地場を優先していることはわかりました。  そこで、地域社会に貢献している地場の優良企業を公共工事の発注において、さらに優遇していくことが必要だと考えますが、そのような観点で現在どのような制度があるのか、お示しください。 508 ◯副議長(石田正明) 赤岩財政局長。 509 ◯財政局長(赤岩弘智) 福岡市におきましては、地場企業による福岡市や地域社会への貢献活動の促進等を目的として、社会貢献優良企業優遇制度を導入しております。優遇の具体的な内容につきましては、指名競争入札における指名回数の優遇、制限つき一般競争入札における入札参加資格要件となる施工実績の基準の緩和、総合評価方式における企業評価項目での加点などとなっております。なお、現在は保健福祉局所管の障がい者雇用促進事業、環境局所管の環境配慮型事業、市民局所管の次世代育成・男女共同参画支援事業の3事業について社会貢献優良企業を認定しているところでございます。以上でございます。 510 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 511 ◯47番(笠 康雄) 障がい者雇用や環境配慮などは社会的に重要な視点であり、これらの取り組みは大変評価しております。これらに加えて、正規雇用を促進している企業についても、公共工事の発注において優遇すべきであると考えますが、所見をお尋ねします。 512 ◯副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。 513 ◯経済観光文化局長(重光知明) 御提案の公共工事の発注における正規雇用を促進している企業、積極的な企業の優遇制度につきましては、地域の正規雇用を促進する手法の一つとして、一定の効果が期待できると考えております。したがいまして、今後、他都市の事例なども参考にしながら、関係局と協議し、検討してまいります。以上でございます。 514 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 515 ◯47番(笠 康雄) これまで福岡市は、高島市長のリーダーシップを初めとする行政努力により、また、国の経済政策とも相まって、本市の経済は活気を取り戻しつつあると思います。中でも雇用情勢の指標の一つである有効求人倍率は、福岡地区では、昨年10月は1.09倍、ことし10月は1.32倍と大きく改善しています。  雇用情勢が改善した今、新たな課題は雇用の質の向上です。ぜひ、福岡市として正社員就職の支援や正規雇用がふえるような取り組みにさらに力を入れていただきたいと考えますが、最後に市長のお考えをお伺いし、この件についての質問は終わります。 516 ◯副議長(石田正明) 高島市長。 517 ◯市長(高島宗一郎) 福岡市におきましては、生活の質の向上と都市の成長の好循環、これを基本戦略として掲げまして、地域経済の活性化に向けて、中小企業の振興や創業支援、そして、観光・MICEの振興、さらに企業誘致などに取り組んでまいりました。こうした結果、平成22年度から26年度にかけての市税収入の伸び率は6.3%と政令市で1位となりますとともに、福岡地区の有効求人倍率は大きく伸びて、また、福岡市内の平成26年の従業者数は平成24年から4.3%、およそ3万6,000人も増加するなど雇用情勢は大きく改善をして、市民の生活の質の向上にも寄与しているものと考えております。  今後、都市の成長をさらなる生活の質の向上につなげて持続させていくためには、笠議員御指摘のとおり、雇用の質の向上、特に求職者の希望や経歴などに応じた正規雇用の増加を図っていくことが重要であるというふうに認識をしております。このため、御提案いただきました正規雇用に積極的な地場企業への優遇制度の検討を含めて、国や県とも連携をしながら、正規雇用の促進や正社員就職の支援にしっかりと取り組んでまいります。以上です。 518 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 519 ◯47番(笠 康雄) 次に、土砂災害警戒区域の指定に伴う住民への影響についてお尋ねします。  本市では、平成25年度に福岡県が市内全域で土砂災害防止法に基づき、土砂災害警戒区域並びに土砂災害特別警戒区域の指定を行っています。ある日突然、降って湧いたような土砂災害警戒区域の指定は、住民の皆さんにとってさまざまな不安要素となっています。  まず、いつ起きるかわからない土砂災害への漠然とした不安です。土砂災害警戒区域内の住民の皆さんは、いざ災害が発生したときにどのような避難行動をとればよいのか、十分に理解できているのでしょうか。土砂災害警戒区域内であっても、住宅の状況によっては屋外避難せず、自宅内の安全な場所に身を置いていれば難を逃れることが可能な場合もあると考えます。個々人の状況に応じたきめ細やかな対応が必要です。  また、今回の指定に当たり、特に土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンに指定された場所では、住宅を建てかえる場合、土砂災害時に想定される土石等の力に対して安全な構造にする必要があるため、普通に建てるよりも多額の費用負担が発生します。特に土砂災害特別警戒区域に指定された地域は市街化調整区域が多いようですが、建物の建築に制約がある市街化調整区域では、住居を近隣に移転するにしても簡単な話ではありません。このように、土砂災害特別警戒区域内の住民の皆さんにとっては、生活にさまざまな影響が出てくるわけであります。そこで、この土砂災害特別警戒区域内に居住する住民に対して、公的支援や税制面での配慮、建築規制の緩和などが必要ではないかと考えます。  そこで、まずは土砂災害防止法の制定の経緯並びに警戒区域と特別警戒区域の違いについてお尋ねします。 520 ◯副議長(石田正明) 井上市民局長。 521 ◯市民局長(井上るみ) 土砂災害防止法につきましては、平成11年6月に広島市、呉市を中心とした集中豪雨により土砂災害が発生し、死者31名という甚大な被害が発生しましたことを契機に、土砂災害から国民の生命及び身体を保護するため、土砂災害が発生するおそれがある土地の区域を明らかにすることなどを目的として、13年4月1日から施行されております。  また、土砂災害警戒区域とは土砂災害のおそれがある区域であり、土砂災害特別警戒区域とは土砂災害警戒区域の中で建物の損壊など大きな被害が生じるおそれがある区域のことでございます。以上でございます。 522 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 523 ◯47番(笠 康雄) 次に、本市における各区ごとの土砂災害特別警戒区域の住宅戸数についてお尋ねします。 524 ◯副議長(石田正明) 井上市民局長。 525 ◯市民局長(井上るみ) 各区ごとの土砂災害特別警戒区域内の住宅戸数につきましては、平成25年10月から27年5月にかけて福岡県が区域の告示を行ったものでお答えいたしますと、東区が1,169戸、博多区51戸、中央区718戸、南区305戸、城南区124戸、早良区996戸、西区914戸の合計4,277戸でございます。以上でございます。 526 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 527 ◯47番(笠 康雄) また、過去、市内において人命にかかわるような土砂災害があれば、その内容についてお尋ねします。 528 ◯副議長(石田正明) 井上市民局長。 529 ◯市民局長(井上るみ) 人命にかかわる土砂災害の発生状況につきましては、昭和38年6月に梅雨前線の北上に伴う集中豪雨により、旧早良郡早良町において死者3名、被災家屋768戸という大規模な土石流が発生しております。以上でございます。 530 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 531 ◯47番(笠 康雄) まず、災害発生時の住民のとるべき避難行動についてです。  市は、土砂災害警戒区域及び特別警戒区域内の住民に対して、ハザードマップの配布や出前講座などで周知を図っていると聞いていますが、まだまだ住民の理解は不十分なようです。災害発生時において、住民が適時、的確な避難行動がとれるよう、もっと具体的かつ実践的な対応が必要だと考えますが、本件について当局のお考えをお尋ねします。 532 ◯副議長(石田正明) 井上市民局長。 533 ◯市民局長(井上るみ) 災害時の対応につきましては、市民一人一人がみずからの判断により主体的に避難行動がとれるようわかりやすく避難情報を発信することや、平常時において知識と情報を提供していくことが重要であると考えております。平成27年度からは、土砂災害の専門家を地域に招いて、ハザードマップを活用し、住民参加型のワークショップの開催や、実際の危険箇所や避難経路を確認するフィールドワークを実施するなど、より実践的な対応が行われるような取り組みを進めております。以上でございます。 534 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 535 ◯47番(笠 康雄) 避難行動については、平成27年度から新規事業を実施されているようですが、そもそも避難場所は大丈夫なのでしょうか。市は、平成26年度に避難場所の適合性調査を行われていますが、本市の中で土砂災害の避難場所として不適合なところは何カ所あったのか、お尋ねします。 536 ◯副議長(石田正明) 井上市民局長。 537 ◯市民局長(井上るみ) 平成26年度に公民館や小中学校の体育館など計425カ所の避難場所の適合性調査を実施し、平成27年3月に結果を取りまとめたところでございます。その結果、土砂災害に適さない避難場所が8カ所でございました。以上でございます。 538 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 539 ◯47番(笠 康雄) 調査の結果、不適合な避難場所が8カ所あるということですが、市としていかなる対応を考えてあるのか、お尋ねします。 540 ◯副議長(石田正明) 井上市民局長。 541 ◯市民局長(井上るみ) 今回の調査の結果、土砂災害に適さないと判明した避難場所につきましては、土砂災害の避難場所としての指定は行わず、土砂災害発生時には同じ校区内にある安全な指定避難場所へ誘導することといたしております。また、平成27年7月に土砂災害に適さない避難場所を明示したハザードマップを土砂災害警戒区域の皆様に配布いたしております。さらに、平成27年度中に土砂災害の避難場所としての適否の表示を行いますとともに、しっかりと区役所と連携し、周知を図ってまいります。以上でございます。 542 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 543 ◯47番(笠 康雄) 土砂災害警戒区域及び特別警戒区域における避難のあり方については、よりきめ細かな対応を今後も検討されて、住民の不安を解消していただくよう要望しておきます。  次に、土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンの指定に伴う住民への影響等について、幾つかお聞きいたします。  土砂災害特別警戒区域に指定された土地で住宅を建築する場合、外壁などを鉄筋コンクリート構造にしたり、土砂の衝撃を遮る門や塀を設置するなどさまざまな対策工事が必要となり、通常の住宅建築と比較して数百万円単位で費用負担が増加することになります。これらの対策工事を個人で実施するには、経済的な負担が大きく、困難ではないかと懸念しています。  そこで、対策工事に当たり、補助制度や融資制度などの公的支援、または行政が実施して土砂災害特別警戒区域を解除するなどの対応ができないのか、お尋ねします。 544 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 545 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 対策工事に対する公的支援につきましては、まず、個人や民間事業者が行う場合の補助制度は現在のところございません。融資制度につきましては、災害対策基本法に基づく危険宅地に対して市長の防災指導を受けたものについて、擁壁の設置などの宅地防災工事または復旧工事を行うために必要な資金の融資を行う宅地防災工事融資制度があり、活用ができる場合があります。行政による対策工事につきましては、現在福岡県が実施しており、土砂災害特別警戒区域において、地域からの要望に基づき、県が詳細調査を行った上で急傾斜地崩壊対策事業や砂防事業が実施され、土砂災害を防止するための必要な措置が講じられれば指定が解除されるものと考えられます。以上でございます。 546 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 547 ◯47番(笠 康雄) 今の答弁をお聞きすると、やはり個人の負担で工事を行うか、土砂災害特別警戒区域の指定がない安全な場所へ移転するしかないと思われます。自力で対策工事ができない方々は、安全な場所への移転を促進すべきと考えますが、その移転に対して補助制度など公的支援はないのか、お尋ねします。 548 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 549 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 移転に対する補助につきましては、土砂災害防止法により土砂災害特別警戒区域に存在する建築物について、福岡県知事による移転の勧告が行われた場合は、市は国の補助制度を活用し、移転費の補助を行うことができます。以上でございます。 550 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 551 ◯47番(笠 康雄) このように、土砂災害特別警戒区域の指定により、区域内で暮らす住民の皆さんにとっては住宅を建てるにも制約があり、引っ越しして売却するにも売りにくい、結果、資産として活用しにくい土地になっています。  そこで、土砂災害特別警戒区域に指定された土地に対する固定資産税についても何らかの配慮が必要と考えますが、どのようになっているのか、お尋ねします。 552 ◯副議長(石田正明) 赤岩財政局長。 553 ◯財政局長(赤岩弘智) 福岡市におきましては、土砂災害特別警戒区域に指定された土地の固定資産評価額を当該土地の状況に応じて減額できることとしておりまして、例えば、崖地などにおきましては、固定資産評価額を最大で55%減額できる措置を講じているところでございます。以上でございます。 554 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 555 ◯47番(笠 康雄) レッドゾーンに指定された宅地を誰が買ってくれるでしょうか。土地の資産価値は、ほぼゼロになってしまうのが現実ではないでしょうか。固定資産税も実態に即した評価とすべきであると申し述べておきます。  また、私が住んでいる西区においては、かなり広い範囲が市街化調整区域になっており、その中にも数多くの土砂災害特別警戒区域が指定されています。市街化調整区域においては、厳しい建築の制約があるため、近隣への移転も自由にならないと心配しておりますが、どういう条件ならば移転が可能なのか、お尋ねします。
    556 ◯副議長(石田正明) 馬場住宅都市局長。 557 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 建物の移転につきましては、市街化調整区域内において土砂災害特別警戒区域に存在する建築物については、土砂災害防止法第25条に基づき、福岡県知事により移転の勧告が行われた場合は市の条例により移転を可能としております。また、農業従事者においては、原則許可を受けずに建築が可能となり、また、市街化調整区域に区分された日以前から当該集落に住まわれている方の子どもなど、いわゆる分家につきましては、指定既存集落内やその集落の隣接地において建築が可能となる場合があります。しかしながら、このような条件に該当しても、近隣に移転の適地がないなどにより一部には移転が困難な場合もあると考えられます。以上でございます。 558 ◯副議長(石田正明) 笠康雄議員。 559 ◯47番(笠 康雄) 住民の方々がみずから実施する対策工事には、今のところ補助制度もなく、移転に当たっての補助制度についても条件が大変厳しく、私は使いやすいものになっていないと考えます。また、固定資産税の減額補正についても、住民感覚とはかなりの差があり、今後も実情に合った制度になるよう検討することを要望しておきます。  また、土砂災害警戒区域の指定に伴う住民への影響について、るる質問してまいりましたが、最後に関係住民へ高額な経済負担を強いる土砂災害特別警戒区域の指定について私の思いを述べて、この質問を締めくくりたいと思います。  平成11年に広島市と呉市で発生した土砂災害の惨事を受けて土砂災害防止法が制定されたという法の趣旨は理解できますが、全国に52万カ所もあると言われている土砂災害の危険箇所を、地質調査も行わず、地形的な要件などで一くくりにして網をかけるというのは、いささか乱暴なやり方ではないかと思うところであります。  土砂災害警戒区域は、土砂災害のおそれがある場所を関係住民に知らしめ、不測の災害に備えさせるという点で意味のあることだと思いますが、一方、いつ起きるのかという、これといった確証もない中で、住宅の新築時や建てかえ時に高額な経済負担を強いる土砂災害特別警戒区域の指定は、住民感情からいってもかなり乱暴な手法ではないでしょうか。  先ほど当局からの答弁にもありましたように、過去、福岡市において人命にかかわるような土砂災害は数えるほどしか起こっていないという厳然とした事実があることからしても、なおさらのことだと思います。市長におかれましては、市街化調整区域の活性化については、本市の重要施策の一つとして強く取り組んでいただいていることに対し、高く評価しているところであります。しかしながら、一方で、国と県の定めによりこのように調整区域の活力を減少させるような深刻な問題が存在していることを御理解いただき、改めて市として何ができるのか、例えば、補助制度や融資制度等の公的支援、さらには市街化調整区域内の移転先の確保に向けて最大限の努力をしていただくことを強く要望し、私の質問を終わります。市長、よろしくお願いします。 560 ◯副議長(石田正明) この際、休憩し、午後3時10分に再開いたします。                                         午後2時57分 休憩                                         午後3時10分 開議 561 ◯議長(おばた久弥) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。富永周行議員。 562 ◯44番(富永周行)登壇 私は、福岡維新の会を代表しまして、生活保護費の不正受給に対する取り組みについて、また、小児へのインフルエンザ予防接種費用の助成について質問してまいります。  まずは生活保護費の不正受給への取り組みについて、どのように取り組んでいくのか質問してまいります。  昨年の12月議会においても同じような質問をしましたが、1年を経過し、本市がその後どのように取り組んできて、成果はどうなっているのかを改めて問うてまいります。  まず、生活保護制度については、言うまでもなく生活に困窮する方々に対して、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とした制度で、最後のセーフティネットであり、病気やけが、心身の障がいのために働きたくても存分に働けなかったり、働き口がなかったり、働いても収入が乏しく生活に困窮する方を支援する制度として、我が国にとって必要な制度であるという認識と思いは変わっておりません。生活に困窮する場合に生活保護を受けることは国民の権利であるとともに、一方で働いて得た収入やその他で得た収入、資産、世帯状況の変化について届け出の義務があったり、能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図り、生活の維持向上に努める生活上の義務や、福祉事務所から生活の維持向上など保護の達成に必要な指導や指示があった場合には、それに従う義務があることが生活保護法によって定められています。近年は、平成20年秋の世界的な金融不安の高まりの要因となったリーマンショックとともに、雇用情勢の急激な悪化により、派遣切りなどで職を失った方々が急増したことなどで受給者が急増し、厚生労働省の発表によると、ことし7月に生活保護を受給した世帯が162万8,905世帯になり、過去最多を更新、また受給者は約216万5,000人とされており、本市でもここ数年の生活保護者は増加傾向にあります。  そこでまず、本市における直近5年間の受給者数と支給総額をお示しください。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問してまいります。 563 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 564 ◯保健福祉局長(野見山 勤) まず、直近5年間の生活保護費の受給者数と決算額でございます。  平成22年度は3万7,873人で702億9,885万円余、23年度は4万510人で749億6,063万円余、24年度は4万2,722人で784億418万円余、25年度は4万3,571人で794億5,952万円余、26年度は4万3,899人で803億5,024万円余となってございます。以上です。 565 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 566 ◯44番(富永周行) お答えいただいたように生活保護の受給者と決算額は年々増加しています。  それでは、不正受給についてはどうなっているのか、ここからは生活保護費の不正受給について質問してまいります。  そもそも生活保護費の不正受給とは、受給者がどのようなことを行った場合に適用されるのか、また不正受給者にはどのような処罰が与えられるのか、改めて確認させていただきます。 567 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 568 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 生活保護費の不正受給につきましては、生活保護法第61条により、被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があったとき、または居住地もしくは世帯の構成に異動があったときは、速やかに福祉事務所にその旨を届け出る必要がありますが、届け出を正しく行っていない、もしくは怠った場合などに不正受給として費用の徴収を行っているところでございます。具体的には、稼働収入や年金、預貯金の無申告、世帯員転出の無届けなどがございます。  不正受給者に対する処罰については、生活保護法第85条により、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処するとされております。また、同法第78条により、不正受給の徴収金に加え、徴収金に100分の40を乗じて得た額以下の金額を加算して徴収できることとされてございます。以上です。 569 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 570 ◯44番(富永周行) では、本市における直近5年間の生活保護費の不正受給の件数と金額及び5年間の合計額をお示しください。 571 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 572 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 直近5年間の生活保護法第78条を適用した件数、金額及びその合計額でございます。  平成22年度は940件、3億4,161万円余、23年度は1,402件、4億7,594万円余、24年度は1,521件、4億5,899万円余、25年度は1,552件、4億2,346万円余、26年度は1,430件、4億2,171万円余、5年間の合計は6,845件、21億2,174万円余となってございます。以上です。 573 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 574 ◯44番(富永周行) 昨年も同じ質問をさせていただいたんですけど、そのときは25年度以前の5年度間では増加の一方であったんですが、26年度は件数、金額とも若干ですが減少はしています。しかし、まだまだ多いと感じております。  では、本市における不正受給には昨年度はどのようなものがあったのか、主な要因と件数、金額をお示しください。 575 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 576 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 法第78条を適用し、費用徴収を求めたものの主な原因と件数でございます。  平成26年度は、稼働収入の無申告が679件で1億9,353万円余、各種年金等の無申告が218件で6,110万円余となってございます。その他、稼働収入の過少申告、預貯金の無申告や世帯員転出の無届けなどがございます。以上です。 577 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 578 ◯44番(富永周行) 無申告ということは、申告の忘れとかもあったのかもわかりませんが、これも是正していただきたいと思います。  昨年の同じ質問と答弁では、25年度は1件当たりの不正受給額が約27万円でありました。そのことと比較すると、昨年度、平成26年度は1件当たり約29万5,000円と増加しています。早期発見の仕組みづくりなど新たな対策を講じることを改めて強く要望しておきます。  本市としても、今後、不正受給をなくすために取り組みを強化する必要があることとあわせて、不正受給があった場合、市民の税金から成る公金である以上は返還してもらう義務、つまり本市が徴収しなければなりません。  そこで、直近5年間の徴収額と合計額をお示しください。 579 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 580 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 最近5年間の収入済額でございます。  平成22年度は1億7,442万円余、23年度は2億160万円余、24年度は2億41万円余、25年度は2億2,192万円余、26年度は2億725万円余、合計で10億563万円余となってございます。以上です。 581 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 582 ◯44番(富永周行) 直近5年間の不正受給額の総額が約21億2,174万円であるのに対して、徴収額は約10億563万円と約47.4%の徴収率であり、50%以上もの不正受給を回収できていないのが現状です。いまだ不正受給額に対して徴収率が非常に低く、不正した者に対しては厳しく徴収する必要があると考えます。  そこで、今現在、本市は不正受給をどのように徴収しているのか、お尋ねします。 583 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 584 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 不正受給に対する徴収金につきましては、一括納付を原則としておりますが、一括での支払いが困難な場合には、分割納付を認めるとともに、本人の同意を得て、できるだけ保護費から控除する方法で徴収に努めているところでございます。以上です。 585 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 586 ◯44番(富永周行) 先ほどは単年度においての未徴収額について尋ねてまいりましたが、では、これまでの不正受給額の過年度分の積み上げは合計で幾らになっているのか、また、この過年度分について、本市はどのように対処しているのか、お示しください。 587 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 588 ◯保健福祉局長(野見山 勤) まず、過年度分の未徴収額につきましては、平成26年度で6億1,754万円余となってございます。  この過年度分の未徴収分につきましては、納付期限到来後、支払いの督促、催告に加えて、一括での支払いが困難な場合には、支払方法の相談にも柔軟に応じるなど徴収に努めておりますが、回収できない場合は、5年で債権が時効消滅するため、不納欠損処理を行ってございます。以上です。 589 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 590 ◯44番(富永周行) 5年で時効が消滅するということで、もう既に本年度は平成21年度か22年度分の回収というのがもうできないということです。  では、直近5年間の不納欠損処理額をお示しください。 591 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 592 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 直近5年の不納欠損処理額でございます。  平成22年度は5,631万円余、23年度は7,362万円余、24年度は5,700万円余、25年度は6,255万円余、26年度は6,420万円余、合計は3億1,369万円余となってございます。以上です。 593 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 594 ◯44番(富永周行) 先ほどの徴収率と同じように、徴収できた不正受給に対して余りにも不納欠損額の割合が高く、これが市民の税金から成っている以上は、これまで以上に厳しく債権回収に努める必要があると改めて考えております。不正受給の事件の報道が多いため、正当な受給をされている方も偏見や誤解を受けている事例もありますが、そのような差別は絶対にあってはならず、また、本市の財政状況を鑑みても年間の不正受給額は決して少なくありません。何より市民の税金から成る公金から支給している以上、市民の納得も得られないものであり、看過できず早急に改善すべき問題であることは昨年も申し述べたとおりです。さらに効果的で効率的な債権回収に努めるなど、不正受給があった場合にどのように対処していくのかと同様に、不正受給をさせないための取り組みや、悪質な不正所得に関しては厳しい罰則もあわせて必要だと考えます。  この質問の最後に、生活保護費の不正受給について本市の今後の取り組み方や考え方、決意をお尋ねします。 595 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 596 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 生活保護の不正受給につきましては、市民の生活保護制度に対する信頼を確保するためにも、厳正に対処すべき課題であると認識してございます。  本市における取り組みでございますが、まず、生活保護を受給している方に対しては、最低生活の保障について配慮しながら、確実に納付が行われるよう指導してございます。また、生活保護を廃止になった方については、国の方針も踏まえ、督促以外の年1回以上の納付指導や催告を行うとともに、転居や死亡の場合には、居住地の把握や相続人調査を行うなど、継続的な納付指導に努めております。  今後とも、不正受給の防止や不正受給が行われた場合の債権回収に全力で取り組んでまいります。以上です。 597 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 598 ◯44番(富永周行) ぜひこれまで以上にしっかりよろしくお願いします。  では次に、小児へのインフルエンザ予防接種費用の助成について質問してまいります。  ことしも12月半ばとなり1年が終わろうとしていますが、寒さも厳しくなりこれからの時期、ますます風邪などが心配されますが、毎年冬の時期になると全国的に猛威を振るうインフルエンザの流行が懸念されます。インフルエンザは、そのウイルスによって起こるウイルス性呼吸器感染症で、全世界中で、また年齢に関係なく感染する最も頻度の高い重要な病気であり、特に小児と高齢者で重症化しやすいとされています。インフルエンザは普通の風邪と違い、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気で、38度以上の発熱や頭痛、筋肉痛、関節痛などの症状が突然あらわれ、あわせて普通の風邪と同じように、喉の痛みや鼻水、せきなどの症状も見られ、高齢者や免疫力が低下している方がインフルエンザにかかると肺炎になったり、子どもがかかると、まれに急性脳炎を伴い重症になる場合もあるとされています。また、インフルエンザには流行性があり、一旦流行が始まると、短期間のうちに多くの人へ感染が広がることも非常に脅威で、日本では毎年12月から3月ごろまで流行しています。インフルエンザにはさまざまな型があり、平成21年には新型インフルエンザが流行しましたが、また新たな新型インフルエンザウイルスがいつ出現するのかを予測することはできず、また、どのような特徴を持っているのかもわかりませんが、一般的には、抗体を持つインフルエンザウイルスが季節性インフルエンザウイルスと呼ばれ、大きくA型、B型、C型に分類され、国内で流行しているものはA型とB型だと理解しています。皆さん御存じのように、このインフルエンザはせきやくしゃみ、唾などのしぶきとともに放出されたウイルスを鼻腔から吸引したり、飛び散ったウイルスが付着したものを手で触ると、鼻や口、目や肌などを介して感染するために、インフルエンザに対する予防が非常に重要となってきます。予防の有効な方法としては、マスクをしたり、外出後にはすぐに手を洗ったり、人混みや繁華街への外出を控えたりなどのさまざまな方法がありますが、最も有効な方法として、流行前にインフルエンザワクチンを接種することだと考えます。このインフルエンザの予防接種は、感染前に発病する可能性を低減させる効果とあわせて、インフルエンザにかかった場合の重症化防止に有効であると報告されており、日本でもワクチンを接種する方が増加していると聞いています。  そこで、今現在、インフルエンザの予防接種はどのような制度になっているのか、お尋ねします。 599 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 600 ◯保健福祉局長(野見山 勤) インフルエンザの予防接種につきましては、予防接種法において、特に症状が重症化しやすい高齢者に対しての接種が、市町村に実施義務がある定期予防接種として位置づけられております。  定期予防接種の対象年齢外の方につきましては、個々に任意の予防接種として接種することになりますが、接種回数は、生後6カ月以上の方から13歳未満の方は2回、13歳以上の方は原則1回となってございます。接種時期としましては、本格的な流行シーズンを迎える前の10月から12月中旬までに接種することが推奨されております。以上です。 601 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。
    602 ◯44番(富永周行) 私は、昭和49年生まれなんですが、私たちの小学生時代は、学年単位で体育館に集まったり、学級ごとに保健室に集まってインフルエンザの予防接種を、いわゆる集団接種で接種していました。しかし、私が成人になるかならないかの時期ぐらいから法が改正され、集団接種ではなく、いわゆる個人接種へと転換されたと記憶しています。  私が子ども時代に受けていた予防接種は集団接種ということもあり、全員が義務的に接種していた印象がありますが、先ほどの答弁によると、現在の小児のインフルエンザ予防接種は任意接種と位置づけられているとのことです。  では、小児のインフルエンザ予防接種は予防接種法によって、私が子ども時代に受けていたような義務的接種から現在の任意の接種にどのような理由や経緯で移行したのか、お示しください。 603 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 604 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 小児のインフルエンザ予防接種につきましては、まず、昭和37年に社会防衛を目的とした当時の国のインフルエンザ特別対策に基づき、行政指導による予防接種として開始され、その後、昭和51年に予防接種法に基づく予防接種に位置づけられました。  予防接種の対象者は、小学校、中学校、幼稚園及び保育所の児童とされ、集団接種により実施されております。  その後、平成5年に厚生労働省の諮問機関である公衆衛生審議会において、予防接種制度のあり方について議論がなされ、小児のインフルエンザ予防接種については、社会全体の流行を抑止するほどの客観的な事実は存在しない。あくまで個人による発病予防、重症化予防のために接種することが望ましいとの見解が示されたことから、平成6年に予防接種法の対象から除外され、現行の任意接種となっております。  なお、平成13年11月に予防接種法の改正があり、当時のインフルエンザによる高齢者の肺炎の併発や死亡の状況などを背景に、高齢者に限って、インフルエンザ予防接種が定期予防接種に位置づけられており、現行の一部公費負担による高齢者インフルエンザ予防接種事業が開始されたところでございます。以上です。 605 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 606 ◯44番(富永周行) 任意接種になった経緯や理由はよくわかったんですけど、現在のインフルエンザ予防接種の効果の認識については後ほど問うこととしまして、先ほどの答弁にあったように、国は小児のインフルエンザ予防接種については、社会全体の流行の流れを抑止するほどの客観的な事実は存在しないとしていますが、集団接種から任意接種へと制度が移行してからも、会社や学校などでもインフルエンザは毎年のように猛威を振るっており、また本年も早速、9月から東京都などでインフルエンザによる学級閉鎖が報告されています。  そこで、今回は特に小児へのインフルエンザ予防接種について質問をしていく上で、昨シーズン市内で学級閉鎖等があった施設の区分ごとの学級閉鎖数や学年閉鎖数、休校数、あわせて閉鎖日数をお示しください。 607 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 608 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 昨年度、平成26年度のシーズンにおきまして、福岡市内でインフルエンザによる休校数は、幼稚園が3園、障がい児通所施設が1施設の合わせて4施設でございます。  学年閉鎖数につきましては、幼稚園が3園、小学校が6校、中学校が7校の、合わせて16施設でございました。  学級閉鎖数につきましては、幼稚園が31園、小学校が90校、中学校が24校、高校が3校、専門学校が2校、障がい児通所施設が2施設の合わせて152施設でございました。  閉鎖日数につきましては、合計527日で閉鎖1回当たり平均2.35日となってございます。以上です。 609 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 610 ◯44番(富永周行) 昨年のシーズンでも多くの子どもたちがインフルエンザに感染して、幼稚園や小中学校を休まざるを得なくなったことがわかりますが、では次に、インフルエンザに感染した子どもたちの患者数がどのように推移しているのかについて尋ねます。その前に、ワクチンの接種率の推移の推計を見ていきたいと思います。  法が改正される以前の、子どもが義務的にインフルエンザの予防接種を受けていた時代と比べると、子どものインフルエンザ予防接種率が低下しているのは簡単に推測されますが、個々の任意接種となったことから、各地方自治体や国は、定期予防接種を義務づけられていない方の接種状況などの状況把握は難しく、本市でも小児のインフルエンザ予防接種率は把握できていないものと認識しています。そこで、健康や福祉問題を研究されている日本公衆衛生学会が、我が国のインフルエンザ予防接種率を推計としてデータを発表されていますので、このデータを小児のインフルエンザ予防接種率の参考とさせていただきます。  全国のインフルエンザワクチンの使用実績のある医療機関などから、無作為に抽出した約3,300から7,500の医療機関などを対象に、平成12年から22年シーズンにわたってインフルエンザワクチンの接種状況や使用状況の調査を行い、このデータをもとに全国のインフルエンザワクチンの接種者数と接種率を推計しているデータです。接種率の推移や動向を考える上で一定の参考になると思いますので、13歳未満の小児の接種率のみを見てみましたが、これによると、平成12年から13年にかけては12.4%と低い接種率だったものの、年々接種率は増加傾向にあり、平成15年から16年にかけては30%を超え、20年から21年かけては約54%、22年、23年にかけては約59%の接種率まで上昇し、近年では定期予防接種が義務づけられている65歳以上の高齢者と同程度の接種率まで増加しているとされています。  このように子どもの予防接種率が増加している近年、15歳未満の小児のインフルエンザ患者はどの程度報告されているのか、また死亡事例はあるのか、過去3年間におけるデータをお示しください。 611 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 612 ◯保健福祉局長(野見山 勤) まず、インフルエンザ患者報告書につきましては、感染症発生動向調査におきまして、市内51カ所の定点医療機関による届け出制となっております。  過去3年間の15歳未満の患者届け出数で申し上げますと、平成24年が1万7,905人、平成25年が1万1,789人、平成26年度が2万595人となっております。  また、死亡者数につきましては、厚生労働省のインフルエンザ関連死亡者迅速把握事業におきまして調査されておりまして、過去3年間の流行シーズンの中での市内における15歳未満の死亡者数として、まず、平成24年度はゼロ、平成25年度は1人、26年度は1人と、それぞれ報告されてございます。以上です。 613 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 614 ◯44番(富永周行) 流行もあるんですね、この届け出患者数というのは変動がありますけど、毎年多いということに変わりなく、また、年によっては死亡するお子さんもいらっしゃるということで、ちょっと嘆かわしい数と思います。  インフルエンザワクチンの有効性については、今現在でもさまざまな議論がなされていますが、昨年12月に福岡市においても大規模な集会を開催された日本ワクチン学会が、平成24年に一つの調査結果を報告されています。報告された内容をかいつまむと、調査は三重県亀山市で、インフルエンザ流行期間におけるインフルエンザへの感染についてアンケート調査が行われ、その結果が報告されたものであります。  調査は、0.6歳から1.4歳までの未就園児、1.5歳から5歳までの園乳幼児、小学校1年生から3年生までの小学校低学年、4年生から6年生までの小学校高学年の階層で、インフルエンザ予防接種を未接種の子どもたちと2回接種した子どもたちのインフルエンザ感染のデータを集計したもので、園乳幼児、小学校低学年において2回接種した子どもたちのインフルエンザにかかった者の割合が低く、統計学的に有意な効果が認められたと報告されています。  そこで、インフルエンザ予防接種を管轄している厚生労働省においては、その効果をどのように捉えているのか、お示しください。 615 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 616 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 小児のインフルエンザ予防接種の効果につきましては、厚生労働省の新興・再興感染症研究事業において、多少の幅はあるものの、おおむね20%から50%の発症予防効果があったとの報告がなされており、さらには発症後の重症化を予防する効果があるとされているところでございます。以上です。 617 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 618 ◯44番(富永周行) 以前はこのワクチンの有効性もちょっと議論があったところですが、国もこういう考えを持っているということです。  平成6年度から任意の個人接種に移行後、低接種率だった小児のインフルエンザ予防接種は年々増加しているものの、義務的な集団接種の時代と比較しても、まだ約4割の子どもが接種していないことが推測されます。保護者が子どもにインフルエンザワクチンを接種しないことには、さまざまな理由があるとされています。インフルエンザ予防接種は効果がないと思われている、また、インフルエンザ予防接種による副反応が心配である、塾や習い事で放課後に病院に行って予防接種する時間がないといった理由で子どもにインフルエンザ予防接種をさせていない保護者もいらっしゃいますが、これは個々の考えや判断によるものなので今回の質問では問いませんが、一方で経済的に負担を感じるという理由でインフルエンザ予防接種を受けさせることができない家庭もあると聞いています。そのような家庭に、ことしからはさらに負担が増加しております。これまでのインフルエンザワクチンは、A型インフルエンザ2種類、B型1種に対するもので3価ワクチンと呼ばれるものでありましたが、ことしからは従来のものに、さらにB型インフルエンザに対応する株が一つ加わり、4価ワクチンとなっています。これによって流行するインフルエンザのタイプをほぼ網羅することができ、予防効果をさらに発揮することが期待されていますが、一方で製造コストがこれまでと比べて約50%上がったとされ、それがワクチン費用にも反映されております。  予防接種の費用は、それぞれの医療機関で運営費や人件費によって差が生じるのは知っておりますが、一人の児童がインフルエンザ予防接種1回につき払う費用は、これまではどの程度で、ことしからはどの程度になっているのか、お示しください。 619 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 620 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 小児のインフルエンザ予防接種につきましては、任意の予防接種であるため、各医療機関においてそれぞれ価格設定がなされるものでございますが、従来よりおおむね3,000円から5,000円の間で設定されているところでございます。  また今年度からは、より効果が高い4価ワクチンが導入されており、ワクチン単価を反映して、医療機関によっては、さらに500円程度増額されている状況がございます。以上です。 621 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 622 ◯44番(富永周行) インフルエンザ予防接種については、生後6カ月から13歳未満の子どもたちには、1シーズンで2回の接種が望ましいとされています。  ただいまの答弁から単純に計算すると、例えば、3人の中学生未満のお子さんをお持ちの家庭は、1シーズンで負担が1万8,000円から3万円ぐらいとなり、昨年までかかった費用より概算で3,000円程度の負担増ということになります。これでは予防接種を子どもに受けさせたくても、経済的な理由から受けさせることができない家庭も多く出てくるのではないかと懸念しております。  また、平成6年度以前の義務的な集団接種の時代における小児のインフルエンザ予防接種の費用については全額市の負担だったことを考えると、子どもを産めば産むほど負担とお金がかかる現在のインフルエンザの予防接種の制度について、この制度のままでいいのかと疑問も感じます。  一方、他都市を見てみると、任意接種となっている現行の制度の中においても、世田谷区や栃木市、焼津市、つくば市を初め、ほか多くの地方自治体が対象年齢や助成金額はそれぞれ違うものの、独自で小児へのインフルエンザ予防接種の助成を行っており、中には我孫子市のように、ことしのインフルエンザワクチンの値上がりを鑑みて、ことしより助成額の増額に踏み切った自治体もあります。  その中で、岐阜県高山市の助成制度の例を挙げさせてもらいます。  高山市では、平成21年に大流行した新型インフルエンザへの対処策として独自の助成制度が開始され、現在は、子育て世代への負担軽減や子どもたちの健康を考慮して、この助成制度がいまだ継続されているとのことです。対象者は、生後6カ月の乳児から中学3年生までとし、1回につき2,000円を助成し、13歳未満のお子さんは2回接種が望ましいとされていますので、その2回で合計4,000円の助成となる制度を行われています。昨年度は、約2,390万円の予算額を計上し、市内の対象に当たる子ども1万3,033人のうち6,419人、延べ回数で1万954回利用され、予算額の約95%に当たる2,276万円を執行されたとのことで、お子さんを持つ家庭に大変喜ばれている制度であるとのことです。  福岡市と高山市では、人口や人口構成や予算額、その使い道などは大きく異なりますので単純に比較はできないと思いますが、例えば、本市と同じ政令市で小児インフルエンザ予防接種の助成事業を行っている都市があれば、その制度内容と実績もあわせてお示しください。 623 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 624 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 政令指定都市において市独自に小児のインフルエンザ予防接種費用の助成事業を行っているのは、神戸市1市でございます。  神戸市は、満1歳から満12歳までの方を対象としまして、毎年2回の予防接種のうち1回分について、お一人1,360円を助成されてございます。神戸市によりますと、平成26年度に助成を受けた方は、対象者の約41%に当たる6万2,899人であったというふうに聞いてございます。以上です。 625 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 626 ◯44番(富永周行) 神戸市のたくさんの子どもたちがこの助成制度を利用されているということです。  また、先日の報道では、来年2月にも本市の人口が神戸市を抜いたことが判明するということでしたが、同程度の人口の神戸市の取り組みや数値は大変参考になると考えます。  対象者が生後6カ月から中学3年生までで、1人当たりの最大助成額が4,000円の高山市と同様の手厚い制度でなくても、都市としての規模が同程度の神戸市の小児インフルエンザ予防接種助成事業と同様の制度を例えば本市で行った場合、どのような試算になるのか、お示しください。 627 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 628 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 神戸市と同様の内容で福岡市において助成事業を実施した場合、満1歳から満12歳までの人口約16万4,000人を対象者数といたしまして、小児定期予防接種と同程度の接種率95%で試算をしますと2億1,188万8,000円、また高齢者のインフルエンザ定期予防接種と同程度の接種率50%で試算しますと1億1,152万円となります。以上です。 629 ◯議長(おばた久弥) 富永周行議員。 630 ◯44番(富永周行) 補足ですが、任意接種となって以降、インフルエンザ予防接種に関するデータが少ないと感じます。任意だから知らないということではなく、医療機関や学校へのアンケートなどで接種率とかその効果、接種しない理由であったりとか、他都市と比較してどうなのか、そういうことを把握するための調査研究を要望しておきます。  先ほどの答弁で、福岡市が神戸市と同じような助成を行った場合、大体1億円から2億円の費用ということですが、都市の成長も重要ではあるんですけど、将来の福岡市を担う子どもたちに健康に育ってもらうことがさらに重要だと考えます。先日いただきました冊子で福岡市人口ビジョンというものがありましたが、その中でも、理想より実際の子どもが少ない理由として、実に55%以上の方が子育てにお金がかかるから実際の子どもが少ないと答えていらっしゃいます。そのような方々の不安や負担を少しでも軽減し、市長が常々公言されている子どもを生み育てやすいまちに福岡市が真になるためにも、ぜひ本市においてもこの小児インフルエンザ予防接種助成制度を実施していただくよう強く要望いたしますが、最後に本市の考えをお聞きして、私の質問を終わります。 631 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 632 ◯保健福祉局長(野見山 勤) インフルエンザ予防接種についてでございます。  御提案ございますが、社会全体の流行を抑止するほどの効果が現在期待できるものではなく、個人がみずからの発病や重症化を予防するために行う任意接種となっているという現状がございます。  福岡市といたしましては、引き続き、症状が重症化するリスクが特に高く予防接種の効果が大きい高齢者に対しまして、予防接種費用を助成するとともに、小児のインフルエンザに関しましては、保護者を含めて、手洗いやマスク着用などによるせきエチケットなどのインフルエンザ予防法についての啓発を徹底してまいりたいと、そういうふうに考えてございます。以上でございます。 633 ◯議長(おばた久弥) 稲員稔夫議員。 634 ◯12番(稲員稔夫)登壇 質問に入ります前に、一言御挨拶を差し上げたいと思います。  私は、中央区選出の自由民主党福岡市議団の稲員稔夫でございます。当選後初めての質問になりますが、一生懸命頑張りますので、最後まで御清聴のほどよろしくお願いいたします。  それでは、質問に入らせていただきます。  私は、自由民主党福岡市議団を代表しまして、薬物依存症対策について、福岡城再整備とセントラルパーク構想について質問をいたします。  まず初めに、薬物依存症対策について始めます。  警察庁の平成26年の薬物・銃器情勢によると、平成26年の薬物事犯の検挙人員は1万3,121人です。そのうち覚醒剤事犯の検挙人員は1万958人で薬物事犯の83.5%を占めています。また、覚醒剤事犯の再犯者数は7,067人で、その構成比率は64.5%と高く、40歳以上の中高年層における覚醒剤の強い依存性がうかがえます。  覚醒剤を初めとする薬物依存からの回復には本人の努力だけでなく、地域の関係機関による専門的な支援が必要ですが、薬物依存症者に対する専門的な支援を行う機関が極めて少なく、そういった状況にあります。  また、平成28年6月までに、薬物事犯者を主な対象とする刑の一部の執行猶予制度が導入されることに伴い、多くの薬物事犯者が保護観察に付されることが見込まれますが、これらの者に対し、再犯防止のための指導を実施するとともに、保護観察の終了後も見据え、保護観察所と地域の医療、保健、福祉機関及び民間支援団体との有効かつ緊密な連携体制の構築が望まれ、本市としても支援が不可欠であります。  そのほかに福岡市では、危険ドラッグを初めとする薬物乱用防止のため、大学と連携した啓発活動のほか、毎年「NO DRUG,KNOW DRUG」薬物乱用防止キャンペーンを実施しておりますが、今後は薬物依存の状態となっている人に対する対策も非常に重要であると考えます。  規制されている薬物を使用することは、犯罪行為であると同時に、乱用すれば薬物依存症となり精神的に苦しむこととなりますが、私はこの方々も一市民であるということを改めて認識し、刑事処分の対象となったことに伴う偏見や先入観を排して社会全体で薬物依存からの回復と社会復帰を支援することが必要だと思います。  平成23年度厚生労働省患者調査では、薬物依存症患者は3万5,000人であり、一方、厚生労働科学研究においては、病院を受診していない人も含めると薬物依存症者は約10万人と推計されています。  そこで、まず、薬物依存症とはどのような病気で治療法はどのようなものかをお尋ねいたします。  薬物依存症者が医療機関を受診しないという背景には、患者本人や家族が依存症という病気の認識を持ちがたいことや、どこに相談してよいかわからない場合があること、依存症に対応できる医療機関の数が不足していること、依存症の回復が困難なため治療が中断しやすいことなど、さまざまな原因があると言われております。  そこでお尋ねしますが、福岡市役所における薬物依存症相談は、どこでどのように行っているのか、また実績がわかれば過去の3年間の実績をお示しください。さらに相談を受けた後、本人や家族へ行う支援の内容をお尋ねします。  次に、福岡城再整備とセントラルパーク構想についてお尋ねします。  福岡は古くから大陸との交流窓口として鴻臚館が設けられるなど、外交、貿易の拠点であり、経済や文化など、さまざまな分野でアジアとの多様で緊密な交流の歴史を築いてきました。  近年では、外国人観光客も増加しており、本市の入り込み観光客数は、平成23年は1,678万人、24年は1,740万人、25年は1,782万人と、2年連続で過去最高を更新しております。  しかしながら、この観光客の多くは、キャナルシティや天神などの商業施設に向かうことに集中しており、福岡の歴史や伝統文化に触れる機会は少なく、本市が有する貴重な歴史資源が認知されているとは言いがたい状況にあります。  福岡市では、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを基本戦略として掲げ、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市を目指して、まちづくりを進めておられますが、都市の成長の実現に向けては、観光・集客の視点に立った戦略的なまちづくりの推進も必要であり、その戦略上、特に重要となるのが、本市が有する貴重な歴史資源を積極的に整備し活用することではないかと考えます。  400年前に福岡の礎を築いた福岡城は、黒田官兵衛の息子である長政が1607年に築城しており、本市にとっての貴重な歴史資源となっておりますが、城を象徴するやぐらや門などの歴史的建造物については、当時50以上もあったものが、現在ではわずかしか残っておりません。昨年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の放映で全国的に知られる存在になった福岡城について、速やかに復元整備を進める必要があると考えます。
     私の父は折に触れ、福岡城の早期再整備と活用について提言を行ってまいりました。その甲斐もあって、昨年6月にようやく福岡城を整備するための計画である福岡城跡整備基本計画が策定をされ、いよいよ本格的な整備が始まるものと期待をしておりますが、石垣や長屋門の修復について成果が見られるものの、大きな進展が見られておりません。  そこで、現在、福岡城の建造物の再整備はどのように進められているのかについてお尋ねをします。  また、福岡城の建造物の整備については、福岡城が市民の宝となるよう市民一人一人の理解と協力を得ながら進めていくことが必要不可欠であると思います。昨年7月に、市民からの寄附金を福岡城整備の資金とすることを目的とした福岡城整備基金が創設をされました。その基金の目標額は幾らで、現在までに幾ら寄附金が集まっているのか、また、寄附を集めるために、これまでどのような取り組みを行ってきたのかについてお尋ねします。  それから、福岡城は国の史跡に指定されておりますが、史跡であると同時に舞鶴公園の区域にもなっております。  現在、舞鶴公園については、県が管理する大濠公園と一体的にセントラルパーク構想の取り組みが進められておりますが、セントラルパーク構想はどのような目的やコンセプトで進められているのか、その中で福岡城はどのように位置づけられているのかについてお尋ねします。  以上で1問目を終わりまして、2問目以降は自席にて質問いたします。 635 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 636 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 薬物依存症対策についてお答え申し上げます。  まず、薬物依存症とは、薬物の効果が切れてくると、薬物が欲しいという強い欲求が湧いてきて、その渇望をコントロールできずに薬物を使ってしまう状態で、自身が病気であることを認めないことが病気の特徴の一つと言われております。  原因は、脳内の神経系の異常であり、治療法としては、薬物の使用を断ち、再使用しないように自己コントロールし続けることしかございません。そのためには、精神療法の一種である認知行動療法を取り入れた医療機関、保健行政機関で治療することや民間の自助活動へ参加し、薬物を使わない新しい仲間をつくることが大切だというふうに言われているということでございます。  次に、薬物依存症の相談につきましては、主に精神保健福祉センターで、平成26年度まではこころの健康相談として行い、平成27年度からは薬物依存症の専門相談として精神科医、臨床心理士、精神保健福祉士による電話相談を行っており、さらに希望される方については、予約制で専門医師による面接相談を行っているところでございます。  精神保健福祉センターの相談実績としては、相談の延べ件数では、24年度17件、25年度20件、26年度49件、27年度は9月末現在で既に56件ということで、毎年増加してございます。  次に、相談を受けた後の支援につきましては、依存症の本人に対しては、必要により、薬物依存症に対する認知行動療法プログラムを実施している医療機関、精神保健福祉センターの薬物依存症回復支援プログラム、依存症の自助グループの紹介などを行っております。また、家族に対しては精神保健福祉センターの薬物依存問題を抱える家族のための教室を御案内しているところでございます。以上です。 637 ◯議長(おばた久弥) 重光経済観光文化局長。 638 ◯経済観光文化局長(重光知明) 福岡城再整備に関する御質問にお答えをいたします。  まず、福岡城跡の建造物の復元整備計画についてでございますが、平成26年6月策定の福岡城跡整備基本計画では、計画期間を15年と設定し、当初5カ年の短期計画の中で、潮見櫓の復元整備、多聞櫓の修復などを、その後、10年の中期計画の中で武具櫓の復元などを目指すことといたしております。計画の初年度である平成26年度には、上之橋御門の石垣の修理、旧母里太兵衛邸長屋門の修理、修復などを行っております。  また、今年度は潮見櫓の部材の調査を行っており、今後この成果をもとに設計等を行い、復元整備を進めてまいりたいと考えております。今後とも、福岡城跡整備基本計画に基づきまして、着実に復元整備を進めてまいります。  次に、福岡城整備基金についてでございますが、まず基金の目標額につきましては、基金設置後15年間で3億5,000万円を目指しております。  また、現在までの基金への寄附額でございますが、平成27年11月末現在で合計約1,274万円となっております。  次に、基金への寄附促進の取り組みでございますが、博物館、美術館を初めとします文化施設に募金箱、チラシを設置しますほか、さくらまつりなどの福岡城関連イベントを初め、各種イベントと連携しました募金、PR活動の実施、福岡城市民の会を初め、各種団体の総会、行事等でチラシ配布や会報等を通じたPR活動の実施、さらに県外の方々に対しましては、福岡県人会や福岡市出身者等が集まる東京懇話会などの機会を通じました募金、PR活動を実施してまいりました。  また、福岡城整備基金への寄附につきましては、ふるさと納税の適用を受け、福岡城オリジナルグッズなどのさまざまな記念品や税制上の優遇措置などを受けることができますため、このことにつきましても広くPRを行っているところでございます。以上でございます。 639 ◯議長(おばた久弥) 馬場住宅都市局長。 640 ◯住宅都市局長(馬場 隆) セントラルパーク構想の目的やコンセプトについてお答えいたします。  セントラルパーク構想は、都心に近い貴重な緑地空間である舞鶴公園と大濠公園の一体的な活用を図り、市民の憩いの場として、また歴史、芸術文化、観光の発信拠点となる公園づくりを目的としており、「時をわたり、人をつなごう。未来へつながる福岡のシンボルへ」を基本理念に、空間をつなぐ、時をたどる、にぎわいをつくる、みんなで育てるという4つの基本的な方向性で整備していくこととしております。  また、本構想における福岡城の位置づけにつきましては、福岡の歴史を体感し学べる場としていくため、鴻臚館とあわせて福岡城の復元整備を積極的に進めていくこととしております。以上でございます。 641 ◯議長(おばた久弥) 稲員稔夫議員。 642 ◯12番(稲員稔夫) ありがとうございます。2問目に入ります。  薬物依存症対策についてですが、ただいまの答弁で薬物依存症は薬で治すことはできないが、治療や自助グループへの参加で症状を抑え続けることはできるということを聞き、再乱用防止のために、依存症対策を推進することの重要性を確信いたしました。  また、依存症の本人や家族からの相談については、相談を受け、本人の回復に向け、必要に応じ医療機関、精神保健福祉センター、自助グループなどが支援していくと説明をいただきました。  そこで、精神保健福祉センターで行っている薬物依存症回復支援プログラムと薬物依存問題を抱える家族のための教室の内容と実績をお示しください。  また、北九州市では、全国に先駆けて平成22年度から薬物再乱用防止プログラムを実施していると伺っております。北九州市における薬物再乱用防止プログラムの内容と実績をお示しください。  薬物依存症については、その症状や治療法、家族の対応法などについての十分な理解がなされていないことが問題であると思われます。薬物依存症本人については、自分が薬物依存症であり、治療を行えば十分に社会復帰ができること、家族の方には薬物依存症の理解や家族による本人支援の方法を習得してもらうことが重要だと思います。また、その回復に向けては、依存症に対する偏見が強く、それが回復を阻んでいるという指摘もあり、一般市民の方には、薬物依存症に関する正しい知識を啓発することが重要であり、社会全体で依存症患者を減らしていくことが必要だと思います。  そこで、薬物依存症に対する市民の理解を促進するため、どのような取り組みをしているのか、お示しください。  また、依存症は自身が病気であることを認めない否認の病とも言われるため、薬物依存症者が回復プログラムへ自主的に申し込むことは余り期待できず、回復プログラムに参加していただくために、まずは知ってもらうことが大事だと思います。  そこで、薬物依存症関連事業の広報をどのようにしているのかをお示しください。  次に、福岡城再整備とセントラルパーク構想についてですが、福岡城の整備は、短期的に潮見櫓の復元整備や多聞櫓の修復に取り組まれているとのことですが、ぜひ早期に工事に着手していただくようお願いいたします。また、基金も1,000万円を超えたとのことですが、目標額3億5,000万円達成に向け、まだまだ足りないと思います。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  福岡城や鴻臚館といった史跡の整備には、相当の期間を要するものとは思いますが、それを待っていては、今、福岡が注目されているこのチャンスを逸してしまうおそれがあります。史跡の整備を進めながらも多くの方が関心を持ち、この場所に来てもらえるように、史跡内の回遊を楽しむことができる環境整備も必要だと思います。  そこで、福岡城や鴻臚館における観光客の受け入れ環境の整備についてどのように取り組んでいるのか、また、福岡城のほかにも、市内には黒田家の関連史跡などが数多く残っておりますが、それらを生かしたまち歩きなど、観光客の回遊を促進させるための取り組み状況についてお尋ねいたします。  また、福岡城及び鴻臚館の活用については、福岡城市民の会というNPO法人があり、歴史資源である福岡城と鴻臚館を生かして市民の郷土愛の向上や次世代への継承につなげていくため、熱心に活動されていると聞いております。  そこで、福岡城及び鴻臚館の魅力づくりにおいて、市として福岡城市民の会とはどのように連携をしているのか、お尋ねいたします。  また、舞鶴公園は都心部の好立地にありながらも、沿道の護国神社側や明治通り側からは福岡城や鴻臚館があることは認識できない状況であります。例えば、オープントップバスからも福岡城や鴻臚館の雰囲気がわかるような工夫などが必要ではないかと思います。  そこで、公園周辺における歴史的な雰囲気づくりにどのように取り組まれているのか、お尋ねいたします。  また、セントラルパーク構想では、舞鶴公園と大濠公園を一体的に活用していくとのことですが、現在、両公園がつながっている箇所は少なく、また、舞鶴公園が城内の道路で分断されるなど、両公園をスムーズに回遊できるような状況にありません。  そこで、どのように両公園の回遊性を向上させていくのか、お尋ねいたします。  また、舞鶴公園では6年前からさくらまつりが開催されており、年々参加者もふえ、大変にぎわっているようですが、福岡城や鴻臚館に関連するような歴史的なイベントがもっとあっていいのではないかと思います。例えば、天神や博多駅等では広場を活用してさまざまなイベントが行われ、いつ行っても多くの人々でにぎわっていますが、舞鶴公園におけるイベントの実施状況はどうなっているのか、また、伝統文化を重視したイベントを開催したり、お茶会などができる施設などをつくることはできないのか、お尋ねいたします。  以上お尋ねして、2問目を終わります。 643 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 644 ◯保健福祉局長(野見山 勤) まず、薬物依存症対策についてでございます。  まず、薬物依存症回復支援プログラムにつきましては、認知行動療法を用いて薬物の再使用につながる個々人の要因を対話などを通して明らかにした上で、それらの要因に対する対処法を習得することにより、再使用を予防することを支援するプログラムでございます。平成27年度新規事業であり、前期の参加登録者は定員10名に対し7名でございます。  薬物依存問題を抱える家族のための教室は、薬物依存症やコミュニケーションスキルなどについて学ぶとともに、同じ悩みを抱える家族同士で交流し、家族及び本人の回復を支援する教室でございます。平成27年度新規事業であり、前期の参加登録者は定員10名に対し7名でございます。  次に、北九州市の事例についてでございますが、国が指定する依存症治療拠点機関である肥前精神医療センターのプログラムを参考に、認知行動療法を基礎とした薬物再乱用防止プログラムを実施されております。定員は12名程度で毎回四、五名程度の参加があると伺っております。  次に、薬物依存症関連事業の広報につきましては、本人回復プログラムへの申し込みを促すため、市のホームページや市政だよりでプログラムなどの広報を行うほか、保護観察所や──失礼しました。その前に、依存症に対する市民の理解促進についてお答え申し上げます。大変失礼しました。  これにつきましては毎年、薬物乱用防止キャンペーンで啓発を行うとともに、依存症をテーマにした市民講演会を開催しております。また、精神保健福祉啓発交流事業で依存症のパネル掲示や資料配布を行っているほか、依存症自助グループとともにフォーラムを開催しております。  最後に、薬物依存症関連事業の広報でございます。  本人回復プログラムへの申し込みを促すため、市のホームページや市政だよりでプログラムなどの広報を行うほか、保護観察所や関係機関などに対して、精神保健福祉センターの薬物依存症関連事業を周知し、依存症者や家族などに事業を積極的に紹介してもらうよう努めているところでございます。以上でございます。 645 ◯議長(おばた久弥) 重光経済観光文化局長。 646 ◯経済観光文化局長(重光知明) 福岡城再整備等に関する御質問にお答えいたします。  まず、福岡城や鴻臚館における観光客の受け入れ環境の整備についてでございますが、観光客が史跡内を快適に回遊できるよう、その拠点となる福岡城むかし探訪館やガイダンス施設となる福岡城・鴻臚館案内処三の丸スクエアを整備するとともに、回遊コースに沿って誘導サインや遺構を説明する観光案内板を設置いたしております。  福岡城むかし探訪館では、福岡市観光案内ボランティアによる観光案内やコンピューターグラフィックスを活用して、当時の福岡城や鴻臚館を専用のタブレット内に再現し、ガイドとともに回遊するバーチャル時空散歩ツアーを実施しており、三の丸スクエアにおきましては発掘調査や復元整備の状況などをパネルや映像によりわかりやすく紹介するとともに、軽飲食を提供します休憩室を併設したところでございます。  次に、市内の黒田家の関連史跡を生かした回遊促進の取り組みについてでございますが、国指定史跡である福岡城のほかにも市内には黒田家ゆかりの史跡、名所が多く残っておりますため、まち歩きスマートフォンアプリ「福岡歴史なび」による福岡城と城下町をめぐるコースの紹介、福岡市観光案内ボランティアによる黒田家ゆかりの地、まち歩きツアーの実施、観光パンフレットへの黒田家関連史跡をめぐるモデルコースの掲載のほか、福岡市博物館には幅18メートル、高さ3メートルのパノラマ地図により市内の黒田家関連史跡が一望できます官兵衛プラザを整備するなど、黒田家の関連史跡を活用した観光客の回遊促進に取り組んでいるところでございます。  次に、福岡城市民の会との連携についてでございますが、平成27年度からNPO法人福岡城市民の会と福岡市との共働事業である「福岡城・鴻臚館を活かした観光都市戦略事業」を開始したところでございます。同事業では、市民フォーラム「福岡城・鴻臚館史跡公園の新しい息吹」の開催や、古代の高速道路である古代官道をテーマにした中学校での授業の実施、外国人向けの体験型ゲームイベント「ATTACK THE FUKUOKA CASTLE」の実施のほか、外国語でのガイドに関する検討を行うなど、福岡城、鴻臚館の歴史、文化を生かした観光都市づくりに取り組んでいるところでございます。以上でございます。 647 ◯議長(おばた久弥) 馬場住宅都市局長。 648 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 舞鶴公園周辺における歴史的な雰囲気づくりについてお答えいたします。  福岡城跡や鴻臚館跡を有する舞鶴公園におきましては、やぐらや石垣などの歴史資源がございますが、樹木が茂り見通しがきかないことなどにより、歴史資源が十分に生かされていない場所もございます。  今後、史跡の復元整備とあわせて、周辺からのやぐらや石垣などの見え方にも配慮するなど、歴史的な雰囲気が感じられる環境整備に取り組んでまいります。  次に、舞鶴公園、大濠公園、両公園の回遊性の向上につきましては、現在、大濠公園でなされているジョギングやウオーキングなどの利用について、舞鶴公園を含めた公園全体で多様なコース設定や利用しやすい園路整備を行っていくよう考えております。  なお、城内の道路につきましては、セントラルパーク構想において公園内の動線計画上の課題として整理しており、道路と公園空間を合わせて景観的な一体感や利用の一体性に配慮した空間づくりを行うこととしております。  次に、舞鶴公園におけるイベントの実施状況につきましては、現在、さくらまつりや紅葉めぐりなどの四季折々の花々を観賞するイベントや、武者行列が行われるおおほりまつりなどの歴史イベント、リレーマラソンなどのスポーツイベントなどが行われております。  また、舞鶴公園は、利便性も高く大規模な広場空間を有していることから、平成27年度より飲食や体験型など新たなイベントも受け入れており、さらなるにぎわいの創出にも取り組んでおります。  今後、伝統文化を重視したイベントを初め、海外からの来訪者をもてなすユニークベニューでの活用など、さまざまな来園者のニーズに応えられる環境整備に取り組んでまいります。以上でございます。 649 ◯議長(おばた久弥) 稲員稔夫議員。 650 ◯12番(稲員稔夫) ありがとうございます。3問目に入らせていただきます。  薬物依存症対策についてですが、ただいまの答弁で、福岡市は北九州市とほぼ同じ薬物依存症の回復プログラムを既に導入し取り組まれていることがわかりました。今後この事業をさらに周知し、より多くの依存症患者が回復プログラムに参加されることを期待しております。  さて、薬の専門家である福岡市薬剤師会は、福岡市薬物乱用防止キャンペーンに積極的に取り組まれております。また、睡眠薬、抗不安薬などの処方薬依存患者も増加傾向にあり、その対策も必要であると言われております。薬物依存症の相談や患者本人や家族への支援事業の広報等について、福岡市薬剤師会との連携はできないかと思っております。  そこで、最後になりますが、薬物依存症対策事業を福岡市薬剤師会等関係機関との連携を強化し、さらに推進していくべきと考えますが、今後の取り組みについて御所見をお尋ねいたします。  次に、福岡城再整備とセントラルパーク構想についてですが、先ほど答弁をいただきましたように、ソフトも含めてしっかり取り組んでいただくようにお願いをいたします。  先日、新聞でセントラルパーク構想を具体化する基本計画の検討委員会の初会合が行われたとの記事を読みましたが、いよいよ構想が形になっていくということで、地元である私としても非常に期待をしております。計画づくりに当たっては、ぜひ多くの市民の声を盛り込みながら進めていっていただきたいと思います。  そこで、セントラルパーク基本計画には、市民の声をできるだけ反映させることが大切ですが、その検討内容と今後のスケジュールについてお尋ねをいたします。  福岡城の再整備については、私の父が長年実現を目指し取り組んでまいりました。私もその意志を引き継ぎ、福岡城の再整備に向け、力強く取り組んでまいりたいと考えているところです。  福岡で生まれ育った子どもたちの郷土愛を育むためにも、また市民一人一人が福岡で住み続け、働き続けたいと思ってもらうためにも、幅広い世代の方々が福岡のまちや歴史を誇りに思っていただけるよう取り組んでいくことが重要であると思います。  10年、20年、50年後の福岡市を見据えつつ、早期に福岡城再整備とセントラルパーク構想を実現していただくことが、成長著しい福岡市のさらなる強みになっていくものだと思います。  最後に副市長の決意をお尋ねして、私の質問を終わらせていただきます。 651 ◯議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。 652 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 薬物依存症対策についてでございますが、いわゆる危険ドラッグを含めた薬物乱用が大きな社会問題となっている中、薬物乱用の未然防止に加え、薬物依存症対策は喫緊の課題だというふうに考えてございます。  福岡市薬剤師会では、日ごろより薬物乱用防止啓発に積極的に取り組んでおられるところですが、処方薬依存への対策を初め、ますますその役割は重要なものになると認識してございます。今後、福岡市といたしましても依存症に係る関係機関や自助グループなどとのネットワーク会議を充実し、福岡市薬剤師会を初め、関係機関相互の連携強化を図り、薬物依存症対策をさらに強力に推進してまいります。以上でございます。 653 ◯議長(おばた久弥) 馬場住宅都市局長。 654 ◯住宅都市局長(馬場 隆) セントラルパーク基本計画の検討内容と今後のスケジュールについてお答えいたします。  セントラルパーク基本計画につきましては、平成26年6月に策定したセントラルパーク構想をより実効性のあるものとするため、具体的な整備や管理運営の内容を定める計画であり、今月、学識経験者等で構成する基本計画検討委員会の第1回会議を開催したところでございます。  検討内容につきましては、福岡城跡や鴻臚館跡に関する計画とも整合を図りながら、両公園の有機的な連携と一体的な活用や史跡の復元整備と公開、活用、来園者が集い憩える機能の充実、市民、企業の参加推進などについて具体的な検討を行ってまいります。  今後のスケジュールにつきましては、議会の御意見やパブリックコメントによる市民意見を反映しながら、平成28年度の策定を目指してまいります。以上でございます。
    655 ◯議長(おばた久弥) 中園副市長。 656 ◯副市長(中園政直) 舞鶴公園は、国の史跡である鴻臚館跡、福岡城跡がその歴史を現代に伝え、大陸との交流や政治、経済、文化の中心であった福岡の歴史を象徴する空間であり、国内外に誇れる貴重な歴史資源となっております。また、隣接する大濠公園とともに、豊かな水と緑を有するオープンスペースとして利用され、市民が集い、憩う、にぎわいのある空間となっております。  今後さらに、市民が愛着と誇りを持ち、また、ここを訪れる全ての人が楽しめる魅力的な公園となるようソフトとハードの両面から総合的に整備事業を展開し、セントラルパーク構想の基本理念である未来へつながる福岡のシンボルの実現に向けて取り組んでまいります。以上でございます。 657 ◯議長(おばた久弥) この際、休憩し、午後4時35分に再開いたします。                                         午後4時21分 休憩                                         午後4時35分 開議 658 ◯副議長(石田正明) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。  この際、あらかじめ時間を延長いたします。中山郁美議員。 659 ◯50番(中山郁美)登壇 私は、日本共産党市議団を代表して、福岡市立病院で起きている問題並びに高齢者施策見直し問題について質問をいたします。  まず、市立病院についてです。  福岡市民病院とこども病院の2つの市立病院は、2010年4月より、市の直営から新たに設立された地方独立行政法人福岡市立病院機構へと承継されました。それから5年たった今、両病院合計で年間25億円近くの運営費負担金が市民の税金で賄われていますが、幹部職員の不祥事など、看過できない問題も生じております。  そこで、両病院で何が起きているのか、真に市民のための病院へと発展するために何が求められているのか、検証をしてまいります。  ことし10月29日、福岡市立病院機構は、運営本部付部長に対し、懲戒処分を行ったことを発表しました。  そこで、本事件の概要、発覚した経緯、処分の内容について説明を求めます。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。 660 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 661 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 事件の概要についてでございますが、平成23年2月に福岡市民病院の掲示板製作業務委託契約において、当時の事務局長が特定の業者が契約の相手方となるよう部下の係員に命じて、当該業者に他の業者の見積価格を示唆させ、より金額の低い見積書を提出させたものでございます。また、同年3月の別の表示板製作業務委託契約においては、当該業者に他の業者の見積書を用意させ、2社による見積もり合わせの体裁が整うようにし、部下職員に契約手続を行わせたものであります。平成27年7月に、県警から本人に対する事情聴取及び市民病院への関係書類の任意提出の依頼を受けて発覚したところでございます。  処分の内容については、本人に対し、停職3月の懲戒処分を行うとともに、当該契約にかかわった課長、係長、係員の部下3名に対し、服務上の措置である文書訓戒を行ってございます。以上です。 662 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 663 ◯50番(中山郁美) 今回、処分を受けた部長が市民病院の事務局長であった2011年に引き起こした事件です。公正な契約業務に責任を負うべき事務局長が部下に不正を指示したという前代未聞の事件です。県警の捜査が入って発覚したとのことですが、それ以前に情報はありませんでしたか。お尋ねします。 664 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 665 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 福岡市立病院機構において、福岡県警の捜査が入る前に情報の入手はなかったというふうに聞いてございます。以上です。 666 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 667 ◯50番(中山郁美) 機構が行った事情聴取と報告書を私いただきました。(資料表示)こういうものなんですけど、これはほとんど黒塗りです。50ページほどありますけれども、記載事項、ほとんど黒塗り。警察の捜査の前に、事件発覚の動きが実はあっているようなんですね。これをちょっとパネルにしました。(パネル表示)字は見にくいと思うんですけれども、ここに機構のまとめた流れがあります。そして、この一番上です。2つの黒塗りがありますけれども、これは平成何年何月ごろというところが黒塗りなんですね。そして、今、局長が報告されたのは、平成27年、ことしの7月以降の話なんです。その前にこの2件、何らかの動きがあったという調査結果を機構が書いているんですね。これは何かの動きがあっているはずなんですよ。もう一度答弁を求めます。 668 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 669 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 市立病院機構においては、県警の捜査が入る前に情報の入手はなかったということで、その以前の動きに関してはそれとは別なものかもしれませんが、少なくとも情報は県警の捜査が入ったことを受けて入手したものでございます。以上でございます。 670 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 671 ◯50番(中山郁美) (パネル表示)これは事件発覚及びその後の経緯ですよ。事件発覚にかかわる時系列が書いてある中で、何年に起きたかもわからないけれども、2つ書いてあるんですよ。これは機構が偽りを書いたんですか。それともあなたたち、機構から報告を受けていないと、この場でおっしゃいますか。再度答弁を求めます。 672 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 673 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 情報公開に関する手続でございますが、安易には申し上げられませんが、発覚後の判明した事実をもとに経緯をまとめたようなことも含めて、可能性はあると考えてございますが、あくまで機構がそこの事実関係を承知した、すなわち情報を入手したのは県警の捜査を受けた後というふうに聞いてございます。以上でございます。 674 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 675 ◯50番(中山郁美) 納得できませんが、具体的な中身に入っていきたいと思うんですけど、この事務局長が前の職場でのつき合いがあったA社に掲示板製作の仕事をとらせるために、係員からほかの2社の見積金額を聞き出した上で、A社が最も低い額になるように流れをつくったと。これを部下に指示しているんですよね。この経過はこのようになっているんですけれども、(パネル表示)2月上旬ごろ、本人というのが事務局長なんですね、事務局長、係員に対してA社を紹介したと。そして、これを受けて部下の係員は、本人、事務局長からA社からの下見積書などを渡されると。ここで係員、抵抗しているはずなんですよ。何とかの旨を伝えるも、何々と指示され、やむなく了承したと。こういう経過なんですね。これは幹部が何を指示したのかと、ここは大事なところなんですよ。これは黒塗りにする問題ではない。何と書かれているのか、お答えください。 676 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 677 ◯保健福祉局長(野見山 勤) お答えできる範囲でお答え申し上げます。  係員は事務局長から不適切な契約事務に関する指示があった際、なぜ私がそんなことをしないといけないのかと言い、事務局長の指示に従うことを一旦拒否してございます。その上でさらに、今すぐしなさい、あるいは指示に従いなさいと事務局長から重ねて指示されたため、やむなく従わざるを得なかったというふうな形で聞いてございます。以上です。 678 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 679 ◯50番(中山郁美) 驚くことを言っていますよね。(パネル表示)そして、その流れの中で、次、2月21日ごろになるんですけれども、これはこの事柄が進んでいくんですね。そして、病院で事務局長がA社の担当者から見積書を見せられたんですね。ところが、この見積書の額が仕事をとれる額になっているのか、事務局長わからなかったから、係員を呼んだんですよね。そして、他の2社の見積書の金額を聞いたんですよ。ところが、これは事務局長が想定する額より高かった。このままじゃA社がとれないということで、また指示したんですよ。係員は断りました。ところが、事務局長、またここで、この黒塗りの指示をしたんですね。などと言われ、やむなくA社の担当者に対し、他の業者から提出されている見積金額のヒントを与えたと。言っちゃったわけですよ。事務局長が無理やり言わせたんですね。こういう経過なんですよ。これも、ここで何と言ったのか、お尋ねしたいと思います。 680 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 681 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 今のおただしについて、先ほど御答弁しました部分と重なっておるかもしれませんが、一旦断った後、やはり指示に従えという旨の指示をして、やむなく従ったものというふうに承知しております。以上です。 682 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 683 ◯50番(中山郁美) これ、指示に従えという表現を局長されましたけど、これは本当に重大なことだと思うんですよ。従わなければ、この係員、どうなるかわからない。言ってみれば、これはおどし、恐喝、地位を利用した、そういうことにも当たるんではないかと思うんですね。そういう認識はありませんか。 684 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 685 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 御指摘のとおり、この場合の強い指示については不適切なものであると考えております。また、処分に当たっては、そういうことも勘案した上で処分がなされたものというふうに理解しております。以上です。 686 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 687 ◯50番(中山郁美) それで、これ、このように機構が提出した書類、単純な供述の部分は黒塗りなんですよ。これ、個人情報でも何でもないわけでしょう。不正を犯して、調書をとって、そしてまとめた報告書ですよ。これが全部黒塗りで出てくる。さっき示した、(資料表示)これは4人の分の調書50ページ分、全部黒塗りですよ。こんなやり方は異常だというふうに思うんですね。  福岡市としても、こういう報告の仕方をよしとしているんですか。お尋ねしたいと思います。 688 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 689 ◯保健福祉局長(野見山 勤) そこの情報公開に当たりまして、そこの部分を黒塗りにしておるということでございますが、これは公開することで人事管理上の支障を生じるおそれもあることから、そこについては黒塗りにしたということでございます。  これに関しましては、本人と部下職員とのやりとりについて直接お示しすることは、事情聴取の調書をそのままお見せするということになりますが、事情聴取は任命権者の職務命令で行われるものとはいえ、供述の強制はできず、あくまで任意の情報提供にすぎないことから、ここで得られた情報が公開されることになれば、具体的な供述がちゅうちょされ、任命権者が行う事実関係の調査で十分な情報が得られないなど、人事管理上の著しい支障を生ずるおそれがあるということで、そういうふうな対応をさせていただいたところでございます。御理解いただきたいと存じます。以上です。 690 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 691 ◯50番(中山郁美) 事情聴取に影響を与える可能性があると。おかしいでしょう。これは報告書なんですよね。こういう報告をしました、こういう報告をしますと。つきましては処分をしたいという取りまとめた書類で、この事情聴取のあり方を消したという、これは事実を隠蔽しようとするもの以外の何物でもないと思うんですよ。こういうやり方は、許しておったら、またこういうことになりますよ。これは是正させるべきだと思うんですよ。再度答弁求めます。 692 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 693 ◯保健福祉局長(野見山 勤) ただいま申しましたように、事情聴取はあくまで任意でございますので、その内容が公開が前提となりますと、十分な調査を今後行うことが困難になるということから、そういう対応をやむを得ずさせていただくものでございます。御理解願いたいと存じます。以上です。 694 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 695 ◯50番(中山郁美) そしたら、今、引き続きこれは調査しているんですね。 696 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 697 ◯保健福祉局長(野見山 勤) ただいま申し上げましたのは、当該事件に限らず、市が行う事情聴取一般についての考え方でございます。以上でございます。 698 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 699 ◯50番(中山郁美) これは本当におかしな話ですよ。この事務局長がやったことによって、今、福岡市で戻ってきて働いてある職員たちも処分されたんですよ。処分したのは高島市長。市長が自分の名前で処分したんです。そこまで影響を与えている問題で、中身を議会で我々議員がチェックしようとするのに、どういう指示をしたのか、正確な中身がわからないというのは大問題なんですよ。  2件目の件について聞きますけど、(パネル表示)同様にこういうふうになっています。2月24日、本人より係員に外来診療科の臓器別センター化プロジェクトに伴う病院内の表示板等製作の指示があった。その後、黒塗りなんです。A社に対し、1件目の契約と同様に、さっきの契約ですよ、下見積書と仕様書案の作成を相談したと。もうここで不正が始まっておるんです。ここで、この事務局長、何と言ったか。ここはまた重大なことを言っているんだと思いますね。同様にお答えください。 700 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 701 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 2件目の事案につきましては、この場合、年度末で時間もなく、見積もり合わせに参加できる業者を探したが見つからない状況の中で、事務局長が係員に対し、1件目の業者に見積もり合わせへの参加を依頼するよう指示したものというふうに承知しております。以上です。 702 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 703 ◯50番(中山郁美) (パネル表示)これは、事務局長がとんでもない指示をして、この係員、頑張らざるを得なくなるんですね。見積もり合わせ、ほかの業者の見積書も出してもらわんといかん。出してもらった上でAに決めなくちゃいけない。四苦八苦するんだけれども、ほかの会社から見積書が出ないんですよ。それで、おたくで何とかなりませんかねと多分A社に頼んだんだと思うんです、最後の黒塗り。ところが、この係員が頼む前に、事務局長がもうA社に別な見積書を準備しておけと言って指示しておるんですよ。だから、係員が相談したときに、多分すぐ出せますよと言っておるんですよ。透けて見えるわけではないんだけどね。こういうやりとりがあっていると。本当にひどいんですね。ちょっとそういう経過、私、黒塗りやから想像するしかないんだけど、大方合っておるでしょう、局長。教えてください。 704 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 705 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 2件目においても、事務局長が係員に対し、1件目の業者に対して見積書を出すように言うように係員に指示したことは間違いないことでございます。以上です。 706 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 707 ◯50番(中山郁美) 業者とも癒着をしているんですね。もう確信犯ですよ、これは。逆らえない部下をおどして不正を働かせる行為というのは絶対に許されないものです。機構の理事会で処分が決定された際の処分説明書では、この行為について何と書いてあるか。法人職員としてあるまじき行為であり、福岡市立病院機構に対する市民の信頼を著しく損なったものである、こう書かれています。市としては、この事件の重さについてどう認識されているのか、お尋ねします。 708 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 709 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 市立病院機構についても、市に準ずるような形で厳正公平に事務を実施するべき立場にございます。そのような中で、こういう不適切な行為が行われたことは大変遺憾に考えてございます。以上です。 710 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 711 ◯50番(中山郁美) それならお尋ねしますが、病院機構の理事会は、あるまじき行為と厳しく断じたにもかかわらず、その割には3カ月の停職という処分は軽過ぎるという印象を拭えないんです。市長はこの処分の程度についてどう思われるか、御所見を伺います。
    712 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 713 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 福岡市立病院機構職員の懲戒処分については、あくまで福岡市とは別個の任命権者である病院機構において適切に判断されたものと考えておりますが、この判断におきまして伺っておるところによりますと、先ほどの非常に強権的な指示とあわせて、この事案に至る取り扱いが生じた原因となりましたのが、事務局長本人が非常に年度末の時間のない中で、短期間に、しかも一定の品質を確保する仕事をやれる事業者に心当たりがないということで、まずその強引なことをやったような要素、それと本人が私的に利益を得たものではない、あるいは業者に利益を得させたものではないと、こういったプラスマイナス双方の事実の事案全体を総合的に勘案して決められたものというふうに伺っております。以上でございます。 714 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 715 ◯50番(中山郁美) その判断が甘いんですよ。機構が本人に示した処分説明書では、停職3カ月ですよという、その理由を説明する文書があるんですけど、これには、職務上の義務に反するだけではなく法令にも抵触するものと認められ、いいですか、法令にも抵触する法人職員としてあるまじき行為であり、福岡市立病院機構に対する市民の信頼を著しく損なったと。さっき言ったところに加えて、法令に抵触と書いてあるんですよ。そうすると、懲戒処分の指針や規定に基づくと、これは病院機構の解雇要件にも当たる可能性があるんです。しかも、今回の事件、2件のみでの判断というのは極めて不十分だと言わなければなりません。  私は、事件が発生した2010年度中に行われた契約案件、全部で約1,600件、ほとんどがこれは随意契約なんですね。随意契約以外の契約は五、六件しかないんです。これの契約伺い書の写し、全てをめくってみました。その中には、問題の事務局長が最終決裁者として印を押した別の案件があるものの、それはごくわずかです。問題の2件においては、この事務局長が決裁した形跡はないんですね。事務局長の姿はどこにも出てこない、印鑑もないんです。つまり決裁者ではないのに、裏で糸を引いていたわけですよ。ほかの契約でも同様に部下に命じて不正を働いたことは大いに考えられると思いますが、局長、どう思われますか。御所見いただきたい。 716 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 717 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 市立病院機構におきましては、この事実の発覚の後、御指摘のような危惧もございましたので、事務局長就任後の全ての契約案件について内部でチェックをしております。その結果、特段の、その2件以外の不適切なものは見当たらなかったというふうに報告を受けております。以上です。 718 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 719 ◯50番(中山郁美) そのチェックの仕方が問題なんですね。全職員に聞き取りをする、こういうことをやられたのかどうか、そして本人たちの聞き取りもされたのかどうか、そして1,600件の書類についても全てチェックされたのかどうか、お尋ねします。 720 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 721 ◯保健福祉局長(野見山 勤) ただいまのおただしの中で、まず本人たちへの事実確認、これは行っております。それから、書類のチェック、これは行っております。それから、周囲への調査についてどの程度行ったかは、申しわけございませんが、ただいま手元に資料はございません。以上です。 722 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 723 ◯50番(中山郁美) 私、これは資料を請求したんですよ。契約の関係の分も全部いただきたいと言いましたら、これは相当時間がかかるというお話でした。資料を求めたのは割と最近ですよ。相当時間がかかりますということで、5年分見ようと思ったら到底間に合わない、こう言われたんですね。1年分のものだけもらって1,600件ですよ。これは全部精査しているなら、これは段ボール箱4箱、5箱になっても、出そうと思ったら出せるはずなんです。調べるのに時間かかりますと、こういう回答ですよ。やっていなかったんではないんですか。 724 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 725 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 福岡市立病院機構からは、市民病院の独法化後の全契約関係書類が大体年間平均3,500件だそうですが、その5年分について再点検をした旨で報告を受けてございます。以上です。 726 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 727 ◯50番(中山郁美) では、担当課が私にうそを言ったということですね。もう調べたんだったら、それはそのままあるはずなんですよ。それをそのまま持ってきてくれればいい。それをやらなかった。1年分しか出なかった。  2件以外に、今回、市長から訓戒処分を受けた係員と係長、課長、この3人のラインで、2010年度中、1年間に契約が交わされたのは200件以上なんですね。1年間分だけでこれだけあるわけですから、5年間では相当な契約数になるわけです。これね、今言われたような報告を受けたということもありますが、機構任せでは問題の全容はわからないと思うんですね。  そこで、この事務局長はなぜこんなことをしたのかという問題について尋ねていきたいと思うんですね。金銭の授受があったのではありませんか。 728 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 729 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 金銭の授受につきましてはポイントになるところでございますが、もちろん本人からの事情聴取の中でも確認をしておりますし、また福岡県警の調査の結果からもそのような事実があったということは御連絡いただいてございません。以上です。 730 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 731 ◯50番(中山郁美) ならば、ほかの見返りがあったのではないですか。 732 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 733 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 本人からの、原因としては、先ほど申しましたように、事務局長になった最初の年で、年度末までに看板製作をしなくてはいけないと。時間が限られた中で確実な納品が期待できるものとして、自分が知っていたところに頼むほうが合理的だというふうな安易な判断をしたものというふうに聞いてございます。以上です。 734 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 735 ◯50番(中山郁美) そんなわけないですよね。業者への調査はしたんですか。 736 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 737 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 事業者に対しましても、福岡市立病院機構において任意で事情聴取を行ったところでございますが、そういった事実は確認できてございません。以上です。 738 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 739 ◯50番(中山郁美) その経過がさっきの黒塗りだから、業者に聞いたかどうかもわからないし、県警からの情報とか言われますけど、この報告からは県警と機構がやりとりしているなんていうのは一切わからないんです。県警は今も捜査しているんですか。 740 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 741 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 県警が今どうされているかを確実なことで申し上げることは難しゅうございますが、7月の段階で任意提出を求めた資料等についても既に返却がなされているというふうに聞いてございます。以上です。 742 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 743 ◯50番(中山郁美) これはいずれにしても、機構としてまともに調査したとは到底言えません。何の見返りもなく契約規定を破り、部下に命じて情報を漏えいさせ、虚偽の見積もり合わせをつくり出し、特定の業者に便宜を図る。こんなことは何か見返りがないと考えられませんよ。このままでは事件の全容解明には至らない。市長、この事件は談合防止法に抵触し、入札妨害罪にも該当する、また脅迫罪や背任などにも当たる、そのような可能性もある重大事件です。第三者機関を立ち上げて調査し直すとともに、刑事告発も検討するように機構に対し指示すべきではないかと思いますが、答弁を求めます。 744 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 745 ◯保健福祉局長(野見山 勤) ただいままで申し上げましたとおり、この件に関しては福岡県警の捜査においても明確な金銭の授受等の事実は報告を受けておりません。また、病院機構においても、適切に調査した上で、その上で処分を決定したものでございます。市としては、これ以上の対応は必要ないと考えてございます。以上です。 746 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 747 ◯50番(中山郁美) 都合が悪いことでもあるんですか。市から派遣していた市の職員が不正を強要されたんですよ。市長自身が告発してもおかしくない問題だと思います。こんな形での幕引きは許されないことを指摘しておきたいと思います。  少し角度を変えます。当時の事務局長の仕事ぶりについて、ほかに問題はなかったのか機構は調査したのかどうか把握されていますか、お尋ねします。 748 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 749 ◯保健福祉局長(野見山 勤) そのあたりについても、機構は調査した上で、この件を除けば特段の問題はなかったというふうに聞いてございます。以上です。 750 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 751 ◯50番(中山郁美) そんな答弁されるなら、もうまともに調査していないと言わざるを得ません。  彼の就任以降、機構や市に対して告発や通報などあっているのではないかと思いますが、これもどう把握されているか、お尋ねいたします。 752 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 753 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 通報や告発はあっていないというふうに聞いてございます。以上です。 754 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 755 ◯50番(中山郁美) 私のもとには、2013年2月、告発文が来ております。この事務局長が当時勤務していた有期職員の女性にセクハラ並びに採用にかかわってのパワハラを行っているという内容です。機構の本部にも、この女性の知り合いが投書したとの記載があります。投書の事実はないか、この件について機構として何らか調査をしたのか、市の把握状況について再度確認させていただきます。 756 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 757 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 福岡市立病院機構からは、そのような事実は報告を受けてございません。 758 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 759 ◯50番(中山郁美) 私は、昨年の病院機構の所管事務調査でも調査を求めたんですが、その後何も動いていないということですね。こんな姿勢で不正が正せるはずがない。  内容の一部についてお示しをいたします。  有期職員として働いていた女性が別の部署を希望して試験を受けたものの不合格となり、その後、この事務局長からほかの部署はどうかと電話があり、病院に出向いたところ、プライベートな話や食事の誘いを執拗にされ、その後も電話やメールが繰り返された。こんな内容が記載されています。機構に対し、しかるべき調査を求めるべきではありませんか。お尋ねいたします。 760 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 761 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 御指摘につきましては、福岡市立病院機構に伝えさせていただきます。以上です。 762 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 763 ◯50番(中山郁美) ほかにもセクハラ、パワハラの被害に遭った職員はかなりいることが書かれています。私も別の病院関係者から話を聞きましたが、この事務局長の行いについては相当職員の中で不満がありますよ。ただ、報復を恐れて声を上げることができないんです。中には院長に申し立てた職員もいるとのことですが、事務方のことは事務方で解決しろということで相手にしてもらえなかったという情報もあります。院長にも確認する必要がありませんか。御所見を伺います。 764 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 765 ◯保健福祉局長(野見山 勤) ただいまの御指摘につきましても、市立病院機構に伝えさせていただきます。 766 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 767 ◯50番(中山郁美) 市としてきっちり対処することを求めておきます。  そもそもこの事務局長は、処分されたことし10月時点では病院機構付の部長ということですが、5年前、つまり市民病院が独立行政法人市立病院機構としてスタートした初年度に初代事務局長になった人物です。病院のナンバー2ですよね。事務部門の責任者がこんな重大な事件を起こしたわけです。こんな人物がなぜ役職についたのか、明確にする必要があります。彼が市民病院事務局長になった経緯並びにそれまでの経歴についてお尋ねします。 768 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 769 ◯保健福祉局長(野見山 勤) この、当時の事務局長につきましては、市が2つの市立病院の経営改革を進め、独法化へ移行準備を進めるために、民間病院の経験者を公募し、採用した職員でございます。以上です。 770 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 771 ◯50番(中山郁美) 当時の市の募集案内を見ると、独法設立に向けて、民間病院などで5年以上経験し、経営能力を培ったという条件が示されており、採用と同時に市立病院経営改革室長という管理職につくという前提でした。論文試験のテーマは病院の経営改革についてであり、自身がこれまで取り組んできた病院の経営改革について、また公立病院が抱える課題とその解決策についてなどを書くように例示されています。彼は、いわば市立病院の経営改革を進めるエキスパートとして市に採用されました。そして、採用から1年間は独法設立に向けた準備を行い、1年後、地方独立行政法人福岡市立病院機構市民病院としてのスタート時に事務局長に就任したのであります。5年間務めた後、ことしの4月からはこども病院の事務部長となったものの、今回、事件が発覚し、調査が始まったことにより、こども病院から外され、本部付の部長となったのであります。  彼の前の職場は麻生飯塚病院です。市長は民間手法の活用をさまざま強調されていますが、民間出身の彼が市民病院に持ち込んだのは一体何だったか。企業との癒着、パワハラ、セクハラ、ワンマン運営。でたらめではないですか。民間手法がすぐれているという価値観は崩れ去ったのではありませんか。御所見を伺います。
    772 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 773 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 御指摘のように、今回の件では当時の事務局長、不適切な手続を行っております。また、その他についても種々御指摘はございますが、私どもはそこの事実関係は把握してございませんが、一方で、実際に公募の条件どおり民間の病院経営に精通した人材であり、またその面での能力は一定持っている職員でございます。市立病院の独法化移行後におきましても、院長等から伺いますと、しっかりその職務も果たしているというふうな話もございます。そういうのをトータルで勘案しますと、今回の件についてはきちんと処分した上で、また一方で、能力は能力として活用してきたところでございます。以上でございます。 774 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 775 ◯50番(中山郁美) いい話を聞きませんよ。独法になってから労務管理もひどくなったという声を聞きます。2つの病院では、職員が幾ら求めても、いまだにタイムカードも設置されず、着がえの時間は労働時間にカウントできない。残業手当も申告しづらくされている。そして、不当解雇まで行ったとして訴えられ、現在、被告にもなっています。直営のときには考えられなかったことです。独法化した病院で次々に起きている問題については、独法化そのものに問題があるのではないかという視点で真摯に検証すべきだと思います。この問題については、この事務局長が市民病院で不正を働いた同時期に、機構全体を取りまとめる本部の事務局長として統括する立場にもあった野見山保健福祉局長自身に重ねて御所見を伺います。 776 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 777 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 市立病院につきましては、独法に移行する当時の状況を申し上げますと、種々の制約により、やっぱり経営面あるいは機能面での限界を生じている中で、大きな決断として地方独立行政法人化を図ったものでございます。また、その中では、民間病院として、ある意味で競争していくような観点からも、それにふさわしい人材を求めていく。特に経営面の軸になるような職員が必要だということから、当該職員を初め、その後も公募して職員を採用しているところでございます。今回の問題あるいは御指摘のように仮に職場の中であつれきが生じているとすれば、それはまた是正する必要がございますが、大きな独法化の流れの中では、市立病院機構、2病院とも大変大きな課題を克服して、今、機能、経営あるいは市民サービスともに相当改善ができているところでございます。その中で、御指摘のような課題、問題が仮にあるとすれば、大きな流れを守りつつ、またそういった課題についてもしっかり是正していくことが必要だと考えております。以上です。 778 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 779 ◯50番(中山郁美) 不正などをチェックする体制、職員からの職務上の相談や通報などを受け付ける体制はどうなっていますか。 780 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 781 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 福岡市立病院機構では、従来からセクハラ相談窓口は整備されておりましたが、不正行為などを通報し、または相談する窓口は設置されてございませんでした。このため、今回の契約に関する事件を受け、福岡市に設置している職員相談サポートラインに準じた公益通報制度を設置することで、現在、準備をしてございます。以上です。 782 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 783 ◯50番(中山郁美) 改善すべきです。  また、今回の元事務局長の事件については、機構内部の審議会で調査や処分内容を検討されてきました。しかし、全て内部の方々ばかりです。これでは客観的な判断に限界があるのではないですか。御所見を伺います。 784 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 785 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 御指摘のように、職員の懲戒処分につきましては、福岡市立病院機構の規定に基づき、福岡市立病院機構職員懲戒審議会においてまず原案をつくり、さらにそれを福岡市立病院機構理事会において審議を経ることとされております。理事会におきましては、外部の有識者や弁護士等々も御参画いただいているところでございまして、審議については客観的かつ適切に行われたものと理解してございます。以上です。 786 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 787 ◯50番(中山郁美) 理事長が理事会の責任者ですから、理事長自身にも問題があるんですから、ちょっとこういうやり方は不十分だと思いますね。  パワハラやセクハラは、それだけでも解雇の対象になるんですよ。機構の懲戒処分の指針でそう書いてあります。また、秘密漏えいも重大な影響を与えた場合は解雇もあり得ることも掲げられています。この事務局長は、これだけひどいことを数々行っているのに、わずか3カ月で職場復帰させるというのは、まさにお手盛り処分だと言わなければなりません。市民の理解を得られないし、この人のもとで働く職員はたまったものではありません。市長、この事務局長をもともと採用したのは福岡市です。当時の市長です。前市長です。この際、解雇処分とするように機構に求めるとともに、厳重注意を受けただけで終わろうとしている院長兼理事長に対しても厳しい処分を下すように求めるべきではありませんか。この問題の最後に市長の答弁を求めます。 788 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 789 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 種々御指摘がございましたが、この事務局長につきましては、当時、必要な人材として採用したものでございますが、これについては市において公募し、採用も市においてしたものでございます。今回は福岡市立病院機構という市から独立した組織内の不祥事とはいいましても、福岡市としては極めて遺憾に存じております。患者の皆様や市民の皆様の信頼を損なう結果を招いたことに、病院機構の設立団体として非常に申しわけなく思っておるところでございます。以上です。 790 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 791 ◯50番(中山郁美) 市長の答弁をお願いします。懲戒処分したのは市長ですから、市長の答弁を求めております。 792 ◯副議長(石田正明) 答えられますか。高島市長。 793 ◯市長(高島宗一郎) 病院機構において、この件に関して十分な審議が適切に行われたものと考えておりますし、また福岡県警のほうでこれはもう捜査を行われたわけでございますから、その動機、背景等について、相当しっかり調べていただいているというふうに考えております。ただし、これは、その責任とは別に、福岡市において公募をして、選考の結果、採用したということでございますから、この事件自体は大変極めて遺憾であり、責任を感じております。また、信頼を損なう結果を招いたことに関しておわびを申し上げたいと存じます。以上です。 794 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 795 ◯50番(中山郁美) こんな事件を起こして、3カ月たったらもとに戻り、何もなかったかのように権力を振るう。そんなことがまかり通ったら大変な職場になってしまうと、少なくない職員がそう考えています。厳正な処分を求めておきます。  こども病院の人工島移転とこの独法化の問題、これで今、2つの病院、市民から求められる方向に行っているのかどうか、大変疑念が生じております。新病院についても、患者さんたちが安心してかかれる状況になっているのか。短期間で集中治療室あるいは高度治療室から追い出されているような状況がないのかどうか、これは調査していただきたいんですよね。本当に市民が求める病院へと発展できるように、市が責任を果たす必要があるというふうに思っております。これは指摘をさせていただきたいと思います。  時間の関係で、高齢者施策のほうに移ります。  高齢者施策見直しについて、来年度から5年間の保健福祉総合計画の策定が今進められている中に、高齢者乗車券、敬老祝い金見直しへという報道がありました。高齢者から驚きと怒りの声が上がっています。何を検討しているのか、お尋ねします。 796 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 797 ◯保健福祉局長(野見山 勤) これから迎える超高齢社会では、福岡市も65歳以上の高齢者人口がふえ、社会の支え手、担い手である生産年齢人口とのバランスが急速に、そして大きく変わってまいります。また、大幅に増加する65歳以上の方々の中には、生涯現役で頑張りたいと、心身ともに元気な方が大勢おられます。福岡市としましては、このような社会構造や高齢者の方の意識の変化に対応できる、将来にわたって持続可能な社会の仕組みが必要と考えてございまして、従来、制度上、年齢等を条件に一律に支えられる側とされている方々でも、意欲や能力に応じて支える側で活躍していただけるような社会、そして誰かの支えが必要になっても、住みなれた地域で安心して暮らせる社会を目指すものでございます。そのため、これまでの施策を、従来からの施策を高齢者の健康づくり、社会参加あるいは支援が必要な人を支え合う地域づくりなどの観点から再構築する必要があると考えているところでございます。御指摘の件につきましても、その一環として、従来施策の一つとしての再構築の検討対象でございます。以上です。 798 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 799 ◯50番(中山郁美) 高齢者関連施策の再構築として、配る福祉から支える福祉へを掲げ、敬老金、敬老祝い品を地域カフェの拡大などへ再編するとされています。  そこでまず、敬老金、敬老祝い品の目的、成果についてお尋ねします。 800 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 801 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 敬老金及び敬老祝い品事業につきましては、多年にわたり社会の進展に寄与してきた高齢者に対し、敬老の意をあらわし、その福祉の増進を図ることを目的としております。  なお、平成26年度の実績でございますが、80歳、88歳及び100歳以上の市民1万5,026人に対し敬老金を支給するとともに、100歳の市民277人に対し敬老祝い品を贈呈しており、ちなみに事業費としては2億900万円余となってございます。以上です。 802 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 803 ◯50番(中山郁美) 80歳1万円、88歳2万円、100歳に3万円、101歳から毎年1万円お渡ししてきた。金額はささやかでも、市民が御長寿を敬い、高齢者に喜んでいただいてきたものだと思います。これを廃止するんですか。お尋ねします。 804 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 805 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 敬老金及び敬老祝い品事業につきましては、個人給付、すなわち配る福祉としてこれまで実施をしてまいりましたが、今後は地域住民はもちろん、企業や団体などの多様な主体が地域のさまざまな活動に参加し、支援が必要な人を地域で支え合う施策を推進する支える福祉への転換を図っていく中で、そのあり方について検討してまいりたいと、そういうことでございます。以上です。 806 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 807 ◯50番(中山郁美) 市長がこれは個人的に出してきたんではないんですよね。市民の税金ですから市民の総意なんですよ。市民が高齢者に感謝の気持ちをあらわす貴重なものだと思います。なくすなど許されないと思います。指摘をしておきます。  年金が減らされ、医療、介護の保険料負担は重くなり、消費税まで上げられ、少なくない高齢者が生活苦にあえいでいます。そんな中、高齢者乗車券について、70歳以上の方に年間8,000円から1万2,000円まで支給をしています。これもささやかなものですが、高齢者の社会参加、健康増進につなげようという大切な制度です。これもなくそうとしているんですか、それとも減らすんですか、お尋ねします。 808 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 809 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 高齢者乗車券交付事業につきましては、施策の再構築の中で、本来の目的である社会参加促進を踏まえつつ、健康づくりなどに取り組む市民一人一人を応援する仕組みに組みかえてまいりたいと考えております。また、今後ますます増大する移動支援のニーズに対応した仕組みの導入についても、この中であわせて検討してまいりたいと考えてございます。以上です。 810 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 811 ◯50番(中山郁美) インセンティブポイントというのを設定して、健康を守るため、あるいは地域の活動で頑張った高齢者にはポイントを加えて乗車券の金額もふやす、そして全体としては金額を下げると、こういうことが資料に書かれているんだけれども、こういう検討をしているんですか。 812 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 813 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 高齢者乗車券へのインセンティブの導入につきましては、市民一人一人の取り組みを応援する、あるいは地域における取り組みを応援するという観点から、保健福祉審議会において御意見をいただいており、今その内容について検討しているところでございます。以上です。 814 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 815 ◯50番(中山郁美) 健康状態については、どれだけ気をつけても、年齢に伴い万全ではなくなることも多いものです。インセンティブは、支える側として活躍する人にだけ与えるというやり方は、支える側と支えられる側という違いによって行政サービスを差別することになり、問題だと思いますが、答弁を求めます。 816 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 817 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 御指摘のような点も踏まえまして、高齢者乗車券の見直しに当たっては、別途、外出がなかなか困難な方に対する移動支援についても、今後よりふさわしいあり方を検討していくこととしてございます。以上です。 818 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 819 ◯50番(中山郁美) いろいろ言っても、高齢者乗車券を縮小するというやり方はあってはならない。高齢者乗車券については、孫を連れて、おじいちゃんが地下鉄でお出かけをするなど、幅広く活用されています。市民の運動や議会請願もあり改善され、9月からタクシーにも利用できるようになりました。通院や会合に使えるようになったなど大変喜ばれ、タクシーの運転手さんからも、結構利用してもらい、ありがたいという声を耳にしています。これを減らせば、高齢者の社会参加の道を閉ざすものとなり、施策の目的と矛盾するのではありませんか。お尋ねいたします。 820 ◯副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。 821 ◯保健福祉局長(野見山 勤) 近年におきましては、急速な高齢化の進展に伴い、日常的な買い物や通院などのための外出にお困りの高齢者が大変ふえてございます。このような高齢者の喫緊の課題に対応するため、緊急的に平成27年度に高齢者乗車券のタクシー利用拡大を行ったものでございますが、今後さらに急速に増大するニーズに対応するためには、タクシー利用拡大のみでは難しいと認識してございます。また、このような外出支援に加えて、高齢者の健康づくり、あるいは健康寿命の延伸についてもますます重要になってまいります。したがいまして、今後の全体の施策を見直しながら再構築していくという趣旨につきましては、超高齢社会に対応した持続可能な移動支援の仕組みとか、社会参加活動、健康づくり活動、それらに取り組む市民一人一人を応援する仕組みのあり方、そういった再構築を行ってまいりたいということでございます。以上です。 822 ◯副議長(石田正明) 中山郁美議員。 823 ◯50番(中山郁美) 移動支援というなら、高齢者乗車券を縮小するのは全くおかしい。そもそも高齢化の進展は以前からわかっていたことであり、行政としてはそれを見据えて、施策の後退をさせないよう財源の確保策を打つべきだったのです。高齢化が進むのは高齢者の責任ではありません。社会全体として長寿社会を喜び、支えるべきであります。ところが市長、あなたは観光客や新規創業企業などには至れり尽くせり、そして高齢者には関係深いとは言えないウォーターフロントや天神、都心開発に施策と財政をつぎ込む一方、子どもや高齢者施策には大なたを振るい始めています。あなたのスタンスは間違っています。このまちで長らく過ごしてこられた高齢者を敬い、大切にする予算こそ充実させるべきです。  したがって、敬老金、敬老祝い品、高齢者乗車券の削減、廃止計画は撤回し、存続、充実こそ図るべきではありませんか。最後に高島市長にお尋ねし、私の質問を終わります。 824 ◯副議長(石田正明) 高島市長。 825 ◯市長(高島宗一郎) 全国に比べて若くて元気と言われる福岡市においても、超高齢化社会というものがやってくるわけです。これから迎える社会は、高齢者が急速に増加する一方で、子どもや働く人が大幅に減少していくという社会です。この人口構造の大きな変化は社会基盤の変化を意味しており、今、享受できている生活の質を維持向上させていくためには、これまでの延長線上ではない大胆な発想の転換が必要と考えています。それが配る福祉から支える福祉へ。これは制度上、年齢などを条件に一律に支えられる側とされている方々でも、意欲や能力に応じて支える側で活躍をしていただける社会、そして誰かの支えが必要になったとしても、住みなれた地域で安心して暮らせていける社会をつくりたい、そういう決意でございます。  こうした社会を次世代に引き継げる持続可能なものとしてつくっていくためには、行政だけではなくて、地域や企業、団体など、多くの皆様が参加をして一体的に取り組むことが必要不可欠でございます。福岡市は、こんな幸せな健康福祉のまちをつくるんだという将来像を市民の皆様と一緒に共有して、それぞれの立場でみんなが未来を語り出し、動き出し、そしてチャレンジが始まる、そういった超高齢社会に向けた持続可能な仕組みというもの、取り組みを、福岡市を次のステージへと飛躍させる「FUKUOKA NEXT」の一環として着実に推進していきたいというふうに考えております。以上です。 826 ◯副議長(石田正明) お諮りいたします。  本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明17日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 827 ◯副議長(石田正明) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次の会議は明17日午前10時に開きます。  本日はこれをもって散会いたします。                                         午後5時31分 散会 Copyright (c) FUKUOKA CITY, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...